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逆イールドとは〜短期と長期の金利関係を見る〜

本日は投資をする上で知っておきたいネタを
解説します。

6月、7月にかけて2度ほど逆イールド現象が
米国債にて発生しました。


そもそもの「イールド(利回り)」を説明する
前に、

イールドを理解する上で欠かせないのが、

「短期金利」と「長期金利」の関係です。

金利とはお金の貸し借りで使う言葉の1つで、
借り手が貸し手に支払う利息のことであり、
総額に対して支払われる利息の割合を指します。

例えば、金利0.1%で100万円を1年間貸して
もらった場合、利息として支払う金額は1,000円
となります。

では、この金利という表現において、

・短期金利
・長期金利

という2つの言葉を知っておく必要があります。


短期金利とは、短期という言葉の通り、
期間が1年未満の金融資産の金利です。

一般的に、日本銀行が地方銀行等にお金を貸し出す
場合の「政策金利」を指します。

簡単に言うと、市場に流れるお金の量を調整する
役割を担う金利です。

政策金利については過去記事をご参考ください。


一方で、長期金利とは期間が1年以上の金融資産
の金利です。

一般的に「10年物国債」が指標とされています。

投資家が国に対して10年間お金を貸す際に、
受け取れる金利のことです。

国債については過去記事でも触れていますので
ご参考ください。

この長期金利は短期金利のように日銀などが
利率を決定するようなものではなく、物価変動
など情勢によって変動します。


では、金利には短期と長期があることをご理解
いただいたうえで、本日のテーマであるイールド
をご説明します。

イールド(yield)は「利回り」を指す言葉で、
簡単に言えばどれくらいの投資リターンが得られ
るかを測るものです。

例えば、先ほどの10年物国債を保有したときに、
国債としての価格上昇や利息を加味して、
10年後にどれだけの利益が得られるか表します。

このイールド(利回り)と期間の相関性を
表したグラフを「イールドカーブ」と言います。

横軸を期間、縦軸を利回りとした曲線のグラフ
になります。

このイールドカーブには、

・順イールド
・逆イールド

の2つがあります。

基本的に、先ほどの10年物国債などのように
期間が長い金融資産であればあるほど、満期まで
の回収にはリスクが高まるため、その分利回りは
高くなります。

10年間お金を貸すと言って、100円しか返って
こないのであれば誰も投資しませんよね。

よって、10年物国債など期間が長い長期金利の
債券等は、右肩上がりの「順イールド」となる
ことが通常の状態とされます。

一方で、本当であれば長期金利の金融資産の
ほうが金利が高いはずであるのに、短期金利
の金融資産の金利が高くなる逆転現象のことを
「逆イールド」と呼ばれます。

例えば、10年物国債よりも2年物国債の方が
金利が高いといった現象です。


例えば、これから世の中不安定になりそうだ
という時に、

・10年で満期となる国債
・2年で満期となる国債

どちらのほうが安全と考えるでしょう。

おそらく投資家心理としては後者ではないかな
と思います。

よって、経済や金融といった観点で不安材料が
ある際は、逆イールドとなる現象が起こります。

例えば、上記過去記事でもご紹介したように、
「利上げ」が起きるとなると、世の中の経済は
縮小傾向となります。

そうなると、投資家はできるだけ安全資産で
お金を運用しようとします。

そのため、長期のものより短期で確実に利益
を得られるものを選択します。

このように、政策金利を引き上げ、金融引き締め
を行うような際には、逆イールドが起こりがち
です。

逆イールドが発生した後は「景気後退(リセッション)の傾向も高まります。

そのため、短期金利と長期金利のイールドカーブ
が今どういった状況なのかを確認することも
投資においては判断材料となります。

ぜひ10年国債利回りや2年国債利回りなど
にも注目してみてください。

それでは。

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