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ショートエッセイ集

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過去の出来事の揺れ動く想いや感情を書き起こしています。封印してもいいけど、忘れたくないあの日の想い出たちをシェアします。
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#note

自分のことを初めて「記事」にしてもらったら、新たな自分を発見

4月1日。エイプリルフール。

現在、29歳。

もう、誰かにおもしろおかしいウソなんてついたり、つかれたりする歳ではない。

もともと昔から真面目で冗談が苦手で、人の困った顔を見るのが苦手だし、また、自分がされても上手く反応できないのだ。(そして相手にちょっとだけ申し訳なく思う)

自分の中の「おもしろさ」や「ユーモア」は前世にでも置き忘れてしまったのかもしれないなぁ……と感じていた。

もしか

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先輩からもらったカフェラテ

先輩からもらったカフェラテ

「あなたは明日から管理部のMさんの元で働くか。そのほうがあなたも、のびのび仕事もできるじゃろう」

シンと静まり返った会社の会議室。

本社の人事部長が、穏やかな優しい顔でわたしにそう言い放った。

わたしはその言葉を聞いて、自分の不甲斐なさでいっぱいになりながら「ここで泣いたら迷惑になる」と涙を堪えるのに必死だった。

わたしは入社後1年も経たず、部署移動を命じられた。



原因はおそらく、

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ありがとうを電波にのせて

ありがとうを電波にのせて

金曜日の夜。

家につき、ご飯を食べてホッと一息つく午後21時頃。

あぁ、今週もがんばったな。

なんて、大人達は1人自分を労う時間だろうか。

毎日、激動に変化する社会情勢。

テレビのニュースは、たくさんの情報を伝えてくれる。

インタビューに答える、道ゆく人の声。

不安になったり、これからどうなるのかな、と答えていたり…

テレビをつけていると、画面越しにもそんな渦巻く感情達が、家の中に

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お姉ちゃんって呼ばないで

お姉ちゃんって呼ばないで

わたしは2人姉妹の長女だ。

可愛くて大好きな妹がいる。

大人になってお互い結婚して妹は遠方に引っ越したけど、
仲は良くて誕生日には贈り物を送り合ったり、実家の両親のことなどをよく相談する。

昔から器用で、成績優秀で落ち着いていて、自分の意志も強くて、甘え上手で頭も良くて頼りになる…妹。

色々あって父と母が不仲で家庭内が殺伐としていた学生時代の数年間も、妹がいたから乗り越えられた。

今も良

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