難病のシェーグレン症候群と診断されました
シェーグレン症候群、私は診断を受けたときに初めてこの病気を知った。
なんと、国が難病としている病気のうちの一つ。
難病にもいろいろあるけど、シェーグレン症候群は膠原病に含まれるらしい。
膠原病は、自己免疫疾患をまとめて呼ぶ名前で、自分の細胞が何らかの異変をきたし自分自身を攻撃する病気のこと。
しっかりとした原因や治療法が確立されて異なため、難病に区分されているらしい。
私の場合、しっかりと症状をあぶり出され、診断がつくまでに1年かかった。
おおまかには、
近医の耳鼻科→国立病院→かかりつけ医→眼科医院
と検査のため紹介受診を繰り返した。
「難病」ということを考慮するとこれでも発見は早いほうなのかな…。
しかし、診断がつくまで症状との闘いは苦しいものだった。
「何でこんな症状が出るんだろう」
「何が原因なんだろう」
と不安に思う日々が続いた。
記憶があいまいな部分もあるけど、いろんな人の参考になればと思い、できるだけ詳しくその時の体験を綴ろうと思う。
いつからか定かではないが、私は謎の耳下腺の痛みを感じていた。
流行性耳下腺炎(通称:おたふくかぜ)に罹ったことがないので、大人になってから発症したのではないかと心配になった。
しかし、耳下腺の痛みは不定期で起こり、発熱もないため何なのかはっきりしない。
ある時、右耳の下部あたりがぼっこり腫れ、強い痛みを伴うようになった。
痛みは食べ物を口の中に入れるとさらに強くなり「うー」と唸るほど。
なんとなく、腫れた部分を押してみると何やら口の中に出てくる。
気持ち悪いやら、痛いやら、食事を摂るのが億劫になった。
2.3日様子を見たけど良くならないため、かかりつけの耳鼻咽喉科を受診した。
すると、原因ははっきりしないものの症状の問診で難病の疑いがあるとの説明を受けた。
私が住んでいる地域にある、国立病院を紹介され精密検査を受けることに。
「まさかこんな大事になるなんて…」
診断がついていない不安、精密検査への不安、と様々な感情があったがすぐに診てもらえるとのことで後日診察に向かった。
国立病院ではレントゲン検査を受け、診察を受けた。
診察では、症状から「シェーグレン症候群」の疑いが強いことを説明された。
しかし、シェーグレン症候群と診断されるにはいくつかの項目に当てはまる必要があるよう。
そのため、追加で
抗核抗体の採血
・唾液分泌量を図るガムテスト
・耳下腺の造影CT検査
・下唇内側の唾液腺を調べるための生検
を行うことに。
・採血はいつも通りだけど、少し多めに採られた。
・ガムテストはガムを噛んで出た唾液をケースに吐き出し、量を測定するもの。
・造影CTは細かく首の角度を決められ、造影剤を入れながら何度か首の位置を変えて撮影した。その時、レモン水を少し口に入れ、耳下腺がしっかり機能しているか、造影剤の流れを見ながら評価したみたい。
・生検は下唇に局所麻酔を打ち、表面の細胞を切り取るもの。検査後に口周囲の麻痺と少量の出血はあったけど、傷は浅いためすぐに治った。
数日後、検査結果についての説明のため受診した。
・抗核抗体はかなり上昇があり、膠原病を患っているので間違いない
・唾液腺は一般基準値と比べて少ない
・ガムテストでの唾液量はかなり少ない
・造影CT検査ではレモン水を入れた直後の耳下腺の動きが悪い
以上の条件をクリアしたので、晴れて?シェーグレン症候群の診断がついた。
そして、かかりつけの膠原病専門病院を紹介され、通院生活が始まった。
今までの症状の原因がわかったこと、診断がついたということや、かかりつけ医が決まり、診てもらえる安心感があり「やっとおちついた」と思った。
しかし、ほっとしたのもつかの間。
お次はドライアイの精密検査をするとのこと。
シェーグレン症候群の大まかな症状として、
・耳下腺の腫れ
・ドライアイ
・鼻腔の乾燥
があるらしい。
その中でも、ドライアイは酷くなると眼球に傷がつき失明リスクもある。
そのための精密検査だった。
さて、こちらもまた、地域の大きな眼科病院を紹介された。
眼科では、目に理科の実験で使ったリトマス試験紙のようなものを貼り付け、10分でどれくらい紙に涙がつくか、という検査だった。
こちらは自分でもびっくりするほど涙が出ない。
むしろ、紙に吸い取られることで自分の眼球がカッサカサに乾いているのがわかるほど。
紙をはがすときには乾燥しすぎて紙がくっついてしまい、目薬を何度も注され目がビシャビシャになりながら剝がしてもらった。
無事、ドライアイの診断はついたけど、乾燥しすぎて眼球の傷が心配、ということで眼球の検査を行った。
特殊な目薬を注し、時間をおいて傷がないか診てもらい、案の定細かい傷がたくさん見つかったよう。
また、瞳孔を開く検査など、眼球の精密検査を一通り行ったよう。
正直、ドライアイの検査以外は何をしているのかはっきりわからなかったけど、調べる部分は調べ切ってくれたので目についても一安心。
すべての検査が終了し、現在は半年に一回かかりつけ医を受診し、採血で肝機能上昇がないか、血小板低下がないか、甲状腺機能に異常はないか、などを診てもらっている。
また、いつも問診の際に聞かれるのは「レイノー現象」について。
指先が冷たくなり、青紫色に変色する現象。
こちらは発症したことがないため、今のところ大丈夫だけど膠原病の患者にはよく見られる症状なため注意が必要とのこと。
完治することはないため、文字通り「死ぬまでの付き合い」となる。
比較的、シェーグレン症候群は症状が悪化することはそんなに多くないよう。
これから何十年になるかわからないけど、末永く穏やかに付き合っていこうと思う。
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