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🍷3/13 1分1秒

年に数回も、忘れられないワインと出会えるのは本当に幸せなこと。

つい最近、また素晴らしい出会いがあった。

「時を飲む」そんな有り難い経験をすることがある。

幽玄で、懐が深くて。

Domaine Comte Georges de Vogue Musigny 1950は、人生を表すワインだった。

ヴォギュエミュジニーという軸はあるけれど、その1杯1杯に違いがあった。そもそも陰に、内にパワーが向くヴォギュエミュジニーが表に表情を向けているだけでも素晴らしい出会い。

1杯ごとに全部違うグラスで提供。
最後の4杯は煌めきが
最後の3杯は成年の姿
最後の2杯は甘やかで丸く、成熟
最後の1杯は球体、温かなフィナーレ。

1年前に思っていなかったことが目の前に広がり続ける人生のように、変化し続けることの大切さを感じた。

74年という時間を、着実に階段を歩んでいることを感じるストーリー。

一方で、自分の心は1時間、1分、1秒でころころ変わってしまう。前に行ったり後ろに行ったりどこかへ飛んでいってしまったり。

1時間前あんなに近くに感じていたのに、今はどうしてこんなに遠くに感じてしまうのか。別に何があったってわけじゃないのに。

ヴォギュエはきっと、そんな揺れ動く心を知ってか知らずか、

最後にボトルに目を向けると、

「僕はこう生きたよ、さぁ君は?」と問い掛けられた気がした。

私はまだぜんぜんゆらゆら揺れているまま、春はもうすぐそこに。

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