マガジンのカバー画像

38
読んだ本、読みたい本。 漫画や本の話題多めの日のこと。
運営しているクリエイター

#猫

空っぽに見える夜

空っぽに見える夜

夜、ベッドで本を読んでいると、シピがお腹の上にやってきて眠りだした。安心する匂いとあたたかさにつつまれて、わたしも本を片手にうとうとと気づけば眠っていた。

隣のキッチンから、ぐぉんぐぉんの後に、ぽっぽっぽっぽっ、カランカラン、という音が順番に聞こえて目を覚ます。23時30分。同居人が夜な夜な電動ミルで豆を挽き、アイスコーヒーを淹れる音。「わたしもー」とすこし声をはるも届かない。仕方なくシピをおろ

もっとみる
朝。

朝。

ぜんぜん朝じゃない時間に、起き抜けのあたまでぼんやりと、世界について考えている。すこしずつ目をひらき、にぶる思考をたぐりよせて。

朝がにがてだ。

いやな夢を見た。夢くらい毎日幸せな夢がみたい。夢を選べる道具があればきっと売れるだろうな。

私たちは弱いので
嫌なことは忘れて
ささやかな
良いことだけを
噛みしめて
生きていくんだ
ー『かしましめし』

噛みしめて、か
はむはむと力なく食パンを噛

もっとみる
星野道夫、約束の川

星野道夫、約束の川

昨夜、星野道夫さんの『約束の川』を読み終えた。

とってもよくて、ああ、この人のように世界に向き合えたら、この人のように言葉が紡げたら、と、とてもうれしくなり、ほかのも読みたい、写真集も眺めまわしたいっとネットで調べていたら、その流れで星野さんの最期を今更ながら知り、とても落ち込んでしまった。

ねこを撫でながら、ぽろぽろ泣いて、なにがかなしいのかうまく伝えられないけれど、とにかくショックで、

もっとみる
人生の中できっと思い出し続ける、忘れてもいい

人生の中できっと思い出し続ける、忘れてもいい

Instagramで読書日記だけではなく、日常のことも投稿するようになった。なんのことはない、ノートだけが並ぶ投稿欄の見栄えにあきてきたのと、日によって違う写真の光の加減が妙に気に障ったという理由なのだ。

そうすることで、InstagramとTwitterとnoteの境目が曖昧になり、3つも本当にいる?という問いが生まれ、書き分けにも悩み、やれこまったとなっている。

もとは誰かに見てもらうため

もっとみる
詩と音楽と本と、猫

詩と音楽と本と、猫

谷川俊太郎さんの詩集『あたしとあなた』を読んで、はじめて泣いたのはいつだったろうか。ときどき読み返しては、そのたびにぐっと心の奥の方が揺れる。

それと同じではないけれど、同じように、おばけの全感覚祭のLIVE映像「まーらいおん」を聴いて、何度だってほろほろ涙。

歌も曲も表情も、空の色までもが、底無しにやさしいんだよなぁ。

一度だいすきになったものは、いつだって新鮮な感動を私に与えてくれる。

もっとみる
わたしを全肯定、あなたを全肯定

わたしを全肯定、あなたを全肯定

朝目覚めて、仕事のメールで落ち込んだ。
どんなに最善を尽くしたつもりでも、どこかで取りこぼしてしまう時がある。その度に、自分の爪の甘さに嫌気が刺す。向いていないのだろうかと思う。でも、8年も続けているのだから、向いていってくれと思う。少なくともわたしは向き合っているのだから。なにを言ってるやら。

好きなこと仕事にしていいね。とよく言われる。でも、好きなことと楽しいことはちがう。好きでやっていても

もっとみる
考えうる限りさいこうの休日

考えうる限りさいこうの休日

この2日間はというと、蔦屋書店に行ったこととBOOKOFFと古市に行ったことがメインで、あとは、だらだらごろごろ家で漫画や本ばかり読んでいたので、考えうる限りさいこうの休日なのではないか。

昼間はなぜか暑く、秋どこへやらという気持ちなのだけど、夜は匂いも気温もしっかり秋なので、嬉々として古市へ行く。

いつも夜の散歩がてら近所の古市に行くのが楽しみで、そんな頻度で行っていたら並ぶ本も変わらないよ

もっとみる