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わたしのなかの”あふれ”が言葉になり、その言葉たちが繋がって、詩になりました。
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2024年2月の記事一覧

木漏れ日 | 詩

木漏れ日 | 詩

ダージリンの紅茶を飲んだ時

ふてぶてしい顔の猫を見た時

誰かが私の噂をした時

シャボン玉はそっと囁く

いい色合いのお洋服はみんな売れてゆく

残った誰かは陰でそっと泣いている

いつだってあの子はしらけた顔で

他の人は理不尽だと目を瞑る

茶葉の香り

どこからか聞こえる懐かしい歌

木漏れ日は溶けないままで

水色の夢の中に現れる

私は今日も一言も発せぬまま

終わりを迎えようとして

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とある日、寒い午後 | 詩

とある日、寒い午後 | 詩

私は私だったのに

金木犀の香りがしたのに

誘惑に負けた

劣等感に苛まれた

とある日、寒い午後

まだ季節は秋だった

でも心はマフラーをしていた

そんな矛盾を抱えた

弱い自分、白黒思考

とある日、寒い午後

振り切るように

精一杯走る 

走る

止まらぬ被害妄想とおさらばしたいから

進む

進む

いつか自分を好きになりたいから

もうすぐ冬になる

もっともっとマフラーが必要

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あの日見た空の色を覚えていますか | 詩

あの日見た空の色を覚えていますか | 詩

拝啓

どこかの誰かさんへ

あの日見た空の色を覚えていますか

大切な誰かと喧嘩をした帰り道

懐かしいあそこの公園のブランコ

くたくたになった上履き

下校時のチャイム

あわあわになって弾けたコーラ

古くなったスマホ

空はずっとみていました

夜になってもまた朝になっても

私は何者か名乗ることはできませんが

大切なことを知っています

あなたはまた思い出す

生ききっていた頃のこと

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歩みを進めれば | 詩

歩みを進めれば | 詩

人生から追い出されて

追いつかれて

僕らは歩みを進める

生活から吐き出して

所々つまずいて

僕ら一度立ち止まる

気がついたら何かの分岐点にいる

枝葉がどんどんわかれていることを知る

困ったものだ

僕は、僕のままなのに

君は、もとから君だったのに

朝日 | 詩

朝日 | 詩

朝日を浴びて
すくすくと育つよ
君がいれば
私も元気になるから

なんてありきたりな言葉を
思い浮かべてしまうくらいには
君に夢中になっている

ビー玉のような瞳
こっちが寝てしまいそうな
ゴロゴロ音
縞模様を掻き分けたら
真っ白な雪化粧
クリームパンのような手に
靴下履いてる足元

今日もありがとう
共に過ごしてくれて

最近うざったくてごめんね
構いすぎてても
仕方がないなぁというように
相手

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猫と毛糸 | 詩

猫と毛糸 | 詩

猫と毛糸
むすんでひらいて
遊んで解けて
夢のような時間
時々絡まって
小さい君はいたずらっ子

かわいいなんて言葉じゃ表せない
食べちゃいたいとか
そういうわけでもない

でもその緑色の瞳が
キラキラと輝いてる瞬間を見て
とっても愛しく思うのよ

いつまでも
仲良しでいたい
いつまでも
その毛並みをよしよしたい

艶々の毛色に
親バカになりながら

時間を共に
過ごしたいのよ

真っ直ぐに駆け抜けて | 詩

真っ直ぐに駆け抜けて | 詩

これでもかと朝日を浴びて
真っ直ぐに駆け抜けて

ダンボのようなお耳に
クリーム色のもふもふな毛並み

一生懸命
息をしてここにいる

今日も明日も明後日も
君がいなくなったこの世界でも
ずっとずっと
なかよしなまま

またいつでも帰っておいで

大好きなサッカーボールで
また一緒に遊ぼう

静かな場所 | 詩

静かな場所 | 詩

ここへは一人で来た

音のしない場所

本の優しい匂いがする場所

いつでも手に取っていいよと

私に語りかける

チーズケーキはカフェラテに

とてもよく合う

今日も、明日も

巡っていく

暖かくて優しいものを

口に入れた時

忙しなかった心が

ゆっくりと

ゆっくりと

落ち着いていくのを感じた

鏡 | 詩

鏡 | 詩



嫌なところも素敵なところも映し出す

人の嫌なところは
まるっきり自分が持ってる
要素だったりする



怖いくらいに嘘をつかない

それが時に人も自分も傷つける

自己嫌悪にご注意を

日頃から

自分と周りを愛する訓練を

僕の役割 | 詩

僕の役割 | 詩

屋根裏の片隅で

ひっそりと命を与えられた

誰かがふと遊びに来ては

にっこり笑顔で帰っていった

一人の時間は退屈だ

誰かに忘れられた時は

とっても切なくなる

必要とされる時があっても

人間は自分が一番大事だから

結局はまた

頭の片隅の

スポットライトが当たらないところに

僕は存在することになる

でもいいよ

それでもいいよ

忘れた頃にまた戻っておいで

辛くなった時

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絵画の窓 | 詩

絵画の窓 | 詩

大好きなカフェの

奥にあるソファー席に座って

ふと見上げたら

絵画の窓

その緑に

その世界観に

そっと溶け込んでみよう

味わってみよう

カフェラテの匂いと共に

レアチーズケーキの甘さと共に

ただ好きな時間を

隣にいるあなたと

青に染まれよ | 詩

青に染まれよ | 詩

青に染まれよ
心の底から
誰にも邪魔されないスピードで
裸足で溶け込んで

青に染まれよ
それは海の色
誰にも秘密の
内側から溢れたメロディー

青に染まれよ
何も責めないから
納得いくまで
この空を羽ばたいて

君が願えば
欲しいものはたぶん
ほんのすぐそばに

青色の中で
みる景色は
多分他の誰も
想像ができない

青、蒼、碧、あお。

いつまでも
その時掴んだ景色に

胸をときめかせて