ONES

「すべてのバレーボーラーに学びを。」をミッションとして、様々な視点からバレーボールに関…

ONES

「すべてのバレーボーラーに学びを。」をミッションとして、様々な視点からバレーボールに関する記事を投稿します。 ライター:雑賀雄太 / 布村 忠弘 / 縄田 亮太

マガジン

  • 分析

    分析に関連する記事をまとめています。

  • ブロック

    ブロックに関連する記事をまとめています。

  • 育成

    育成に関連する記事をまとめています。

  • コーチング

    コーチングに関連する記事をまとめています。

  • LTAD

    LTAD(Long Term Athlete Development /長期的視点でのアスリート育成)をコンセプトとして据えおき、未来のバレーボーラーを5年、10年、15年といった長期的スパンで育成していくための一貫育成メソッドを策定します。 このマガジンでは当メソッドの制作プロセスを随時公開していく予定です。

最近の記事

  • 固定された記事

バレーボーラーのための学習プラットフォーム構築にむけて: その1「バレーボールとはどんなスポーツか?」

みなさま、こんにちは。 日本バレーボール協会から出版された教科書「コーチングバレーボール基礎編」の基本技術の章に「動作原理」を書いた布村です。この度、仲間と一緒に、バレーボーラーのための学習プラットフォームの構築を始めようということになりました。 「コーチングバレーボール」が出てから5年になりますが、「この続きをどうするか、実際に現場の指導に役立つにはこれだけでは足りない」という話を、基本技術の編集に一緒に携わった愛知教育大学の縄田亮太先生としてきました。なかなか行動に移

    • ゲームで学び、ゲームを学ぶ(15)-「3対3」のゲーム④ディフェンスの課題2

      前回に続き、「3対3」のゲームにおけるディフェンスの課題をサーブに焦点を当てて具体的な例を挙げています。オフェンス側の攻撃参加の「準備」を不十分にすることと「選択肢」を減らすことを念頭におくと、意図が見えてきます。 相手の攻撃参加の「準備」を不十分にし、「選択肢」を減らすには? 問2図1はA選手とB選手が矢印の方向に攻撃参加したいと仮定した場合です。守備力は同程度、攻撃力はB選手の方が高いので、B選手に出来るだけ良い状態で攻撃されたくないという設定です。さて、どのような返球

      • データ分析とその活用についての試行錯誤

        私自身、2023〜2024年シーズンをリガーレ仙台のヘッドコーチとして過ごしましたが、そこでは多くの貴重な経験をすることができました。その中でも現代のバレーボールにおいてその重要性を増しているとも言える『データ』と向き合う日々は私にとって初めてのことばかりで、試行錯誤の連続でした。データ分析とその活用においてまったくの未経験であった私がどのように『データ』と向き合ってきたのかの軌跡をここにまとめておきたいと思います。 『データ』と向き合ったことはないと言う方。 『データ』

        • ゲームで学び、ゲームを学ぶ(14)-「3対3」のゲーム③ディフェンスの課題1

          前回から引き続き、今回も「3対3」のゲームについて、ここからはディフェンス側として得られるものについて、説明していきます。 はじめに前回の記事では、オフェンス側は攻撃参加の「選択肢」を出来る限り確保することを前提に、特に1本目で意図的な攻撃するための十分な時間を確保することの重要性を述べてきました。一方で、ディフェンス側としては、相手の攻撃参加の「準備」を不十分にし、「選択肢」を減らすことが基本的な課題の1つになります。そのためには攻撃する側の1本目にどれだけ負荷をかけられ

        • 固定された記事

        バレーボーラーのための学習プラットフォーム構築にむけて: その1「バレーボールとはどんなスポーツか?」

        • ゲームで学び、ゲームを学ぶ(15)-「3対3」のゲーム④ディフェンスの課題2

        • データ分析とその活用についての試行錯誤

        • ゲームで学び、ゲームを学ぶ(14)-「3対3」のゲーム③ディフェンスの課題1

        マガジン

        • 分析
          3本
        • ブロック
          19本
        • 育成
          30本
        • コーチング
          1本
        • LTAD
          22本
        • アタック
          6本

        記事

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(13)-「3対3」のゲーム②オフェンスの課題

          前回の記事(2024.8.30追記あり)では「3対3」のゲームの特徴として、「2対2」のゲームに比べて「選択肢」(返球までに要する組み合わせ)が多くなることに着目し、「選択肢」が増えると「判断」を伴うプレーが多くなるため、技能が低い段階では「難易度」が高まる要因になることを説明しました。 一方で「難易度」を下げるには「役割」(例えば、優先的に2本目をプレーする人)を決め、「選択肢」を意図的に減らすことによって、結果として「難易度」を下げようとする工夫があることに触れました。

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(13)-「3対3」のゲーム②オフェンスの課題

          育成における留意事項#22

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第22回です。前章では、標準化成長速度曲線を用いてプレーヤーの身体的成長プロセスについて解説をしてきました。本記事では改めてLTADにおけるプレーヤーの成長段階を包括的に理解できるようにしていきたいと思います。 LTADの成長段階を理解し、活用できる準備をする本シリーズの「#8」から「#15」まで8回に渡り、LTADの各段階におけるトレーニングの在り方についてまとめてきました。少し時間が経っているかと思いますので、改めて各段階にお

          育成における留意事項#22

          育成における留意事項#21

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第21回です。前章までは、育成の3本柱についてまとめて解説をしてきました。本記事からは育成における具体的な留意事項について考え、まとめていきたいと思います。 標準的な成長プロセスを理解する子どもは小さな大人ではない。 これはフランスの哲学者ルソーの言葉で、子どもには子ども時代特有の世界があり、精神的にも肉体的にも大人とは全くもって異なる存在であることを主張しています。そして、これは大人たちは子どもたちの成長プロセスをしっかりと理

          育成における留意事項#21

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(12)-「3対3」のゲーム①特徴と課題

          前回までの記事では「1対1」「2対2」における戦術学習に焦点を当て、具体的な方法論や選手に意識させたい点や、指導者が観察したい点などを説明してきました。また、「1本目返球」「2本目以内返球」「3本目以内返球」など「返球条件」の違いによって、学習できる内容が変わっていく、増えていくことを説明してきました。 これは、「ゲームで学び、ゲームを学ぶ」シリーズの第2回、第3回で解説したゲーム・ラリーの要素に加えて、様々なゲーム・ラリーの条件を設定することによって、学習課題が変化するこ

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(12)-「3対3」のゲーム①特徴と課題

          育成の3本柱(その3)#20

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第20回です。前章では、育成の3本柱の一つである「勝利と育成の両立を志向する育成」について解説をしてきました。 本記事では引き続き、育成の3本柱についてまとめていきたいと思います。 育成の3本柱本メソッドでは、育成の考え方について下記の通り3つにまとめています。 ここからは「3. セルフコーチングができるプレーヤーの育成」について詳しく解説をしていきたいと思います。 3. セルフコーチングができるプレーヤーの育成育成の3本柱

          育成の3本柱(その3)#20

          ブロックが「流れる」ことについて

          上の記事にも書きましたが、コーチングバレーボール基礎編(日本バレーボール協会編)では次のように述べられています。 現在世界で最も一般的に使われているブロック戦術は「ゾーン・バンチ・リード・システム」であり、リードブロックとは「セッターがセットしたボールを見て、どこでどんな攻撃がされるかを判断して動き、ジャンプする」ものです。判断してから動いて間に合うために「最短時間で目標に到達する」ということがとても重要になります。そのために「スパイクジャンプのように(助走を活かし)しっか

          ブロックが「流れる」ことについて

          育成の3本柱(その2)#19

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第19回です。前章では、育成の3本柱の一つである「世界トップレベルの当たり前から逆算した育成」について解説をしてきました。 本記事では引き続き、育成の3本柱についてまとめていきたいと思います。 育成の3本柱本メソッドでは、育成の考え方について下記の通り3つにまとめています。 ここからは「2. 勝利と育成の両立を志向する育成」について詳しく解説をしていきたいと思います。 2. 勝利と育成の両立を志向する育成育成の3本柱の2本目

          育成の3本柱(その2)#19

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(11)-「2対2」の「3本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-②

           前回の記事では「2対2」の「3本目以内返球」のゲームについて、「守り-組み立て-攻め」という機能が独立するという特徴に焦点を当てて説明し、常に得点意識をもつことの重要性について解説しました。今回は「2対2」の「3本目以内返球」で学べることについて具体的に詳しく説明していきたいと思います。 プレーの機能が独立 「連係プレー」が2回(1本目から2本目、2本目から3本目)できるため、1つのプレーの機能が独立します。例えば、1本目返球の場合では「攻守一体」と呼ばれ、「守り」と「攻

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(11)-「2対2」の「3本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-②

          育成の3本柱(その1)#18

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第18回です。前章では、本メソッドにおけるコーチング行動指針について解説をしてきました。 本記事ではLTADをベースにした本メソッドにおける育成の3本柱となる考え方についてまとめていきたいと思います。 育成の3本柱本メソッドでは、育成の考え方について下記の通り3つにまとめています。 ここからは、育成の在り方について詳しく解説をしていきたいと思います。 1.『世界トップレベルの当たり前』から逆算した育成本メソッドはLTAD(L

          育成の3本柱(その1)#18

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(10)-「2対2」の「3本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-

           前回の記事では「連係プレー」を学ぶことができる最少人数の「2対2」で「2本目以内返球」のゲームを「味方へパスできる」条件という特徴に焦点を当て、具体的な実践方法を紹介してきました。今回は「2対2」の「3本目以内返球」のゲームを「守り-組み立て-攻め」という機能が独立するという特徴に焦点を当て、戦術学習がどのように行われていくのかを説明していきたいと思います。 「3本目以内返球」の特徴 前回の「2本目以内返球」のゲームに加えて、味方コートでさらにもう1度だけパスができる「3

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(10)-「2対2」の「3本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-

          コーチング行動指針#17

          「バレーボーラーの一貫育成メソッド」 制作の第17回です。 前章では、本メソッドにおける育成理念(ミッション・ビジョン・バリュー)について解説をしてきました。 本記事ではコーチング行動指針について考えていきたいと思います。 行動指針とはコーチング活動を行っていく上での行動指針について、ここでは考えていきたいと思います。行動指針とはバリューをより具体的に明文化したものとなります。本育成メソッドにおけるバリューは以下のように定義されています。 上記3つの文章はある程度の方

          コーチング行動指針#17

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(9)-「2対2」の「2本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-(2)

           前回の記事では「2対2」の「2本目以内返球」ゲームについて、特徴は「パス」(連係プレー)が生じるということを述べました。導入段階では、たくさんボールに触れて「パス」を経験できることが最優先されるべきであり、「パス」が成立しやすい環境を考慮しなければならず、無理なくパスが続き、ボールの接触回数が増えるためには「コートの広さ」が重要であることを解説しました。今回は、「2対2」の「2本目以内返球」ゲームにおいて「パス」(連係プレー)を経験する中で具体的に何を学ぶのかについて解説し

          ゲームで学び、ゲームを学ぶ(9)-「2対2」の「2本目以内返球」ゲームで何を、どうやって学ぶか-(2)