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外国語教育_at my desk

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#日本の英語教育を考える

松岡亮二(編著)『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』

松岡亮二(編著)『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』

学校教育における「格差」「学力」「政策」そして「未来」に関わる計20もの章があり,どの章が「必読」であるかは人によるところはあるでしょうが,私の雑な感想を一言で言えば,学校教育の話をする可能性のある人全員に読んでもらいたい本です。

GIGAスクール構想であれ,コロナ対応のオンライン授業であれ,大学入試であれ,21世紀型スキルの教育であれ,何を話題にするにしても本書の内容(またはそれに近いもの)を

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『民主主義の育てかた』読書会 #4

『民主主義の育てかた』読書会 #4

毎週火曜夜に行うこちらの本の読書会。

今回も小学校教員・中高一貫校教員・大学院生(修士課程・博士課程・教職大学院)と多様なメンバーで。

今週は第3章 三谷高史「「地域と教育」論—コミュニティ・スクールは誰のために」

(本記事の引用元を表す頁数は,特にことわりのない場合,本章からの引用である。)

コミュニティ・スクールとは私立中高一貫校で働く私はコミュニティ・スクールという概念についてすらよ

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『民主主義の育てかた』読書会 #2

『民主主義の育てかた』読書会 #2

神代健彦(編著)『民主主義の育てかた』の読書会

今回は第1章。

「はじめに」を読んだ前回についてはこちら▼

「国民教育権」論の限界改正前教育基本法(昭和22年)の第十条を参照すると,

教育は,不当な支配に服することなく,国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。

とある。

戦後直後(1947年)に制定されたこの法律に基づけば,教育は国民全体の意思に従って行われなければなら

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『民主主義の育てかた』読書会#1

『民主主義の育てかた』読書会#1

神代健彦(2021)『民主主義の育て方 現代の理論としての戦後教育学』をゆっくり読み進める読書会を始めた。

noteとして公開しながらも,読書会の記録としての機能も兼ね一つの記事の中で考えがコロコロ変わることもあり得る。

また,対話の中で生まれた言葉・アイデアも,個人のセリフではないような形で導入する部分がある。

そんなわけで,実際に行われた読書会を基にしたフィクションとも言える。

また,

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『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』 雑感

『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』 雑感

北出・嶋津・三代(編)『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』を読みました。

高校生の言語学習・言語教育実践から,言語教育研究・言語教師養成まで幅広く言語教育に関わる諸分野におけるナラティブ・アプローチの実践が紹介されています。また,前半は理論編ですので「ナラティブ(・アプローチ)って何?」という人もこの本から入門することも可能かと思います。

どうでもいいけど,表紙めっちゃかわいい。どうでも

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水本篤先生の「語彙学習方略の理論と実践」を聞きました。

水本篤先生の「語彙学習方略の理論と実践」を聞きました。

大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座「英語教育オンラインセミナー」の第5弾,水本篤先生の「語彙学習方略の理論と実践」を聞きました。

今回も聴きながら(紙のノートではなく)note上にメモしていくスタイルで,英語教師として特に押さえておくべきだろうと感じた部分を中心にまとめています。

学習スタイルとの違いと関係性学習者の中には情報を視覚で処理するのが得意な人,聴覚で処理するのが得意な人,実

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浦野研先生の「タスク・ベースの英語授業:基本的な考え方とデザイン方法」を聞きました。

浦野研先生の「タスク・ベースの英語授業:基本的な考え方とデザイン方法」を聞きました。

大阪大学マルチリンガル教育センターの英語教員オンラインセミナーの第4弾,浦野研先生の「タスク・ベースの英語授業:基本的な考え方とデザイン方法」を聞きました。

近頃この大阪大学のシリーズを含めオンラインセミナーを受けまくっているのでちょっと気持ち的に疲れ始めています。
これまでは基本的に紙のノートにペンで乱雑にメモを取っていたんですが,今回からは直接紙ではないnoteにメモしながら聴いて,後から公

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石川慎一郎先生「コーパスを用いた英語教育の新しい展開:指導から評価まで」を聞きました。

石川慎一郎先生「コーパスを用いた英語教育の新しい展開:指導から評価まで」を聞きました。

大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座「英語教育オンラインセミナー」の第2弾,石川慎一郎先生の「コーパスを用いた英語教育の新しい展開:指導から評価まで」を聞きました。

他の回のまとめ記事はこちら。

第1弾: 新谷奈津子先生「ライティングにおけるフィードバックのありかた:第二言語習得研究の成果と課題」

第3弾: 亘理陽一先生「文法指導の文法: 機能とやり取りの観点から」

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亘理陽一先生の「文法指導の文法: 機能とやり取りの観点から」を聞きました。

亘理陽一先生の「文法指導の文法: 機能とやり取りの観点から」を聞きました。

大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座「英語教育オンラインセミナー」第3弾、亘理陽一先生の「文法指導の文法: 機能とやり取りの観点から」を拝聴しました。

亘理先生の文法指導の話は,もう何年も先生にお世話になりまくってきたおかげで,授業実践にも色濃く反映されるレベルで自分のものになっているという実感があります。

だからと言うわけでもないですが,新谷先生のライティングフィードバック(振り返りn

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新谷奈津子先生のオンライン講座「ライティングにおけるフィードバックのありかた:第二言語習得研究の成果と課題」を聞きました

新谷奈津子先生のオンライン講座「ライティングにおけるフィードバックのありかた:第二言語習得研究の成果と課題」を聞きました

大阪大学マルチリンガル教育センター様主催の令和3年度大阪大学マルチリンガル教育センター公開講座「英語教育オンラインセミナー」第1弾
「ライティングにおけるフィードバックのありかた:第二言語習得研究の成果と課題」(新谷奈津子先生)
を拝聴しました。

今まであまり勉強してこず「なんとなく」でやってきた分野だったので,基礎的なことをしっかり整理して学べた良い機会でした。

振り返りも兼ねて,書きつつ考

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