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コラム 創造 (帝国ニュース北陸版)

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帝国ニュース北陸版に寄稿している”コラム 創造”です。自社ブランドの自社製品を持つメーカーを作るための概略を書いています。メーカーになり付加価値を稼ぐ業態に変化しましょう。
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#特許

コラム 創造_”当たり前を権利化”

コラム 創造_”当たり前を権利化”

 私は、起業当初、売れる製品を開発し特許を取得すれば、特許を貸してほしいとか、売ってほしいという問い合わせが来るものだと思っていました。しかし、現実はそうではありませんでした。理由はいくつか考えられます。
1.その特許を使わなくても同様の製品を作ることができる
2.その製品を製造販売する必要がない
などです。
 まず1.の対策としては、逃げ道のない特許を取得するしかないと思います。具体的には、請求

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コラム 創造_”アクロバティックな特許販売”

コラム 創造_”アクロバティックな特許販売”

 今回は、アクロバティックな特許販売の実例をご紹介いたします。雑談と思ってお読みください。
 あるときアイディアを売ろうと思いました。どこに何を販売するか考えるため新聞の株価欄を見ながら考えました。この企業に何を提案したらNOと言えないだろうかと1社あたり3秒考えました。3秒考えて思いつかないときは次の企業へ移ります。ある企業の名前を見たときピンときました。この企業にこのアイディアを提案すれば、買

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コラム 創造_”基礎研究”

コラム 創造_”基礎研究”

 今回は、基礎研究の重要性について話したいと思います。
 そろそろ暑くなってきたので、冷やす話からしましょう。物を冷やすには4つの方法があります。放射冷却、電子冷却、気化熱を奪う、化学的に冷やすの4種類です。
 放射冷却とは、雲が無いときに地表から宇宙空間に赤外線を放射し冷える現象です。電子冷却とは、ペルチェ素子などを使い電流を流すと、発熱する部分と冷える部分ができる現象です。気化熱を奪う方法は、

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コラム 創造_”知財経営”

コラム 創造_”知財経営”

 経験から得た強い特許の取り方を説明してみたいと思います。
 昔はたくさん特許を出願し登録になっても、売ったり貸したりできませんでした。それどころか全く同じ製品を大企業から販売されてしまうこともありました。なぜだろうと考えたところ、全て弁理士に任せっきりしていたからだと分かりました。この「全て」というところが問題だったのです。新技術や新製品を開発した際に特許出願を検討しますが、何も考えずに「この製

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コラム 創造 ”物づくりの価値”

コラム 創造 ”物づくりの価値”

 物づくりに価値はありません。価値があるのは、その物を作る権利、販売する権利です。誰でも作れる物は安いところが受注します。設計製造の過程が複雑で自社しか作れないと思っている方もいるかもしれませんが、自社が作れる物は他者も作れるのです。製造販売を独占したい物は技術的に独占するのではなく法的に独占する方が安価で確実です。そうする事で、自社で値段を付けることができるようになります。高い技術力によって作っ

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コラム 創造 ”知財の流通”

コラム 創造 ”知財の流通”

株式会社ソロモン 代表取締役 砂原康治 (商品開発アドバイザー)

過去に特許流通という事業がありましたが、ほとんどは大企業が保有している特許を中小企業に移転する動きでした。大企業は規模の大きな製品を作るために取得した部分的な特許が多くありますが、それを中小企業に移転したとしてどうなるのでしょうか。特許流通事業は、その特許を利用して新製品が生まれて新しい売上になる事を目指したのだと思いますが、設計

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コラム 創造 ”企業理念の目的”

コラム 創造 ”企業理念の目的”

 何のために企業理念があるのでしょうか。それは長期的に利益を生むためです。”企業理念”と”長期的な利益”は同じ意味です。
災害や感染症、戦争など長期間営業していると、いろいろな環境変化があります。目先の損得で右往左往していては常に誰かの後ろを歩く事になります。株式投資にしても同じだと思います。自分の考えを持っているから結果的に他人と違った行動になり、そこが利益を生むのです。自社の目的に向かって進め

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コラム 創造 ”考えるとは”

コラム 創造 ”考えるとは”

 ここまで商品を企画して販売する事を書いてきましたが、どの作業にも必要になる、”考える”とは何かを説明してみたいと思います。
 先日、29回目の創業記念日を迎えました。決算回数は過去に清算した会社も含め33回になります。40歳で社長に就任し70歳で引退する方より経験だけは多い事になります。その間、特許出願50件に対して10件販売しました。40回起業に失敗し10回成功したということです。その間、色々

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コラム 創造 ”鉾としての特許”

コラム 創造 ”鉾としての特許”

ほとんどの方は、特許をもつ理由は製品を真似されないためと考えているでしょう。そして、特許は保険だと思っていると思います。ここからは、製品を製造販売せずに特許を売上にする方法を説明します。
 まず強い特許をもつ必要があります。自分で出願しても購入しても構いませんが、まず自社で特許権を保有します。ここからが仕事になります。特許が登録になると利益に変えます。方法は、販売するか貸すかのどちらかです。貸すこ

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コラム 創造 ”独占する方法”

コラム 創造 ”独占する方法”



株式会社ソロモン 代表取締役 砂原康治 (商品開発アドバイザー)

 ここまで製品仕様を決める方法を説明してきました。しかし、製品を製造販売しても独占しなくては利益になりません。他社が同じような物を安く販売するからです。
 1995年、起業直後にマイコン制御で動作する製品のメーカーをやっていました。外注に払った設計費の総額は1千万円です。製品単価は40万円ほどでした。初年度1人で1億円以上売り

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