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大企業とスタートアップの違いをマネジメントの観点で考えてみた話

現在、転勤族の夫と結婚し、新卒から勤めた会社を退職後、フリーランスになりました。
その中で、自分の人生を見つめ直し、自分に何が出来るのか、自分の強みは何なのか、世の中に価値提供出来ることはどんなことかを日々考えながら模索する毎日です。

今日はまたまた業務委託の仕事のお話です。
最近、この業務委託という雇用形態について色々と思うところがあります。
良い悪いという話よりも、働き方としてこういう特徴があるよねとか、こういうところが会社員と違っているよね、といった比較してみて思うところという感じです。

わたしは会社員という働き方しかしたことが無かったので、この業務委託という働き方に変わってから色々な気づきがありました。

以前、大企業とスタートアップの違いという記事を書きました。
こちらの内容はどちららかと言うと働く環境面や、企業規模の特性についての気づきなどをまとめて書きました。

例えば、設備の違いや制度の違い、働くスピード感やモチベーションなど。
これはどちらも経験すると誰もが感じることだと思います。

今日は、ベンチャーの組織形態とマネジメントって、大企業とは全く違うよねという、人と組織の関係性に着目して比較すると面白いな~と思ったことがあり、それを書いてみようと思います。


社員=業務委託のマネジメントというジレンマ

大企業とベンチャー企業を比較して、メリット・デメリットみたいな記事をよく見かけるし、わたしも実際同じような経験をして共感もしています。

現在わたしはスタートアップ企業で業務委託の仕事をしており、会社員時代は大企業の働き方をしていたので、その違いにとても驚きました。

よくある違いは先程載せた記事に書いてあるのですが、最近思う違いは人材マネジメントについて。

わたしが働いているスタートアップ企業は、全体で数百人の人が働く規模感ですが、ほと
んどが業務委託という雇用形態
で雇われています。

社員よりも業務委託のほうが圧倒的に数が多い状態です。

ここで気になるのがそれぞれの立ち位置。
社員は各部署に数名配置されておりますが、実際に手を動かして作業するのは業務委託となります。そうなると必然的に、社員は業務委託をマネジメントするマネージャー的なポジションをとることになります。

現場で起きる色々な困りごとだったり相談に対して、社員は常に意思決定をする立場になります。また、プロジェクトや各案件の進捗管理なども社員の仕事になります。

まずこの構図がわたしの中では経験がないので、働いているうちに違和感を覚えました。

そもそも会社員時代にわたしが働いていた会社は、業務委託の方と一緒に働くということがありませんでした。派遣社員の方がごくわずかいた記憶はありますが、99%は社員という環境で働いていました。

また、新卒採用が多いため、だいたい同じような経歴で同じようなスキルを持った人が集められており、年齢やスキルがある程度揃った状態でスタートしていたなと思います。

そして、マネジメントを行う人は管理職で、管理職試験を受けたある程度の年齢と経験を兼ね備えた人が行っていました。

そこで現状のスタートアップを見てみると、社員という雇用形態=業務委託をマネジメントするという構図になっています。
これは社員が経歴が浅かったり、新入社員であろうと、社員ということだけでマネジメントポジションについています。

社員1人に対して業務委託10人となった場合に、この意思決定を全て社員が行うわけですが、業務委託はどんな些細なことでも自分に意思決定権がないため、都度社員に指示を仰ぐことになります。

もちろん業務フローの変更や、顧客に関わる重要な決定事項であれば、社員の指示を待つのは分かるのですが、ほんの僅かな変更でも念の為の確認が必要になります。
これは物理的に使用しているシステムやツールに変更権限が無く、都度確認を依頼しないといけない事もあれば、スタートアップ特有の変化の激しい仕事に対して、少しでもやり方が変わったりした際には、念の為確認をしておいたほうが安全だな、という心理的な物もあります。

そのため、社員は日々業務委託からの確認が山のように飛んでくる状態で、それをさばくことに大量の時間を使っていのだろうなと思います。

大企業のマネージャーでも同じようなことはあると思うのですが、ここで重要なのが経験の違いです。

大企業のマネージャーは平社員のときから現場経験を積んできており、現場を知った状態で管理職をしています。スタートアップの場合は、社員の方ももちろん現場の経験はされているとは思いますが、その仕事を熟知してというよりかは、ある程度仕事を把握したうえで社員だからということでマネジメントに回っているように思います。

ずっと会社員をしていたわたしは、経験を積まずに管理職になっている、そんな感覚が抜けません。そして今後も社員の方は現場の仕事よりも、意思決定の比重が大きくなってくるんだろうなと思います。

情報がないゆえの意思決定ができないジレンマ

会社員として働いていたときには、全員に平等に与えられる情報を、社員しか持っていないゆえに、自分では勝手に意思決定が出来ないということもあります。

会社員の時は当たり前のように、会社の決定事項や今後の動きなどは全員に公開されており、それに沿って目標や予算がつけられて日々の業務に落とし込まれるような感じでした。
イヤイヤ参加していた、年一の予算発表や成績の会議も、月に1回の部署ごとの会議も、週に一度のミーティングも、今考えると情報共有の場であったんだよな~と感慨深くなります。

それは、全員が会社員という平等の雇用形態をしているからであって、確かにこの時に派遣社員の方は参加していなかったし(参加権がなかった)、自社の社員という責任があるからこそ、情報が与えられる権利があったのだなと、今更になって思います。

業務委託は色々な職種の人が存在しており、全社的な情報というよりは、自分の仕事の延長線上にある目先の情報だけが都度聞いたら降りてくる、こんな感じです。

そもそも自分が情報を十分に持っていない状態で、クライアントから何か要望をもらった際に、普通に考えたらこれはOKしていいけど、もし自分が情報を得られていなくて問題になった場合困るから一応社員に確認しておこう・・・と、全てのことにこの思考が働いてしまい、どこまで確認するべきか、この線引が非常に難しくなりました。

これがわたしだけではなく他の業務委託もみんなが思う。それにより確認事項がものすごい量になる、このループがものすごくあるなと感じます。

この意思決定が自分である程度出来る状態にないと、確認待ち状態がものすごく増える事になります。そうすると自分が使う脳のリソースが、確認待ちのタスクに大きく取られてしまうのですよね

会社員時代でももちろん先方の確認待ちや、上司の確認待ちに時間を使うことはありましたが、今働いている環境を考えるとその10倍は確認依頼と確認待ちがあるなと思います。
これはわたしが働くスタートアップ企業の提供しているサービスの特性もあるかなとは思うのですが、明らかに業務委託という雇用形態が影響していると思います。

今働いているスタートアップ企業は本当に皆さん優秀な方ばかりで、仕事も早いし効率的で理解力も凄まじい、マルチタスクで色々な案件を抱える能力がある業務委託の方が多いです。

本当に恵まれた人たちと働けているなと思う一方、自分の意思決定は横において社員への確認事項のタスクを効率的にこなしたり、それをたくさん抱えて管理出来ることが、本当に仕事をするうえで重要なことなのか・・・なんだかそんな風に思っている自分もいます。

この辺のさじ加減は本当に難しいですね。
もちろん、タスク管理能力・スケジュール管理能力は高い方が良いけど、それが顧客やサービスに直接関わることであれば、わたしは納得できるのか?とか色々思います。

経験と成長のマネジメントと労働力のマネジメント

ここで最初に話したマネジメントの話に戻るのですが、社員の方は常に会社や顧客の新しい情報を与えられます。それを現場で動く業務委託に必要な分だけ与えながら調整して業務を上手く回すようにマネジメント管理します。

だから、そもそも論ですが、大企業のマネジメントとスタートアップ・ベンチャー企業のマネジメントは根本が違うのだなと思いました。(めちゃくちゃそもそも論)

大企業は、自分自身の経験を持ってして下を育てていくというマネジメントですが、スタートアップでは少ない労力で人をいかに動かすかというマネジメントかなと思います。

スタートアップは少ない資金力でとにかく急激に成長しなくてはいけないので、働く人全員に情報共有してそれに沿って動いてくれ!よりも、必要なところに必要なだけ人員を置き、必要な分だけ情報や資源を投入していく、こちらにイメージ近い気がします。労働力を効率的に使って市場を広げていく感じです。

だから、マネジメントも単純に労働力をコントロールするマネジメントなので、経験がない人がやってるよね~と最初に思ったわたしは、ちゃんちゃらおかしいことを言ってしまっているのですよね(笑)

これはどちらが良いとか、どちらが合っているとかの話ではなく、結局資金力と組織規模と、雇用形態の関係でこうなっているので、そのスタートアップが大成功して資金力を持って大企業になれば、結局大企業の働き方になっていくんだと思います。

大切なのは、自分がその特性を理解して、かつ自分自身の特性も理解して、何を選択するかですよね。

自分のフェーズも大切だと思います。
今自分は、何を経験したくて何を得たいのか、何を目指してそこにいるのか。

働き方や企業の特性、雇用形態の特性を見ると、今の自分のフェーズと合わせて働き方の選択がしやすくなるんじゃないかなと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。

シンバ🦁



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