僕のレコード棚 ⑪〜⑳
これは僕がThreads,Facebook,Xで日々アップしているレコードについての投稿をまとめたものです。
⑪ジャンルって 『菊地雅章 / Susto』
現在のJazzとジャンル分けされる音楽の定義ってのは正直僕にはわかりません。グレン•ミラーとロバート•グラスパーが一緒のジャンルにまとめられてしまうのはなかなか無理がある気がします。
菊地雅章さんの『Susto』の"CIRCLE/LINE"なんて当時どんなジャンルに分けられたんだろう?1981年リリースだし、お堅い評論家には叩かれたんじゃないかな。僕はこの曲が大好きで僕にとってはJazzです。
菊地雅章さんはジャズピアニストとして有名ですが、実はシンセもかなり使う方でアンビエントアルバムもリリースしてます。これまた良いのです。
『Susto』配信されてないのか、もったいない。。
#masabumikikuchi #菊地雅章 #susto #jazz #vinyl #レコード #ジャズ
⑫共生 『Bill Evans /SYMBIOSIS』
『Waltz for debby』が大好きだった僕を見事に吹っ飛ばしてくれたアルバムがこれ。オケとBill Evansの共演。とりあえずジャケに写ってる人が今まで認識していたBill Evansじゃない。デザインも僕が知ってる他のBill Evansのどのアルバムともかなり違う。なので聞く前から内容はいつもとは異なるんだろうなとは思ってました。
じゃあなぜこれを買ったか?それは即答できます。このアルバムにはClaus Ogermanが作曲、アレンジ、指揮で参加しているからです。僕はClaus Ogermanをもはや神と崇めていますので名前を見たら絶対買ってしまうのです。Claus Ogermanについては語り出したら2ヶ月位かかるので今後ちょい出ししながら語っていきます。
調べてみたところ、「symbiosis」は生物学の用語であり、異なる種の生物それぞれが相互に恩恵を受ける関係、とのこと。
まさにこのアルバムを表してる気がします。
#billevans #symbiosis #clausogerman #ビルエヴァンス #共生
⑬ロンドンの弦 『Chris Bowden / TIME CAPSULE』
正直、僕の世代だと音楽業界で良い思いはほとんどしてません。ひたすら右肩下がりの時代に突入していったタイミングに夢と希望に満ち溢れこの世界に入って行きました。しかし、唯一この世代で良かった事が。それは多感な時期に90年代を過ごせた事。僕にとっては90年代は70年代に匹敵する音楽黄金期です。この頃の渋谷は音楽の都と言っても過言では無いくらい音楽の情報が溢れていました。そんな90年代ですが、僕が影響を受けたのはアメリカの音楽ではなく、どちらかと言うとヨーロッパ、特にイギリスの音楽でした。
そして出会ったのがこのChris Bowdenのアルバム。僕は高校から大学まで作曲を勉強していたので面白い編成の音楽を日々探していました。当然まだあまり色々な音楽を聞いた事がない頃なので基本的には何を聞いても新鮮なのですが、このアルバムは衝撃を受けました。まずショックを受けたのはストリングスやフルート、クラリネットが僕が聞いてきた音楽と全く違う使われ方をしていてめちゃくちゃカッコ良いのです。きっとその頃だとストリングスはクラシック、現代音楽やサントラでしか聞いた事がなかったんじゃないかな?
この頃のロンドン方面から発信される音楽に僕が一番惹かれた理由というのはそこなんです。カッコ良いサウンドなのはもちろんなんですが、ウワモノがちゃんと音楽してるんです。ビートだけがカッコ良いのではなく、ウワモノも新しく刺激的なアレンジが施されているものが沢山ありました。そして僕はある時「あ、きっとロンドンのストリングスの音が好きなんだ!」という事に気づきます。その後、ロンドンミュージックシーンで活躍するあるヴァイオリニストと知り合う事になるのですが、その話はまた別の機会に。
今からタイムカプセルを何か埋めようかな。
#chrisbowden #strings #timecapsule #タイムカプセル #ストリングス #弦 #90年代
⑭ & Friends 『Carlos Niño / Flutes,Echoes,It’s All Happening!』
“野崎良太&Friends”、初めて自分の作品をリリースする際に考えたアーティスト名です。Flower Recordsのレーベルオーナーの高宮さんにこの名前を伝えたところ「1週間あげるからもうちょっと頑張って考えよう!」と優しく諭されたのがほんの数ヶ月前位な気がします。その後、紆余曲折を経てJazztronikに落ちつく日が来ます。
“ & Friends”名義で何かをリリースするのは結構な決意が必要な気がします。自分の作品を友達と連名でリリースし、万が一その友達と仲が悪くなったりでもしたら、僕ならもうその作品をあまり振り返らなくなるかも。なので& Friends名義の作品には何かその人の特別な意図があるのだろうと思ってます。
Carlos Niñoに関しては、一番親しい友人達と好きな事をやるのがこの&Friends名義とのこと。確かに様々な要素溢れる音楽性豊かな作品です。こんな素敵な作品を気心知れる友人達と作れたらそれはとても幸せな事でしょう。Friendsと複数形なのがポイント。なんか楽しそう。単数はちょっとストイックそう、というかそこはぜひ名前出してもらって。
そういえば日本語の名詞は複数形が少ない気がする。『友達たち』は多分間違っている、と思う。
#Carlosnino #friend #friends #友達 #友人 #友人達
⑮無国籍サウンド 『maraiah / うたかたの日々』
まだまだ知らない日本の音楽って沢山あるんだろうなと思わされた1枚。まずジャケのアートワークがカッコ良くて聞く前から期待大。そして思った通り、サイコーでした。
内容は無国籍バンドサウンドで知性と昭和を感じます。1983年リリース。僕には70年代後半〜80年代前半の新宿がイメージとして浮かびます。メンバーを見てみると、なんと大リスペクトしている清水靖晃さんがいる!なるほど、知性を感じたのはそういう事か。他のメンバーもこの時代を代表する方々が名を連ねている。そしてレーベルはBETTER DAYSときたらもう間違いなし。
ここら辺の時代のドキュメンタリー等を見るとだいたいYMOが流れるし、なんならYMO関連のドキュメンタリーも多い。もちろん言葉で表せないくらいYMO大好きですよ。
でも、もうちょいこの時代の違うミュージシャンにも焦点あてて欲しいといつも思うのです。
#マライア #うたかたの日々 #清水靖晃 #betterdays #80年代 #70年代
⑯緑ジャケ 『山下毅雄 / ルパン三世』
ルパン三世はとても良く観たアニメ。僕が知ってるルパンは赤のジャケット着用ですがこのレコードでは緑のジャケット。実はルパン三世のテレビ第1シリーズではルパンは緑ジャケ。第2シリーズからルパンは赤ジャケになります。
というわけで、このレコードはルパン第1シリーズのサントラ。音楽は山下毅雄。テーマ曲もありますが”あの”曲ではありません。なんとルパン第1シリーズはマスターテープが行方不明でテレビと全く同じサントラは存在せず。このレコードはオリジナルスコアを元に再録したものです。そもそもルンパ第1シリーズをあまりよく知らないので僕はこのアルバムを山下毅雄のカッコ良いアルバムとして認識してるのですが、アニメファンの方達には少し不評のようです。
サントラって稀に本編で使われたものではないアレンジの違うものが収録されていたりするんですよね。あれなんなんでしょ?権利関係かな?そういうのを買ってしまった時ってかなりガッカリするのでこの第1シリーズのファンの皆さんの気持ちもわからなくはないです。それにしてもヤマタケサウンドはカッコ良すぎる。
1か所だけ”ルンパ”にしたの気がつきましたか?
#ルパン #ルパン三世 #山下毅雄 #ヤマタケ #モンキーパンチ #サントラ #takeoyamashita
⑰ 一聴惚れ 『Ennio Morricone / Metti una sera a cena』
探し求めて三千里。やっとこのEnnio Morriconeの名作をアナログ新品でゲット。もちろんオリジナル盤ではないですよ。再発盤です。でもカラーvinylを買ったら新品なのにノイズ乗ってて泣きました。
学生の頃、渋谷にあったサントラ専門店"すみや"で観た事もない映画のサントラを調べたものです。そして知ったのがこの作品。スキャットやbossaがモリコーネの手にかかるとこんなにオシャレになるのかと一聴惚れ。確かアルバム単位ではなくモリコーネの2枚組コンピCDに収録されていたはず。とにかくそのコンピが良くて僕が知らなかったモリコーネ作品を沢山知る事が出来ました。
タイトル曲"Metti una sera a cena"を気に入り過ぎてすぐカバーバージョンを作り青山blueで開催した学生イベントにてライブで披露した覚えがあります。
あの音源どこいったかな、、久々に聞きたい。
#enniomorricone #モリコーネ
⑱空気感 『Keith Jarrett / STAIRCASE』
ピアニストの難点は自分のピアノを気軽に持ち運べない事。著名なピアニストがピアノ持参&調律師を連れツアーを開催した話は聞いた事あります。
先日僕もピアノソロコンサートを開催しました。会場の響きが良く自分のピアノとはだいぶ音が変わります。そうなると、僕ごときでも、テンションがあがりそこでしか出て来ないフレーズが自然と出てきたりします。その結果本番で即興で新たなアレンジになる場合も。アドレナリン恐るべし。
長く慣れ親しんだ自分のピアノはどんなにお高いピアノよりも1番しっくりくるんだけど、場所と楽器が変わるといつもと違う音楽が出来上がるのも事実、これ僕の場合ね。
キース•ジャレットはライブで即興で音楽を作っていく印象が強いです。なのでライブレコーディングが多いけど、このアルバムはスタジオ録音で比較的短めに曲がまとめられたキースにしては珍しいタイプのピアノソロ。スタジオもパリとあってその雰囲気が出てるのか非常に洗練された綺麗な曲が揃ってます。その場の空気感はほんと音に出るんですよね。
なぜか僕はカレーを食べたらその日は静かめな曲は演奏出来なくなります。音にカレーを感じます。
#keithjarrett #staircase #キースジャレット #ピアノ #piano #空気感 #アドレナリン #即興 #カレー
⑲聞き落とし 『環境音楽』
海外ではMindfulnessがとても流行ってますが、それに対応した人気アプリ"Calm"に楽曲提供してます。もしCalmを使っている人がいたら探してみてください。そこでは尺八と箏を使ったかなりdeepなアンビエントを披露してますので。
※Calm版とほんの少しだけアレンジが違う箇所がありますがほぼ同じものがこのアルバムです。
数年前、何だか面白そうなコンピが出たなと思って買ったのがこの"環境音楽"。1980〜1990年辺りの日本のアンビエントミュージックを集めています。レコード3枚組でブックレットもちゃんとしている。こういうのはやっぱり配信じゃなくてモノで欲しくなっちゃうな。取り上げられている人達は知っている人もいればこれで初めて知った人もいます。ちなみに日本の音楽を取り扱ってるけど作ったのは海外レーベル。確かこのコンピはグラミー賞にノミネートされたんじゃなかったかな。
見落としならぬ聞き落としている日本の音楽はまだまだ沢山ありそうな気がする。
#ambient #環境音楽 #environment #昭和 #グラミー #mindfulness #マインドフルネス #calm #アンビエント
⑳第四世界 『Jon Hassell / dream theory in malaya』
独自の音空間を作るのはとても難しい。頭に浮かんだイメージを音に変換するわけだけど、これが難しい。特に音程は厄介。はっきりした音程が聞こえると急に現実的になる。もしイメージが弱いと音程に引っ張られ頭から消えちゃう事もある。フワっとした音空間を作りたかったのに、やけにメロディアスな曲が出来上がったりする。
Jon Hassellは民族音楽と電子音楽を融合させ"第四世界"というコンセプトを打ち出します。彼の音楽を初めて聞いた時は衝撃を受けました。なぜかと言うと架空の世界が見事に音で表現されていたからです。どこの場所とも言えない不思議な空間が頭の中に浮かびます。きっと彼の頭の中にはこれから音に変換するイメージが明確に浮かんでいたのだと思います。
間違いなく偉大な音楽家の1人です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?