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短編児童文学『星降る夜のララ』

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ある国に、天文学者の父と薬草家の母を持つ少女がいた。ある時、少女は薬草を介して、不思議な少年と出会う。   しばらくしてその国に、不吉なことが起きるとされる、3つの星が並ぶ日が訪…
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短編児童文学『星降る夜のララ』読切まとめ

短編児童文学『星降る夜のララ』読切まとめ

 はるか遠く西の地に、「星降る国」と呼ばれる小さな王国がありました。その国に、ララという名前の少女がいました。
 ララのお父さんは天文学者で、王宮に勤めていました。お母さんは名高い薬草家として、町の人たちに自家製のお薬を作ってあげていました。 
 ララは愛犬のニコと一緒に、2人から星や植物についてたくさんのお話を聞くのが大好きでした。
 ララはいつか大きくなったら、お薬を作れる天文学者になろうと本

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『星降る夜のララ』7(最終)

【続き】

ーー私のお父さんとお母さんも?
ーーそうだね。ララ以外はみんな集まってきているからね。
ーーみんなはどうなってしまうの?

少年はララの瞳をじっと見つめました。ララも少年の瞳をじっと見つめました。いつのまにか、ララはその瞳のなかにいました。

少年の瞳のなかには、これまでみたことがないほど青白く輝く月光花が一面に咲いており、ララはそのねっとりとした香りに埋もれ、まぶたが重くなりそうでし

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『星降る夜のララ』6

『星降る夜のララ』6

【続き】

「お母さん、外になにか光るものが飛んでいるよ」

ララは大きな声で言いました。しかしお母さんは返事をしません。

数回大きな声で言いましたが、お母さんが全く返事をしないため、ララはお母さんがいる、壁の向こう側を見に行きました。

お母さんは、床に倒れていました。

びっくりしたララは、お母さんにかけ寄りました。お母さんはすやすやと眠っていました。

お母さん、お母さん、と何度もララは呼

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『星降る夜のララ』5

【続き】

ーーあした、ほしが、ならぶ……。

小さな声でそうつぶやくと、少年は天空を見上げました。ララも見上げると、世界の天地がひっくり返ったように、まるで星々の深い森のなかに吸い込まれてしまうように、そして、まるで少女のなかに宇宙が吸い込まれていくようにーーそんな初めての感覚に襲われ、ララは自分がどこにいるのか分からなくなってしまいそうでした。

足元で感じるニコのぬくもりだけが、地上とのつな

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『星降る夜のララ』4

『星降る夜のララ』4

【続き】

「ララ、もう薬草はしばらく取ってこなくていいよーー」
お昼ご飯を食べている時に、お母さんはララに言いました。
「ーーまだたくさんあるからね。月光花もララのおかげで十分あるわ。それから、明日は出かけないで、お家にいてね」

ララは、分かったと答えましたが、なんとなく心が重くゴロゴロしました。

最近町の人たちの中には、ララのお母さんのお薬について、悪いことを言う人がいることをなんとなく知

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『星降る夜のララ』3

『星降る夜のララ』3

【続き】

「ありがとう」

ララは差し出された月光花を受け取り、少年と向かい合いました。思いのほか、少年の背とララの背は同じくらいでした。

「あなた、名前は?」
「……」

少年は歌うように、どこか遠い外国の名前をララに伝えました。天空の星々のあいだからこぼれ落ちたキラキラと光る雨粒の音を、ララは想像しました。

結局、少年の名前を発音できなかったため、ララは彼のことをヒカリと呼ぶことにしまし

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『星降る夜のララ』2

『星降る夜のララ』2

【続き】

一方ララは、お母さんの仕事場で薬草をビンにつめるお手伝いをしていました。

「お母さん、月光花がもうなくなっているよ」

ララの言葉に、お母さんは深いため息をつきました。

「知ってるわ。このあいだから、月光花がいつもの場所で見つからなくなっているの」
「それなら、私が今からニコと探しに行ってみる」

月光花からわずかに採れる青く澄んだエキスは、頭痛や歯痛、腰痛などあらゆる痛みに効くた

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『星降る夜のララ』1

『星降る夜のララ』1

はるか遠く西の地に、「星降る国」と呼ばれる小さな王国がありました。

その国に、ララという名前の少女がいました。

ララのお父さんは天文学者で、王宮に勤めていました。

お母さんは名高い薬草家として、町の人たちに自家製のお薬を作ってあげていました。

ララは愛犬のニコと一緒に、2人から星や植物についてたくさんのお話を聞くのが大好きでした。

ララはいつか大きくなったら、お薬を作れる天文学者になろう

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