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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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2021年10月の記事一覧

【日本という国】これまでの日本、そして、これからの日本

【日本という国】これまでの日本、そして、これからの日本

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜シリーズ「よりみちパン!セ」〜よりみちパン!セは、ヤングアダルト向けのサブカルチャー的な「教養書」のシリーズである。
中学生以上を対象としているので、中高生はもちろんのこと、大人も楽しめるシリーズ、だそうだ。

たしかに、この本を読む限りルビが振ってあり読みやすく、中学生にもわかりやすいように配慮されている内容だと思う。
大人の学び直しにも良いかもしれない

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【民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代】民衆暴力はなぜ起こるのか?を考える

【民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代】民衆暴力はなぜ起こるのか?を考える

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜わずか100年前にあった凄惨な暴力〜本書は、近代日本で起きた大規模な暴動のうち、新政反対一揆(1866〜77)、秩父事件(1884)、日比谷焼き打ち事件(1905)、関東大震災時の朝鮮人大虐殺(1923)の四つの事件を取り上げ、民衆(本書では、「民衆」を「国家を構成する人びと」の意味で広義で用いている)による暴力は、一体何に駆り立てられたのか?という事を、さ

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【物理数学の直観的方法】理工系大学生必読の伝説の一冊

【物理数学の直観的方法】理工系大学生必読の伝説の一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆
(工学系の大学生には☆☆☆☆☆)

〜まずは僕自身の話から〜この本を紹介する前に、先に僕自身の話をさせていただきたい。

僕は、とある大学の情報工学科に進学した。卒業後はそのまま大学院に進んだのだが、画像解析を専門とする研究室に入って、半年で中退している。
そして今は、プログラマやエンジニアなど情報工学とは関係のない仕事に就いている。

いわば、僕は理系をドロップ

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【人新世の「資本論」】資本主義からの脱却は可能か?

【人新世の「資本論」】資本主義からの脱却は可能か?

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜人新世とは?〜SDGsは「大衆のアヘン」である。

挑発的な序章から始まる本書は、資本主義により深刻化する国際問題や環境破壊について述べ、「脱成長コミュニズム」という新しい社会の成立を目指す、という内容である。

「人新世」とは何か。本書では、人類の経済活動の痕跡が、地球の表面を覆い尽くした年代、とされている。つまり、人類の行き過ぎた経済活動が、地球環境を破

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【実力も運のうち 能力主義は正義か?】考える要素が多すぎる一冊

【実力も運のうち 能力主義は正義か?】考える要素が多すぎる一冊

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

最初に白状しておくと、非常にまとまっていない文章を書いてしまった。というのも、あまりにも刺激的な題材で書こうと思う事があまりにも多くなり、まとめられなくなってしまったのが実際のところだ。
この一冊で、世の中の見え方が大きく変わるかもしれない。疑いもしなかった命題に真っ向から批判を投げかける本書は、誰もが読む価値のある一冊だと思う。

〜能力主義が生み出す不平等と

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