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知ってしまうことは。 Denis Mortet~2005

先週のルソーのように、香りを感じた後にグラスを置いて立ち止まってしまうワインもあれば、
香りを感じた瞬間に「わぁぁぁ」とか「うおぉぉ」とか、言葉を発せずにはいられないワインも存在します。

お父さん作のドニ・モルテ。状態とタイミングがパーフェクトなことが多く、いや、その理由は最高のモルテを見極めている人の存在がいるからなのだけど、ここ数年、香りをとった瞬間に声を出してしまうことが多くあります。

ふと2本の父作ドニ・モルテが浮かび上がります。
1本目は、2024年1月1日に飲んだ96ラヴォーサンジャック。
2本目は、1年前の梅雨の季節に飲んだ99ラヴォーサンジャック。

やはり素晴らしいワインなので、会の終盤でいただくということもあり、そしてプライベートな場で飲んでいたこともあり、どちらも香った瞬間に自然に声が出ていました。96は特に、叫んでいた笑。

どちらも所謂パパモルテの香り。007のダニエル・クレイグ、張り詰めた空気感の中、あるいはパーティの中で、惚れ惚れするスーツ姿で登場する彼のように、かっこよすぎて、目が離せなくて、何よりエロい。
いや、これは香りの説明にはなっていませんね笑。芯があり、存在感抜群、とにかく華やか、ちょっとくるみっぽいナッツの香りと、あふれる果実と、あふれるエロさ笑。

99は佇まいが素晴らしく、とにかく香りが広がる。美味しい、というよりは、旨い。と言ってしまいたくなる味わい。

96は、過去飲んだドニ・モルテの中で最高傑作でした。96でこなれ感があり、やはり壮麗。ずっと香っていたいし、ずっと飲んでいたい。完璧って、こうゆうことかと。

やはりモルテは畑にもよるかもしれませんが、陰陽どちらかといえば、陽の方向性なので、自分の中で一度受け止めるというより、発してしまう衝動があるのかもしれません。

96を飲んだときに思ってしまった。こんなモルテに今後出会えるのだろうかと。多分もう会えない、その確率の方が高いんじゃないかと。


知ってしまったり、気付いてしまったり、一つ何かが進んでしまったとき、当たり前だけど元には戻れません。
だから私は、知ってしまったとき、同時に絶望感を感じるときがあります。
もちろん、知ることのできた喜びや幸せの方が上回りはする、するはずなんですけどね。

チャートは、結果もっと上に向くのか下にいってしまうのか、分からない。なら、もっと上にいけると信じて生きていくのが、まぁ正解なのでしょう。


本当はもうちょっといろいろ書きたかったけれど、気がつけば1000文字超えているのと、今日はこれから予定があるので、また後日書き足すかもしれません。

1月1日。叫びました。
パパ×ラヴォーサン=魔力

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