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『学力と階層-教育の綻びをどう修正するか』(苅谷剛彦、朝日新聞出版、2008年)

『学力と階層-教育の綻びをどう修正するか』(苅谷剛彦、朝日新聞出版、2008年)

『学力と階層-教育の綻びをどう修正するか』(苅谷剛彦、朝日新聞出版、2008年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4023304050

科学技術の発展が加速化し、習得した技術や知識の陳腐化することが益々早くなった現代社会。

そのような社会を生き抜くために必要な学力とは、知識量ではなく、自ら進んで知識を獲得する意欲と能力を伴う「学習資本」に帰着すると本書は説く。

日本の

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『成功する子 失敗する子-何が「その後の人生」を決めるのか』(ポール・タフ 著、高山真由美 訳、英治出版)

『成功する子 失敗する子-何が「その後の人生」を決めるのか』(ポール・タフ 著、高山真由美 訳、英治出版)

『成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか』( ポール・タフ 著、英治出版、2013年)

https://www.amazon.co.jp/dp/4862761666

 「人生はテストの点数では決まらない」という願いと裏腹に、子どもの試験点数に一喜一憂してしまうのが親心の本音である。

本書は、米国の最新の研究や実践事例を参照しながら、知能や試験点数のような目に見える能

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『物は言いよう』(斎藤美奈子、平凡社、2004年)

『物は言いよう』(斎藤美奈子、平凡社、2004年)

『物は言いよう』(斎藤美奈子、平凡社、2004年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4582832415

日本ほど人口政策が経済成長とうまく結びついた国は稀だと言われる。

戦後の高度成長と人口増加は表裏の関係にあり、増加し続けた生産者(企業)側の労働力の需要増加を満たす上で、家庭での労働力の産出(出産および育児)を支える「良妻賢母」の存在は、日本をして、世界史上でも稀有

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『それをお金で買いますか-市場主義の限界』(マイケル・サンデル 著/鬼澤忍 訳、早川書房、2012年)

『それをお金で買いますか-市場主義の限界』(マイケル・サンデル 著/鬼澤忍 訳、早川書房、2012年)

『それをお金で買いますか-市場主義の限界』(マイケル・サンデル 著/鬼澤忍 訳、早川書房、2012年)

https://www.amazon.co.jp/dp/4150504199

 テレビで放映されたハーバード大での名講義(『ハーバード白熱教室』2010年)を通してサンデル教授の名前をご存じの方も多いであろう。

※『ハーバード白熱教室』のHP:

https://www2.nhk.or.j

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