Nana Tabara

ワインが出会わせてくれたこと。 フリーの編集、ライター、クリエイティブディレクター。 …

Nana Tabara

ワインが出会わせてくれたこと。 フリーの編集、ライター、クリエイティブディレクター。 JSA wine expert、CPA cheese professional。

記事一覧

🥂 日にち薬

今日は日にち薬の話をします。 大好きな瀬戸内寂聴さん曰く、日にち薬は京都の言葉らしいのですが、本当なのかは謎です。 本当に時間って偉大。大好きだった人との関係性…

Nana Tabara
1日前
2

🥂待つことは得意。だけど

たまに東京タワーが見える場所で仕事をすることがあるのですが、 昨日、東京タワー越しの雲の輪郭に夏のニュアンスを感じてしまい、 今年は特に、時が早いし速いと感じる日…

Nana Tabara
8日前
7

🥂 はじめの印象。から変えてくれたのは

第一印象って、対人間の場合、結局その印象が続いたりします。 でも、その感覚は間違ってもないなって思ったりもしている、超感覚的人間な私ですが。 ワインでも、その造…

Nana Tabara
2週間前
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🥂 そのワインを語っているのに、本質からどんどん離れていく

テイスティングコメントとは、当たり前のことだけど、そのワインを語るということ。 一緒にそのワインを味わっている相手とは、感想を交わし合うことで、よりその1本を理…

Nana Tabara
3週間前
6

🥂 お外の昼ワインはこれだけでいい

誰もが思っていることだろうけど、外で飲むお酒はなんでこんなに美味しいんだろう。 外で飲む、となったらやっぱり昼飲みが思い浮かびます。 昔の方が昼から飲むことが多…

Nana Tabara
1か月前
13

🥂 ああ、このネイルの間に会いたかったな

ネイルのデザインは、その1ヶ月の指針。 来たる予定をイメージしながらデザインを考える人も多いのではないでしょうか。 「あの会では黒のワンピースを着るから、爪は華や…

Nana Tabara
1か月前
6

🥂 ストレートに伝わってくる方を欲している時もある

ワインの楽しいところ、面白いところは、 香り・味わい・余韻・全体的な雰囲気などなど、いろんな要素を内包した飲み物である点ではないでしょうか。 最近は少し飲む頻度…

Nana Tabara
1か月前

🥂 あたたかくしてね

「あたたかくしてね」 今年の冬はこの言葉を何度も伝えていたように思います。 「あたたかくしてね」 この言葉をはじめてかけられたとき、その優しい響きに、その言葉を自…

Nana Tabara
1か月前
4

🥂 記憶を超えていく旅。

ジャックフレデリックミュニエのクロドラマレシャルは、ブルゴーニュをすきになるきっかけの1つとなったワイン。 ワインを感じるとき、その感じ方に左右される要素ってと…

Nana Tabara
2か月前
7

🍷9/2 後々意味を持ってくる

その日は友人とカジュアルにワインを飲むだけの日だったんです。 だから、馴染みの肩肘張らないワインバーでいいやって。 だから、ユニクロの黒Tシャツに黒のパンツスタイ…

Nana Tabara
2か月前
4

🍷4/5 鴨川は何歳になっても泣いていい場所

京都に住んでいる人の甘酸っぱい思い出は、鴨川にあり。 高校のころ、片想いの人と初デートでここに座ったな。 そこから会うたびに同じ場所に座って、おしゃべりしたな。 …

Nana Tabara
2か月前
3

🍷3/13 1分1秒

年に数回も、忘れられないワインと出会えるのは本当に幸せなこと。 つい最近、また素晴らしい出会いがあった。 「時を飲む」そんな有り難い経験をすることがある。 幽玄…

Nana Tabara
3か月前

🍷1/12 一瞬思い出すだけでも

今のワインラバーにとって、ワインの記録はすっかり簡単になった。 写真を撮ったら、それで完了だから。 でも、たまに手物に残しておきたいワインに出会う。そんなときは、…

Nana Tabara
3か月前
2

あの子と同じ、海を越えて。

あの子がまたこの場所に来る。 あの子が海を越えてこの場所に来る。 久しぶりに「どうしてるかな」と思って、いや、それは度々考えてしまっているんだけど、勢いで連絡を…

Nana Tabara
3年前
12

画面越しのリシュヴール

外に飲みに出かけることがほとんどなかった4、5月。今思えば、かなりの非日常だったなぁと思うし、外に出なかった分、思い出が本当に少ない気がする。(一番面白かったのは…

Nana Tabara
3年前
4

上書き保存か、名前をつけて保存か

よく言われていることだけど、ワインは“誰と飲むか”がやっぱり大切なのだと。思い出を振り返っても、ふつふつ湧き上がってくるのは、大切な人、もしくはそこから大切にな…

Nana Tabara
4年前
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🥂 日にち薬

🥂 日にち薬

今日は日にち薬の話をします。
大好きな瀬戸内寂聴さん曰く、日にち薬は京都の言葉らしいのですが、本当なのかは謎です。

本当に時間って偉大。大好きだった人との関係性も、大好きという強く鋭い角が取れていって、柔らかくなっていって、ちょうど良い関係性になっていく時はなっていくんですよね。

その昔、とーっても大好きになった人がいて。
丁度ワインの沼に両足を踏み入れた頃。ワインをちょうど良い感じに嗜んでら

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🥂待つことは得意。だけど

🥂待つことは得意。だけど

たまに東京タワーが見える場所で仕事をすることがあるのですが、
昨日、東京タワー越しの雲の輪郭に夏のニュアンスを感じてしまい、
今年は特に、時が早いし速いと感じる日々。

基本的には仕事ばかりで、今の自分にはその時間の使い方が正なのは確かですが、
本当にこの使い方でよいのか…?と思うこともあります。
ただ、ここ2年は独立したばかりで仕事で精一杯で、今年に入ってこんな風に考えられるようになっただけでも

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🥂 はじめの印象。から変えてくれたのは

🥂 はじめの印象。から変えてくれたのは

第一印象って、対人間の場合、結局その印象が続いたりします。
でも、その感覚は間違ってもないなって思ったりもしている、超感覚的人間な私ですが。

ワインでも、その造り手を最初に飲んだときの印象って結構大事で、記憶に強く残りやすいと思います。
この場合、良かったときの方が思い出に残りやすい。逆に、そこまでだったものは次から手を出すことが無くなって、少しずつ記憶から消えていって終わっていったりします。

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🥂 そのワインを語っているのに、本質からどんどん離れていく

🥂 そのワインを語っているのに、本質からどんどん離れていく

テイスティングコメントとは、当たり前のことだけど、そのワインを語るということ。

一緒にそのワインを味わっている相手とは、感想を交わし合うことで、よりその1本を理解して楽しむことができますよね。
感想の交換は、時と場合、そして飲んでいるワインによっては、ふたりの関係すら変えてしまうことがあって。
それがまたワインの魔法だな、なんて思ったりもします。

後日、「あのワイン良かったよ」「こんな味わいだ

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🥂 お外の昼ワインはこれだけでいい

🥂 お外の昼ワインはこれだけでいい

誰もが思っていることだろうけど、外で飲むお酒はなんでこんなに美味しいんだろう。

外で飲む、となったらやっぱり昼飲みが思い浮かびます。

昔の方が昼から飲むことが多かったのは、それだけ時間や心に余裕があったから。過去の自分はなんて柔軟で自由だったんだろうと、羨ましく思ってしまいます。
今は、昼から飲むとその日は何にもできなくなるからちょっと微妙だな、、なんて人として寂しい考えになっているのはあまり

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🥂 ああ、このネイルの間に会いたかったな

🥂 ああ、このネイルの間に会いたかったな

ネイルのデザインは、その1ヶ月の指針。
来たる予定をイメージしながらデザインを考える人も多いのではないでしょうか。

「あの会では黒のワンピースを着るから、爪は華やかな感じがいいかな」「あの人とのお食事、久しぶりだな、ちょっと上品な感じにしようかな」

と、相手や服装のバランスを見ていくのですが、とはいえ、何より自分のご機嫌と好きを最優先しちゃう方がなんだかんだ多いんですよね。だって毎日そのネイル

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🥂 ストレートに伝わってくる方を欲している時もある

🥂 ストレートに伝わってくる方を欲している時もある

ワインの楽しいところ、面白いところは、
香り・味わい・余韻・全体的な雰囲気などなど、いろんな要素を内包した飲み物である点ではないでしょうか。

最近は少し飲む頻度が減っていて、あまり冒険はせずに大好きなシャンパーニュやブルゴーニュと向き合うことが多いのですが、
ここを見ている人はきっと、私のインスタのフォロワーが多いと思うので、ブルゴーニュはワインの中でも複雑さの頂点であることは自明のことでしょう

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🥂 あたたかくしてね

🥂 あたたかくしてね

「あたたかくしてね」

今年の冬はこの言葉を何度も伝えていたように思います。
「あたたかくしてね」
この言葉をはじめてかけられたとき、その優しい響きに、その言葉を自然にかけることができるその人の素敵さに、言葉通り心まであたたかくなりました。

なにより、「あたたかくしてね」には、寒さを気遣う想い以上に、「すきだよ」という言葉が隠れていると思ったんです。

今年は、桜の開花が遅れるほど、3月も寒い日

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🥂 記憶を超えていく旅。

🥂 記憶を超えていく旅。

ジャックフレデリックミュニエのクロドラマレシャルは、ブルゴーニュをすきになるきっかけの1つとなったワイン。

ワインを感じるとき、その感じ方に左右される要素ってとーんでもなくあります。
自分の気分、一緒に飲んでいる人、飲んでいる場所、季節、開けるタイミング、温度、何杯目に味わうワインか、挙げるときりがありません。

そんな要素がいろいろ絡まって、「おいしい」という感想が浮き上がってくる飲み物って、

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🍷9/2 後々意味を持ってくる

🍷9/2 後々意味を持ってくる

その日は友人とカジュアルにワインを飲むだけの日だったんです。

だから、馴染みの肩肘張らないワインバーでいいやって。
だから、ユニクロの黒Tシャツに黒のパンツスタイルという、誰にも会わない日の仕事着みたいな格好でいいやって。
だから、メイクも朝やったメイクに10分で上書き保存した感じでいいやって。

確かにその日はなんてことのないの日だった。
仕事の話をメインに、至って普通の日。

まさかそんな日

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🍷4/5 鴨川は何歳になっても泣いていい場所

🍷4/5 鴨川は何歳になっても泣いていい場所

京都に住んでいる人の甘酸っぱい思い出は、鴨川にあり。

高校のころ、片想いの人と初デートでここに座ったな。
そこから会うたびに同じ場所に座って、おしゃべりしたな。

もちろん友人同士との思い出も。語って笑って泣いた記憶が一本の川には点在してる。

胸がきゅっとなる、そんな余韻が残っている。

今ではすっかり橋の上から歩いて見ているだけの鴨川。
だけど、今日は久しぶりに階段を降りて、川沿いにひとり座

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🍷3/13 1分1秒

🍷3/13 1分1秒

年に数回も、忘れられないワインと出会えるのは本当に幸せなこと。

つい最近、また素晴らしい出会いがあった。

「時を飲む」そんな有り難い経験をすることがある。

幽玄で、懐が深くて。

Domaine Comte Georges de Vogue Musigny 1950は、人生を表すワインだった。

ヴォギュエミュジニーという軸はあるけれど、その1杯1杯に違いがあった。そもそも陰に、内にパワーが

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🍷1/12 一瞬思い出すだけでも

今のワインラバーにとって、ワインの記録はすっかり簡単になった。
写真を撮ったら、それで完了だから。
でも、たまに手物に残しておきたいワインに出会う。そんなときは、ボトルごと持って帰ってしまう。
家に帰って、ふわふわした気持ちでどこに置こうか少しだけ悩んで、置くべき場所に置く。

今、家には5本のボトルが置いてある。
前はもっとあったのだけれど、空きボトルがありすぎると埃はたまるし風水的に微妙だと聞

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あの子と同じ、海を越えて。

あの子がまたこの場所に来る。

あの子が海を越えてこの場所に来る。

久しぶりに「どうしてるかな」と思って、いや、それは度々考えてしまっているんだけど、勢いで連絡をしてみたら、とんとん拍子に。

「さて、どんなワインを飲もうか」

初めて出会ったとき、それはもう随分と前、まだ日本にいたとき。あの子はワインに興味を持ち始めたばかりだった。ブルゴーニュのヴォーヌロマネ村のワインを一緒に飲んで、どうやら

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画面越しのリシュヴール

外に飲みに出かけることがほとんどなかった4、5月。今思えば、かなりの非日常だったなぁと思うし、外に出なかった分、思い出が本当に少ない気がする。(一番面白かったのは会社の仲良いメンバーでオンライン飲みでクラブ化して音楽ガンガンで踊り出したことだな、、笑笑。翌日意味が分からないくらいワインと缶ビールが空いてた。)

そんな中でも、心が動いた忘れられない出来事が1つある。

ご縁があって、ヴィンテージが

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上書き保存か、名前をつけて保存か

上書き保存か、名前をつけて保存か

よく言われていることだけど、ワインは“誰と飲むか”がやっぱり大切なのだと。思い出を振り返っても、ふつふつ湧き上がってくるのは、大切な人、もしくはそこから大切になる人、あるいは大切だった人と飲んだワイン。

たまに思い出す、ブルゴーニュワインの世界に確実に一歩踏み込んだ夜の出来事も、その人と飲まなかったら、その一歩はなかったかもしれない。

昔、人に勧められて、行ってみたいレストランがあった。その時

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