記事一覧
「近畿地方のある場所について」背筋
モキュメンタリーホラー小説。
「ある人を探しています。誰か情報をお持ちではありませんか」
とある人物について情報提供の依頼。
読者に語り掛ける形で、物語は始まる。
著者の身の上話をはじめインタビューの文字起こし、雑誌記事によりとある怪異について語られている。
物語の中盤あたりで、まさかの告白に意表を突かれる。
「この話はどのように結末を迎えるのだろう」
そう考えながら読み進める楽しさ
「おいしいごはんが食べられますように」高瀬隼子
第167回芥川賞受賞作。
職場内での人間関係が、食べ物を交えて描かれている。
タイトルにある「おいしい」という気持ちをテーマに、人間の奥深くにしまわれた感情が表現されている。
主に二人の視点で物語は進む。
似ているようで正反対な二人。
同じ行動にもそれぞれ違った思惑があり、人間の黒い部分が見え隠れし怖さを感じた。
本音と建て前主人公の職場は本社の支店で、事務所内の人数やメンバーは限られ
「自分の中に毒を持て」岡本太郎
岡本太郎さんといえば、太陽の塔。
戦中・戦後を生きていく中、幼少期から自分の正しいと思ったことを曲げなかった岡本さん。
当時の日本の背景からすると、それはとても勇気のいること。
周りから馬鹿にされたり、白い目で見られることも少なくなかったよう。
自分の芯を貫き続けた岡本太郎さんの生き様が書かれた本。
自分の生きる道筋は自分で決めろ!著者は自分のしたいことは曲げずに貫いてきた。
周りがど
「蟹工船」小林多喜二
小林多喜二のプロレタリア文学代表作。
舞台は明治時代。
蟹漁のため400人の出稼ぎ労働者が大船に乗って、北海道の極寒の海へ向かう。
過酷な肉体労働、劣悪な住環境、栄養失調による脚気の流行…今では考えられないが当時のありのままを描いている。
ある日、とうとう仲間のうちから死者が出る。
無慈悲にも、寒い暗い海に水葬される仲間の姿を見て労働者たちの魂に怒りの炎が付き、集団ストライキを起こす。
「お探し物は図書室まで」青山美智子
心がほっこりする、素敵な一冊。
心にモヤモヤを抱えている人たちが、とあることをきっかけに図書室に行く。
小学校に併設されたコミュニティハウス内の図書室。
そこには小町さんという、大きな女性司書さんがいる。
体の大きさとは裏腹に発せられた声には包み込むような、とても優しい温もりを感じられる。
主人公の目的の他に、小町さんによる独特のセンスで選書されたある一冊の本が悩める人たちの生き様に一筋
さみしい夜にはペンを持て「古賀史健」
書くこと、話すこと、日記のすすめ、をテーマに書かれた本。
物語形式で書かれており、すごく読みやすかった。
自分のための覚書として、noteに書こうと思う。
覚書「話すこと」「書くこと」は似ているようで違う
話すことは、自分の思いの表出
書くことは、考えること
日記を書くことは「自分との対話」になる
ひとつのシーンについてスローモーションの文章で書いてみる
スローモーションの文章を書