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記事一覧

『海外出羽守』問題の本質は何か?(Abema出演まとめ)

『海外出羽守』問題の本質は何か?(Abema出演まとめ)

29日夜にAbemaPrimeに出演してきました。テーマは「海外出羽守(でわのかみ)」で、日本社会の実情を踏まえずに何でもかんでも「海外”では”こうなのに日本て遅れてるよね」みたいなことを言いまくる人のことですね(笑)

動画はYouTube版がコレです↓

ただこれ、以前に自分が出演した時も、川口市のクルド人問題の回を視聴者として見ていた時も思ったんですが、1コーナー30分の実際の放送を15分程

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2022年度バスケットボール男女日本代表チーム強化・活動方針発表会見

2022年度バスケットボール男女日本代表チーム強化・活動方針発表会見

何より分かりやすい。トップチームのヘッドコーチが語る。そして、何よりもいつでも見返せるのがイイ。

まだご覧になったことない方は是非。

日本版FTEM@JSC(日本スポーツ振興センター)

日本版FTEM@JSC(日本スポーツ振興センター)

「育成」に関して、標準と考え得るものがネット上に公開されているので、紹介したいと思います。

日本スポーツ振興センター(日本のスポーツ振興を目的として設置、文部科学省所轄)が、アスリート育成パスウェイを整理するために開発したのが「日本版FTEM」です。

JSCには「国際競技力の強化」という使命がありますから「トップアスリートになる」ことをゴールとするのは当然と言えるでしょうが、「育成」はトップア

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LTAD(長期的なアスリート育成)モデルとは#1

LTAD(長期的なアスリート育成)モデルとは#1

「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第1回です。

「バレーボーラーの一貫育成メソッド」を策定していくにあたって、まずは本メソッドの核となるコンセプト「LTAD」について解説をしたいと思います。本記事ではLTADの全体像を掴んでいただくことを趣旨に書いていきたいと思います。

LTADとは「LTAD」とは「Long-Term Athlete Development」の略であり、”長期的なア

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エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例 ①アンダーハンドパスの感覚をつかむ

エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例 ①アンダーハンドパスの感覚をつかむ

先日、2023年10月14日に某中学男子チームに行き、そこで「制約主導アプローチ」を試してみてなかなかの手ごたえだったので、「エコロジカル・アプローチ@バレーボール実践例」として紹介したいと思います。

「エコロジカル・アプローチ@バレーボール」シリーズではその考え方について説明してきましたが、SSG(スモールサイドゲーム)など具
体的な練習方法を共有していくことも重要ですね。ただし、「こんなやり

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競技横断ジュニアスポーツミーティング2023

競技横断ジュニアスポーツミーティング2023

タイトルの通り、競技横断。

「育成」とか「普及」とか汎用的なワードは相対的に見るに限る。

果たして、バレーボールの現在地とは。

バレーボールの育成年代における過去・現在・未来

サッカーの育成年代における過去・現在・未来

バスケットボールの育成年代における過去・現在・未来

プレイリストはこちら。

ご感想をお待ちしております。

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【15/16】まとめ

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【15/16】まとめ

ここまで「エコロジカル・アプローチ」をバレーボールで実践していくために何が必要かを考えてきましたが、結論としては「動作にしても戦術にしても、プレイヤー自身がそれをつかんでいく・構築していくには、プレイ環境をデザインして試行錯誤してもらうしかない」ということですね。
そこで大事なのは、「有効な試行錯誤が成立するために指導者は何をするべきか」の手引きであり、このシリーズがそのガイドブックになってくれれ

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エコロジカル・アプローチ@バレーボール【1/16】なぜ「エコロジカル・アプローチ」なのか?

エコロジカル・アプローチ@バレーボール【1/16】なぜ「エコロジカル・アプローチ」なのか?

今話題の「エコロジカル・アプローチ」ですが、このnoteでも雑賀雄太氏がシリーズで解説しています。また、ポルト大学(ポルトガル)スポーツ科学部修士課程でエコロジカル・ダイナミクス・アプローチ、制約主導アプローチ、非線形ペダゴジー、ディファレンシャル・ラーニングなどの運動学習理論を学んだサッカーコーチの植田文也氏が書籍にまとめています。

雑賀氏はシリーズの記事の最後に次のように書いています。

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スロットをチームシステムとして機能させるために【1/2】

スロットをチームシステムとして機能させるために【1/2】

漫画「ハイキュー」で描かれる烏野高校が志向する複数人(4名または5名)によるシンクロ(同時多発位置差)攻撃のようなトータルオフェンスをゲーム中のカオスな状況下で何度も遂行するためにはチーム内で共有されるプレーシステムやプレー原則が必ず必要となってくる。

彼らは一体どのようなプレーシステム・原則の元でコートを縦横無尽に駆け巡ってプレーしているのだろうか。所詮、漫画の中での話だと切り捨てればそれまで

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トータルオフェンスを実現するためのオフェンスシステムについて考察する【1/8】

トータルオフェンスを実現するためのオフェンスシステムについて考察する【1/8】

「トータルディフェンス」と聞くことは増えたが「トータルオフェンス」と聞くことはない。なぜだろう。

こんな素朴な疑問から本記事の執筆はスタートした。

トータルディフェンスとは、端的に言うならば相手チームのオフェンスに対して、ディフェンスの先鋒であるフロントディフェンスと後衛プレーヤーを主体とするフロアディフェンスが連携して行うディフェンスを指す。

世界、そして日本のトップカテゴリ、特に男子では

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オーバーハンドパスとイップス(?)について

オーバーハンドパスとイップス(?)について

セットアップの基本を考える1~5
オーバーハンドパスのハンドリングについて1~3
小学生のオーバーハンドパスは「持つ」のを大目に見るべきなのか?1~4
と、オーバーパスのハンドリングについて書いてきましたが、ハンドリングの話題で避けて通れないと考えているのが「イップス」の問題です。

ボールが手に入って出ていくときの手の動き(受動的に起きる動き)を意識的にやろう(能動的動き)とはしない方がいい

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小学生のオーバーハンドパスは「持つ」のを大目に見るべきなのか?(1/4)「持たせるところから始める」指導の意味

小学生のオーバーハンドパスは「持つ」のを大目に見るべきなのか?(1/4)「持たせるところから始める」指導の意味

以前のシリーズ「オーバーハンドパスのハンドリングについて」で、
・初心者にオーバーハンドパスを教えるときに「持って投げる」から始めるというやり方があり、飛ばす力がないうちは「持って投げる」のは仕方がないと考えられているようだ。
・小中など下のカテゴリーで「持つ」ことを身につけてしまったプレイヤーが、カテゴリーが上がって「持たない(正しい)パス」に変えようと思っても非常に難しく、指導者もプレイヤー自

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非線形的運動学習理論『エコロジカル・アプローチ』【1/5】

非線形的運動学習理論『エコロジカル・アプローチ』【1/5】

サッカー界で広がりを見せている非線形的運動学習理論であるエコロジカル・アプローチ。名前からも難解であるイメージが拭えない理論である。本記事では、Q&A形式でこの理論の全貌に近づいていきたいと思う。バレーボールを専門とする私の解釈を交えながら考察を深めていくことによって、バレーボール界でもこうした理論に関する知識が浸透し、バレーボール界がさらに発展していくことを期待したい。

エコロジカル・アプロー

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ブロック・プレーの過去・現在・未来【1/5】

ブロック・プレーの過去・現在・未来【1/5】

ブロック・プレー=コンタクト・プレーバレーボールはその名の通り"volley"(打ったり、蹴ったりする)によってすべてがプレーされる。しかし、FIVBが発行するルールブックを読んでみるれば分かるのだが、バレーボールのプレーは次の二つに大別して表記されている。

"hit"と"contact"である。

"hit"はブロック以外のすべてのプレーを指し、"contact"はブロック・プレーを指している

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