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読んでもらえると嬉しい作品まとめ

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これまで書いたうち、自分の中で許せる作品を纏めています ・未完結だが表現に凝った→春雷 ・短時間の割に書けた→我が闘争 ・評価の良かったエッセイ→語尾の話 ・一瞬で読める→短編4… もっと読む
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記事一覧

嫌悪を感じた!攻撃しよう!〈人はなぜ他者を攻撃するのか?〉

初題は〈嫌韓、或いはそれに類似する「他者への嫌悪感」について思ったこと〉だったが内容的に改題した。

この文章は、「人々がなぜ特定の対象を嫌う人と嫌わない人にわかれるのか」について書いている。
より正確には、「人々はなぜ嫌悪した対象に暴力を振るう者と振るわない者にわかれるのか」について考察している。

少し長いが、読んでいただけたら嬉しい。

他者への嫌悪感というのはたぶん人類誕生から今日に至る

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短編4作まとめ(ツイッター1p創作より選別)

『有料会員』

『ソラクラゲ目ツキクラゲ科カグヤモドキの毒』

『ダチュラの呼び声』

『ありとなめくじ』

Twitter → @toukoair
1p創作は最近やっていません
気が向いたら再開します

我が逃走

我が逃走 #砂糖酒  

ねこちゃん大好きー!!って話です。ねこちゃん大好きだから一時間半で書いたよ! by.水無月透子(砂糖酒)。

 今日に至ってみて私は、運命の神が私を旧アジア圏辺境の小さな島国日本国に誕生させて呉れたということを、深く感謝せずには居られない。それはこの小さな島が、もはやその総体としての誇りを失い何一つ己で考えられなくなってしまう程に夢も希望も危険もない国だったからである。我々

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語尾の話ー「〜しちゃった」と「〜してやった」が実は表裏一体の心理だということ

〜しちゃった。

自分の些細な行動のあらゆることをどこか後ろめたく思ってるのか、私は、ツイッターや話してるときなど語尾に「〜しちゃった」ってつけ「ちゃう」。

口癖、もしくは書き癖に気付いた時はめっちゃショックだった。自覚なかったけどなんかこれすごい後ろ向きな根暗みたいじゃん!!!
くそ〜っ、今度から、そんな外部的不可抗力に負けて行動していつも後悔してる人間みたいな語尾はやめて、自発的意志によって

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春雷  (一)

 春が来た。

 雷鳴を轟かせながら降下してくる雷鳥達が月あかりに照らされて白銀の翼をはためかせた。月世界との交易が始まって5年。八ツ代ノ岳(ヤツシロノタケ)は二星間の貿易拠点として陽春の候、精華なる狂乱の様相を呈していた。月世界と交流があるのは2月〜4月の薄桃色をした空気の日に限られており、従って今日のようにうららな夜は次々と、その澄み切った空気を引き裂いて天の雷鳥が舞い降りる。

 ここ八ツ代

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汐未亜の初恋

 つまらない授業中、教卓の上を歩く小人を夢想した。小人は妖精じゃないから羽を持たない。飛べない小人は教卓から降りられない。

 永遠に教卓の上に縛り付けられた小人は、でもその狭い世界をよぉく観察している。教卓の隅につもった薄い埃から最前列の生徒の落書き、どの教師の筆箱にコンドームが入ってるかなんてことも知ってるのだ。ちなみにそれは学校の倫理科目を担当している教頭先生なのである。たしかに倫理的なのか

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星の欠落

「全然気づかなかった。」
女の子は、悄然と呟いて洞窟の地面を見つめた。そこにはボロボロに引き裂かれてしまった影があった。ランタンの灯に照らされてゆらゆら揺れ動いている。
氷の世界、炎の世界、土の世界、空の世界と女の子は無謀な冒険をしてきて、それでもまだ足りずに地下洞窟の世界に乗り込んだところだった。沢山ある世界達の中でも一等危険と言われる所。
無謀な彼女を『怖いものなしのジョバンニ』みたいに巨大な

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