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切なさの正体。Domaine Leroy Richebourg 1988

東京に、本物のサロンが登場しました。
そこは、夢。思い出すだけでふわふわしてしまいます。

扉を開くと、大理石の長テーブルと、星空のようなBOCCIの照明。
モノトーンでスタイリッシュなのに、幻想的でふわふわしてしまう。

一晩にして最上のワインと何本も向き合い、
その中でも、一生記憶に残るワインに、また出会うことができました。

切なさのあるワイン。
たまに、そんなワインと出会います。

ドメーヌルロワのリシュブール1988は、切ないワインでした。

正しく美しく香る。
清らかな韻。そうそう、ワインって少し暗い方がいいんですよ。
このヴィンテージらしい佇まいで迎えてくれます。

ルロワは聖水。1杯1杯、少しずつトーンが上がっていくのも素敵。

緻密、ナイーブ、優しい甘さ。全ての焦点が定まっている。

さて、この切なさの正体は何でしょうか。
そういえば、今まできちんと言語化していなかった気がする。

ご一緒していた方と、すぐにその答えを出すことができました。

美しく、抑制のある果実味。余韻は驚くほど長い。
果実味が消えていく、ミネラルは残り続ける。
ミネラルが伸びていく。
余韻は永遠だけど、消えていく、消えていかないで。

切なさの正体は余韻の流れの中に。

切ないけれど、癒やされる。
韻のワインにしか癒やせない想いがある。


このようなワインと出会う度、感謝してもしきれません。

このお話の続きはまた来週。

アルノーアントは明るく。明るいアントもまた良き。

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