Nana Tabara

ワインが出会わせてくれたこと。 フリーの編集、ライター、クリエイティブディレクター。 …

Nana Tabara

ワインが出会わせてくれたこと。 フリーの編集、ライター、クリエイティブディレクター。 JSA wine expert、CPA cheese professional。

最近の記事

🥂 お外の昼ワインはこれだけでいい

誰もが思っていることだろうけど、外で飲むお酒はなんでこんなに美味しいんだろう。 外で飲む、となったらやっぱり昼飲みが思い浮かびます。 昔の方が昼から飲むことが多かったのは、それだけ時間や心に余裕があったから。過去の自分はなんて柔軟で自由だったんだろうと、羨ましく思ってしまいます。 今は、昼から飲むとその日は何にもできなくなるからちょっと微妙だな、、なんて人として寂しい考えになっているのはあまりよくない気がする。 そんな私でも、年に1回、桜の季節に、絶対に昼から飲みたい!

    • 🥂 ああ、このネイルの間に会いたかったな

      ネイルのデザインは、その1ヶ月の指針。 来たる予定をイメージしながらデザインを考える人も多いのではないでしょうか。 「あの会では黒のワンピースを着るから、爪は華やかな感じがいいかな」「あの人とのお食事、久しぶりだな、ちょっと上品な感じにしようかな」 と、相手や服装のバランスを見ていくのですが、とはいえ、何より自分のご機嫌と好きを最優先しちゃう方がなんだかんだ多いんですよね。だって毎日そのネイルを見るのは自分ですしね。パソコン作業がメインとなればなおさらよ。 4月にネイル

      • 🥂 ストレートに伝わってくる方を欲している時もある

        ワインの楽しいところ、面白いところは、 香り・味わい・余韻・全体的な雰囲気などなど、いろんな要素を内包した飲み物である点ではないでしょうか。 最近は少し飲む頻度が減っていて、あまり冒険はせずに大好きなシャンパーニュやブルゴーニュと向き合うことが多いのですが、 ここを見ている人はきっと、私のインスタのフォロワーが多いと思うので、ブルゴーニュはワインの中でも複雑さの頂点であることは自明のことでしょう。また、シャンパーニュも味わいや余韻などの点で他のスパークリングワインとは異なる

        • 🥂 あたたかくしてね

          「あたたかくしてね」 今年の冬はこの言葉を何度も伝えていたように思います。 「あたたかくしてね」 この言葉をはじめてかけられたとき、その優しい響きに、その言葉を自然にかけることができるその人の素敵さに、言葉通り心まであたたかくなりました。 なにより、「あたたかくしてね」には、寒さを気遣う想い以上に、「すきだよ」という言葉が隠れていると思ったんです。 今年は、桜の開花が遅れるほど、3月も寒い日が多くて、その度に「あたたかくしてね」と伝えることができて、そして伝えてくれたこ

        🥂 お外の昼ワインはこれだけでいい

          🥂 記憶を超えていく旅。

          ジャックフレデリックミュニエのクロドラマレシャルは、ブルゴーニュをすきになるきっかけの1つとなったワイン。 ワインを感じるとき、その感じ方に左右される要素ってとーんでもなくあります。 自分の気分、一緒に飲んでいる人、飲んでいる場所、季節、開けるタイミング、温度、何杯目に味わうワインか、挙げるときりがありません。 そんな要素がいろいろ絡まって、「おいしい」という感想が浮き上がってくる飲み物って、ワインくらいかも? 初めてミュニエのマレシャル2011を飲んだとき、当時ワイン

          🥂 記憶を超えていく旅。

          🍷9/2 後々意味を持ってくる

          その日は友人とカジュアルにワインを飲むだけの日だったんです。 だから、馴染みの肩肘張らないワインバーでいいやって。 だから、ユニクロの黒Tシャツに黒のパンツスタイルという、誰にも会わない日の仕事着みたいな格好でいいやって。 だから、メイクも朝やったメイクに10分で上書き保存した感じでいいやって。 確かにその日はなんてことのないの日だった。 仕事の話をメインに、至って普通の日。 まさかそんな日のことを2年後に振り返るなんてね。 あの日は、結局日常の中でなんとなく過ぎていく

          🍷9/2 後々意味を持ってくる

          🍷4/5 鴨川は何歳になっても泣いていい場所

          京都に住んでいる人の甘酸っぱい思い出は、鴨川にあり。 高校のころ、片想いの人と初デートでここに座ったな。 そこから会うたびに同じ場所に座って、おしゃべりしたな。 もちろん友人同士との思い出も。語って笑って泣いた記憶が一本の川には点在してる。 胸がきゅっとなる、そんな余韻が残っている。 今ではすっかり橋の上から歩いて見ているだけの鴨川。 だけど、今日は久しぶりに階段を降りて、川沿いにひとり座って、親友に電話を掛けた。 それからしばらくしたら、立ち上がって、自分の心の手

          🍷4/5 鴨川は何歳になっても泣いていい場所

          🍷3/13 1分1秒

          年に数回も、忘れられないワインと出会えるのは本当に幸せなこと。 つい最近、また素晴らしい出会いがあった。 「時を飲む」そんな有り難い経験をすることがある。 幽玄で、懐が深くて。 Domaine Comte Georges de Vogue Musigny 1950は、人生を表すワインだった。 ヴォギュエミュジニーという軸はあるけれど、その1杯1杯に違いがあった。そもそも陰に、内にパワーが向くヴォギュエミュジニーが表に表情を向けているだけでも素晴らしい出会い。 1杯

          🍷3/13 1分1秒

          🍷1/12 一瞬思い出すだけでも

          今のワインラバーにとって、ワインの記録はすっかり簡単になった。 写真を撮ったら、それで完了だから。 でも、たまに手物に残しておきたいワインに出会う。そんなときは、ボトルごと持って帰ってしまう。 家に帰って、ふわふわした気持ちでどこに置こうか少しだけ悩んで、置くべき場所に置く。 今、家には5本のボトルが置いてある。 前はもっとあったのだけれど、空きボトルがありすぎると埃はたまるし風水的に微妙だと聞いて、最近減らした。 良い意味で不必要となった過去とさよならできた瞬間。 18

          🍷1/12 一瞬思い出すだけでも

          あの子と同じ、海を越えて。

          あの子がまたこの場所に来る。 あの子が海を越えてこの場所に来る。 久しぶりに「どうしてるかな」と思って、いや、それは度々考えてしまっているんだけど、勢いで連絡をしてみたら、とんとん拍子に。 「さて、どんなワインを飲もうか」 初めて出会ったとき、それはもう随分と前、まだ日本にいたとき。あの子はワインに興味を持ち始めたばかりだった。ブルゴーニュのヴォーヌロマネ村のワインを一緒に飲んで、どうやら初めてその村のワインを飲んだようで、あの子はキラキラ目を輝かせていた。 ワイン

          あの子と同じ、海を越えて。

          画面越しのリシュヴール

          外に飲みに出かけることがほとんどなかった4、5月。今思えば、かなりの非日常だったなぁと思うし、外に出なかった分、思い出が本当に少ない気がする。(一番面白かったのは会社の仲良いメンバーでオンライン飲みでクラブ化して音楽ガンガンで踊り出したことだな、、笑笑。翌日意味が分からないくらいワインと缶ビールが空いてた。) そんな中でも、心が動いた忘れられない出来事が1つある。 ご縁があって、ヴィンテージがある程度経ったリシュヴールが手元にやってきた。 (もしこれを見ていたら。本当にあ

          画面越しのリシュヴール

          上書き保存か、名前をつけて保存か

          よく言われていることだけど、ワインは“誰と飲むか”がやっぱり大切なのだと。思い出を振り返っても、ふつふつ湧き上がってくるのは、大切な人、もしくはそこから大切になる人、あるいは大切だった人と飲んだワイン。 たまに思い出す、ブルゴーニュワインの世界に確実に一歩踏み込んだ夜の出来事も、その人と飲まなかったら、その一歩はなかったかもしれない。 昔、人に勧められて、行ってみたいレストランがあった。その時の私にとってはちょっと背伸びになる、フレンチレストラン。たまたま行く機会ができて

          上書き保存か、名前をつけて保存か

          うばがもち

          京都市出身とは言いつつも、実は、生まれは福岡の博多、小学校1年までは滋賀県の草津という土地にいた私。 博多には2年に1度位、仕事のついでや用事で祖母の家に行く機会があるけれど、草津にはもう私が住んでいた家もないし、わざわざ行きたいご飯屋さんや、用事もない。 昔住んでいた場所にまた行ってみたいな、と思うことはあるけれど、車がないと行きにくいし、駅からの道も全然分からないし、京都に帰省した時にそんな時間もなく、もう行くことは一生ないのかも、とも感じていた。 父方の祖母は

          うばがもち

          2019年、いちばんのワイン

          2019年、もし自分がワインに踏み込んでいなかったら、こんな生き方にはなっていなかった、とひしひし感じる1年でした。 そんな2019年、いままで以上にいろいろなワインをいろいろな方と楽しむことができたなあ。 思い出の1つとして、はじめてのDRCは感無量だった。結果5種類も飲む機会があり、DRCという表情をなんとなく掴むことができました。 2020年は、きっと飲む機会ないやろな、、、汗 ベスト5とか本当に決められないんだけど、いちばんだけは、もう揺るぎなくて。 それが

          2019年、いちばんのワイン

          hotelのbarの、いいところ。

          barは、カウンターに限る。 barは、その空間とお酒のクオリティももちろん大事だけど、 barは、店主に会うために行く。私は。 barは、その店主と話すことが、一番の目的になる。だから一人で行くことが多い。相手がいても、その店主と混ざって複数人で会話をする感じになる。 でも、これがホテルのbarになると、話はちょっと変わってしまう。 ホテルのbarは、テーブル席がいい。 ホテルのbarは、相手と1対1で話したい。 ホテルのbarは、フロアが広いところも多く、テーブルとテ

          hotelのbarの、いいところ。

          香港の、秘密のbar

          もうずっと昔の話。 香港に、人に会いに行ったときのこと。 お酒好きの私のために、ワインバーやクラブに連れて行ってくれた後のこと。「連れて行きたい場所がある」と言われ、金曜の中環(セントラル)の、まさに映画にありそうな、たくさんの人で賑わう街中を通り抜け、急ぎ足の人が行き交う雑多な階段を経て、坂を下る途中にあった、とある場所。 品格のある紳士がまさに持つべき傘が、整然と並ぶショーケース。 白のタイルの床に赤い絨毯のコントラストがスタイリッシュな洗練さを醸し出している。

          香港の、秘密のbar