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2023年5月の記事一覧

闇 導 光 《詩》

闇 導 光 《詩》

「闇」

「導」

「光」

collaboration : Sham & Kaco
thank you friend's

Photo : Seiji Arita

閉じた瞳 《詩》

閉じた瞳 《詩》

「閉じた瞳」

瞳を閉じたまま歩き続けた

いつか繋いだ手を離される気がして

僕はその瞬間を
見るのが怖かったから

瞳を閉じたまま歩き続けた

其処には
綺麗な花が咲いてるらしいけど

全てを失った後に
その花の残像が消えないから 

いつまでも心に残ってしまうから

言えなかった言葉だけが
ぽつんと落ちた

幸せになりたかった 

君の後ろ姿を見てた

僕はまた 
瞳を閉じたまま歩き続けた

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セブンスター 《詩》

セブンスター 《詩》

「セブンスター」

液体火薬を香水の瓶に詰めたDIOR

液状の大麻はaramisに

ピュアな琥珀 
銀色のリムジン

静かな夜空 
セブンスターの輝き

宇宙の模様 そんな柄のシャツ

ジンの混ざった発泡酒

垂直に堕ちてきた憎悪
報われない愛がそうさせてる

アルパチーノの銃がお前を狙ってるぜ

Photo : Seiji Arita

君色の嘘 《詩》

君色の嘘 《詩》

「君色の嘘」

メインストリートの車の流れ

葬車場近くにある
瓦礫の山で目覚めた朝

モラルが黙り込み 
照らす孤独な太陽

パントマイム 醒めたキス

憂鬱を飛ばす薬と火遊び

苛立ち愛を探す迷子

強がって見せる わかってる
がむしゃらにベルを鳴らした

馬鹿げたプライド 

アナーキズムは全てを手に入れ
ヒューマニズムが嘲笑う

人道的立場とか
偶像に縋り付く愚民とか

刹那の横顔に触れた

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想い人 《詩》

想い人 《詩》

「想い人」

優しく包むよ青い空の様に

穏やかに守るよ青い海の様に

静かに触れた指先 

そらさない瞳 
君だけを見てる

微笑み微笑み返し

君への言葉を探して抱き寄せた

甘い花の香 
僕が君に出来る事

幾つもの記念日に想い出の花束

君を想うと優しくなれる

君の書いた詩に愛を探して

少し背伸びして僕に近づく

触れた頬 

君を想うと 想い人

Photo : Seiji Arit

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蝶 影 月 《詩》

蝶 影 月 《詩》

「蝶」

「影」

「月」

collaboration : Sham
        thank you friends

Photo : Seiji Arita

青と黒 《詩》

青と黒 《詩》

「青と黒」

瓶に入れたクッキーとエスプレッソ

柔らかな日差し
窓から見える風の色

君と見つめ合った

心の中にまだ残ってる 
汚れた純粋

少しかげり始めた空

太陽が傾いて
空が夜を作り始めたら

火を灯そう ふたりで

風に揺れる木の葉の影

ゆらゆら 

青に近い黒 やけに綺麗

胸の奥にある あの気持ち 
君の髪に触れ

木の葉の影 
ゆらゆら揺れて

黒に近い青 

やけに優しくて

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言霊師 《詩》

言霊師 《詩》

「言霊師」

鳴り止まない鼓動 

消えない炎

無理とか無茶とか無謀とか

そんなもんでしか開かない扉がある

畜生 糞ったれ 
俺の中で誰かが叫ぶ

畜生 糞ったれ 
お前の中でも誰かが叫ぶ 

聞こえてるだろう

街の顔訳 
縦社会とか格差とか糞喰らえ

夢描くのには関係ない

大見栄切って吐き捨てた言葉

愚かな博徒 虹の彼方にある頂き

相棒 銃の代わりにペンを取れ 

戦え 言霊師

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六月 《詩》

六月 《詩》

「六月の雨」

大切な想いは胸の中に

夢と抱き合った路地裏

仕掛けられたトラップ
避けきれないトラブル

踏みつけ蹴飛ばしたコンバース

絵に描いたような成功の美談

切れ味の悪い借り物のドラマ

床に散らばる酒瓶と煙草の吸い殻

愛想も無い六月の雨
傘は無い

Seiji

「六月の涙」

君がくれたドックタグ

引きちぎり唾を吐いた路地裏

綺麗事だけ並べたフェイクニュース

聞き飽きた御

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サンライズ 《詩》

サンライズ 《詩》

「サンライズ」

グレープジュースの海に
彼女は羽根を沈めた

僕は其処にメロンソーダを流し込む

緑色の舌を出しておどけて見せた

僕のアイスクリームが
溶け始めた頃

君は僕に気が付いた

オレンジジュースのシャワーで
身体を流した

濡れたままの身体で抱きしめ合った

メロンパンに似た
サンライズが笑ってる

君の羽根も乾く頃

もう一度キスしょう 
そう静かに囁いた

Seiji

「サン

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五月雨 《詩》

五月雨 《詩》

「五月雨」

時を重ねた 五月雨

束の間の夢 息を止め

涙の向こうに輝いた星

瞳の中に見つけた光

愛を誓う花びらに小さな口づけ

ふたりの水面に添えた花

言葉は無くてもわかり合える

夜が染み込んだ風
五月雨の色

今 逢いに行く 朝が待てなくて

Photo : Seiji Arita

君の影 《詩》

君の影 《詩》

「君の影」

君の影とはぐれない様に

君の影が迷わない様にと

風の行方を
誰に尋ねればいいのですか 

積み重ねた歳月 足跡を辿り
さかのぼる夢 帰らない影

涙沁みた道化師の化粧
心の中の波 それでも消えず

君が隠す人 
君を支えた誰かの元へ

見た事もない夜の中

君の影が消えてゆく

Photo : Seiji Arita

356 《詩》

356 《詩》

「356」

高層ビルの谷間から
見上げた空には

星は無い

季節外れの雪を降らせた

狭い部屋

レプリカ ポルシェ356
キャメルカラーのシート

口で溶かした
甘ったるいだけのキャンディ

いつか見た森 
ふたつ並んだベンチ

僕は幸せの原料を探してる

Photo : Seiji Arita

蔦の葉 《詩》

蔦の葉 《詩》

「蔦の葉」

止めどなく手を伸ばす
蔦の葉

菖蒲の花が咲き始めた記憶

音もなく過ぎた風

ひとつ 
またひとつ季節が綴る

例えば思い出 
例えば刹那や恋心

愛でるべき全てに

手を伸ばす様に繰り返す

戯れに似た蔦 

香る花の香

時を切り取った束の間

今を待たずに春はゆく

Photo : Seiji Arita