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#創作大賞2023

テキトーな母によるオリジナルソング

テキトーな母によるオリジナルソング

みぎー
のおっぱい、ひだ
りのおっぱい、ふたつあ
わせておっぱいぱい。この母オ
リジナルソングを歌って聞かせると
息子たちはいつもげらげら笑っていた
もうこの歌が必要ないくらい大きくなった
けど、今歌ってもげらげら笑ってくれるかな

この歌は、私のオリジナルソングだ。
上の詩の上から4行目、9文字目まで。

こんな品のない歌を作る母を許して欲しい。
そして、インターネット上で、品のなさを露呈する母

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196歳のばあちゃん

196歳のばあちゃん

私には長寿のばあちゃんがいる。

196歳ではないけど。
196歳とかだったら、ばあちゃんというより妖怪だ。

私は長寿のばあちゃんのおかげもあり、自分も100歳くらいまで生きるのだろうと信じて疑わない。

大正、昭和、平和、令和と元号を4つも越えている。
なんか羨ましい。
本人は、望んでないだろうけど。

ばあちゃんとの思い出

ばあちゃんは今は老人ホームに入っているが、90歳の手前ぐらいまでは

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父の日当日

父の日当日

父の日当日の今日、夫は大好きな釣りに出かけた。
家族がまだ爆睡中の丑三つ時には起きて、いそいそと準備をし出かけていったようだ。

最近は毎週のように釣りに行き、クーラーボックスにいっぱいの魚を抱えて帰ってくる。
おかげでここ数ヶ月、私は魚を買っていない。

・・・言い過ぎた。ごめんなさい。
買っていた、魚。ええ、買っていますとも。
同じ魚ばかりでは飽きるので、よく考えたら買っていた。
鮭を食べたい

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父の日前夜

父の日前夜

「お父さん、ムカつく」

パリパリに乾いた洗濯物を高校生の長男の部屋に届けにいくと、これまた乾いた声で息子は言い放った。
乾燥に耐えながら、
「でしょうね」と私は言う。

彼の父かつ私の夫は、沸点が低くすぐにキレる。
さらには言葉足らずで、自分が正しいと思っている。
そして、キレるのは自分に正当な理由があるからで、至極真っ当な行為だと思ってる(気がする)。

誰からみても、その沸点の低さは我が夫の

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給食エプロンに、アイロンはかけない。

給食エプロンに、アイロンはかけない。

私は数年前に固い決意をした。
給食エプロンにはアイロンをかけない、と。

一応、長男が小学校に入学して以降、7〜8年間は給食エプロンにアイロンをかけたと思う。
でもさ、ほんとめんどくさいのよ。
ただでさえアイロンがけ嫌いなのに。
かけるのはいいけど、用意と片付けがめんどくさい。
そしてでかいのよ。給食エプロン。
中学生のエプロンとか、それこそシーツみたいにでかいわけ。

自分のシャツでさえ、アイロ

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心配性の母のポケットには、たくさんの小石が詰まっている。

心配性の母のポケットには、たくさんの小石が詰まっている。

もう大きい息子たちに、この小石を返してやらねばと思う、今日この頃。

我が家には二人の息子がいる。
令和5年度時点で、高校1年生と小学4年生。
ゲームが大好きで、勉強が苦手、できるだけ楽をして過ごしたいようにみえる。
本人はそんなことないって言うかもだけど。

私はどちらかといえば、心配性で完璧主義のきらいがある。
そして、息子たちがとてもかわいい。
図体がデカくなっても、かわいい。
なので、かわ

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つゆいりです。

つゆいりです。

『福岡地方、本日梅雨入りです。』

ニュースで見るより先に、母からのLINEで知る。
全国規模からローカルニュース、はたまた近所の噂話まで、母の守備範囲は広く、そして早い。

雨は夜だけにしてほしいね、と私がグループラインに返す。
妹が、お相撲さんのスタンプで「ほんとそれ」と返す。
お相撲さんのスタンプは動くタイプのスタンプで、頷くたびに腹が揺れる。

スタンプであってもシビアである。
腹が揺れて

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風呂に穴があき、しらじらと夜があける。

風呂に穴があき、しらじらと夜があける。

まだ折り返し地点にも到達していない42歳の今日この頃。
折り返し地点にも到達していないなんて、一体何歳まで生きるつもりかと聞かれれば、多分100歳でしょうねと答えるでしょう。
神様、健康寿命も100歳でお願い。
まだまだやりたいこと、いっぱいあります。

そんな私ですが、これまでの人生で寝れなかった記憶がない。
しかし、今年に入って、一度だけ寝れなかった夜があった。
そんな夜のお話。

それは、寒

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