マガジンのカバー画像

フリーランスマザー

47
2016年3月に長男、2019年10月に次男を出産。 フリーランスライターという立場からみる、妊娠・出産・育児のこと。
運営しているクリエイター

#マタニティ

赤い稲妻が走ったお腹で、これからも私を生きていく

赤い稲妻が走ったお腹で、これからも私を生きていく

妊娠してからいままで、何回「お母さんの顔になった」と言われただろうか。自分の顔がなにか変わったとは一切思わないけど、優しくなったとか、まるくなったとか、やっぱり言われる。妊娠初期はそれにすごく違和感をおぼえたものの、いまではもう慣れたし、勝手に優しく見えるならありがたいなと思うようになった。つんけんしてると思われるより何倍もいい、けど「妊娠しても(出産しても)全然変わらないね」のほうが、本当はうれ

もっとみる
ちょうど1年前の今日、生まれた息子

ちょうど1年前の今日、生まれた息子

その数日間どんより重かったお腹が、朝起きると同時にしくしく痛み始めた。これが陣痛かな、と思うものの、痛みがなかなか規則的にならない。初産婦が病院に行く目安は、定期的な痛みが10分間隔になってからだという。5~15分間隔のばらばらとした痛みがしばらく続いて、いよいよだなと思った。

もしこのまま入院するなら、お風呂に入っておきたい。昨日の夜にももちろん入ったけど、出産はどれくらいかかるかわからな

もっとみる
母になった私のことを、決めつけられたくない

母になった私のことを、決めつけられたくない

妊娠してから、いろんなひとに優しくしてもらった。たとえば、取材相手。何度かお会いしている方ならともかく、一回きりの企画で、言ってしまえば行きずりのような方からも、温かい言葉をたくさんいただいた。「元気な赤ちゃんを産んでくださいね」とか「無理しないでくださいよ」とか、私と私の赤子のことなんて、そのひとには何の関係もないのに、そんな優しい応援やねぎらいをしてもらえることが、とってもうれしかった。だって

もっとみる
子宮口が2.5cm開いたまま、働いていた

子宮口が2.5cm開いたまま、働いていた

「産前はぎりぎりまで、産後はできることから、ブランクを作らず仕事を続けるつもりです」と、妊娠中からずっと言っていた。本当に、お腹が大きくなる前とかからずっと。一緒に働くひとたちはその気持ちを理解してくれていたけれど「とはいえ、いつまでできる?」「産後はいつから取材行ける?」って話になる。そして、誠に遺憾ながら、その質問にはっきりと答えられない。気持ち的には産む日の朝まで原稿書いてたっていいし、退院

もっとみる
“妊娠”係の私と、それ以外を引き取ってくれた夫

“妊娠”係の私と、それ以外を引き取ってくれた夫

妊娠している約8ヵ月の間、夫から何度も「妊娠おつかれさまです」と言われた。

最初に補足しておくと、彼は大学時代のサークルの後輩。だから、付き合ったあともずいぶん長いあいだ敬語を使われていたし、なんなら完全にタメ口になったのは結婚してからだと思う。

という背景もあって、冒頭の言葉。感じ方はひとそれぞれだと思うけど、私は彼のこの台詞が好きだった。

たとえば一本の記事をつくるときにも、さまざまな役

もっとみる