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2024年3月の記事一覧
おとなになるってどんなこと?(著:吉本ばなな) 読書感想文
おとなになるってどんなこと?(著:吉本ばなな、ちくまプリマー新書、2015)
この抜粋した箇所からは映画『シェルタリング・スカイ』の中でポール・ボウルズが言う台詞を連想しました。
「人は自分の死を予知できず、人生を尽きぬ泉だと思う、だがすべて物事は数回起こるか起こらないか。自分の人生を左右したと思えるほど、大切な子供の頃の思い出も、あと何回心に浮かべるか4〜5回思い出すのがせいぜいだ。あと何回
「違うこと」をしないこと(著:吉本ばなな) 読書感想文
「違うこと」をしないこと(著:吉本ばなな、KADOKAWA、2018)
違和感を信用する。常識を疑う。直感を大切にする。自分に正直に生きる。流れに対して自然でいる。
人の顔色を伺う癖がばななさんは強いんだなと、それと危機感を察知する処世術がすごい。
そういう人って敏感すぎて人生に疲れちゃう気がするんだけどばななさんの場合は人を観察するのが好きで嫉妬したり感情的になることがなかった。
あとはじめ
さよならのあとで(詩:ヘンリー・スコット・ホランド、絵:高橋和枝) 読書感想文
さよならのあとで(詩:ヘンリー・スコット・ホランド、絵:高橋和枝、夏葉社、2012)
この本は英国教会の神学者、哲学者のヘンリー・スコット・ホランドが書いた42行の詩を翻訳したものです。
実は自分、先日3月11日に祖母を亡くしまして、そこである方からこの本をお薦めいただき読んでみました。
まず冒頭を抜粋してみると、
冒頭のこの箇所からして元気づけられます。
ここで思ったのは、死とはどうしても悲
あなたは、誰かの大切な人(原田マハ、2014) 読書感想文
あなたは、誰かの大切な人(著:原田マハ、2014、講談社)
短編集である。
どの話も印象的だが個人的には「月夜のアボカド」がいちばん好きだ。
恋愛はいくつになってもできる。歳をとって実る恋だってある。
死に取り憑かれている暇はないのだ。
人生に速いも遅いも実はないのだ。
(ちなみに自分はアボカドはこの世でいちばん嫌いな食べ物である。)
死や死に至る病に取り憑かれている主人公たちの話がだんだん死