![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77880519/rectangle_large_type_2_c92308bb8e73819e085038ccf2d1f627.png?width=800)
『アーティストにもどる場所』 artwine.tokyo
忙しなさを生きる人々に必要な「癒し」とは何だろう。
時間をケチケチすることで、本当は全然別のなにかをケチケチしているということには、誰ひとり気がついていないようでした。自分たちのいのち(生活)が日ごとに貧しくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、誰ひとり認めようとはしませんでした。
日々生きている中で「癒し」は様々に存在する。
アロマ、マッサージ、フィットネスetc.
でも、その「癒し」は何のためにあるのだろう。
仕事の疲れを癒すため、より仕事のパフォーマンスを高めるため。
忙しなさの中で今の自分を維持するために、そうした「癒し」ももちろん大切。
けれども、そうした「何かのため」に時間を使う毎日に捉われて、無意識の内に失われているものはないだろうか。
ただ、自分の好きな色を塗ってみる、思うがままに線を描く。そうした「何のため」でもない一つ一つの営みの中で創造性を発揮し、新たな自分に出会う。
そんな「自分のため」に、自分の中に深く入り込む時間が失われてはいないだろうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1651745387583-gnL5dpS1ba.jpg)
artwine.tokyoは、そうした大人になることで失われていた創造的な時間を取り戻す場所。
この場所では、ワインを片手に名画を描くことを通して創造性を刺激し、リラックスした状態で自分自身と向き合うことを実現しているのだ。
全てはただ、その瞬間に宿る創造性のために。
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな。たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
「さあ、何でも自由にあなたの好きなことを表現して」
そう言われれば、子どもの頃は何でも浮かぶことができたかもしれない。
しかし、大人になってしまった私たちにとって「何でも自由に表現」をすることはとても難しいものになってしまっている。
「うまく描けなかなかったらどうしよう」「アートとして表現するためにはどうすればいい」「この作者の意図通りにしないと」
子どもの頃は考えもしなかったことが頭に浮かんできて、筆が止まってしまう。
artwine.tokyoでは、そんな考えに囚われることなく大人が創造性を開放できるために三つの工夫がされている。
一つ目の工夫は「思考と感覚の土台」をつくること。
ワークショップでは講師から当日取り組む作者の思想、作品の制作背景、名画としての評価理由などを深く掘り下げることから始まる。作品にまつわる背景を深く知ることで、「作品の魅力」について腹落ちさせて製作に臨むことを可能としている。
説明による理解に加えて、作品とペアリングワインを通して五感を刺激することによる体感も促している。
思考と感覚、この両者の土台を整えることで創作活動に没頭できる環境が整えられているのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1651745460614-CHNsmoazV6.jpg)
画家や絵画のテーマとペアリングされたワインをご提供。
二つ目の工夫は「技術の土台」をつくること。
難易度の高い名画を描くワークショップでは、講師が事前に下書きを描くことなどを通して難易度の調整が行われている。
講師の細やかな説明の中、下書きに沿って描くことで、これまでの技術に関係なく名画を描くことができる。
そして、慣れてきたところを見計らうかのように徐々に自由度の高く描く箇所を増やしていく。限られた枠組みの中でだからこそ、参加者はその瞬間に自身の創造性を働かせることができるのだ。
実際、同じ名画の作品でも参加者によって十人十色の仕上がりになるのだとか。
三つ目の工夫は「講師の土台」をつくること。
artwine.tokyoでは講師自身も「アーティストにもどる場所」として存在している。
アートの価値がまだまだ見出されていない日本では、アーティストが自身の創作活動のみで生きていくことは非常に難しい。実際、藝大・美大を出てもアートとは関係ない職業につかなければならない方々は数多く存在する。artwine.tokyoはそんなアーティストたちがアートを仕事にする場所として存在することで、アーティストとしての自分に戻ることを実現しているのだ。
講師たち自身も、アーティストへと戻り創造性を解放しているからこそ、参加者もそれにつられて自由な表現をする余白が生まれているのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1651745614756-mVPSsKRx8h.png)
現在は、名画の模写を中心にワークショップを行っているものの、今後はより創造性の解放を促せるようオリジナリティのある作品を描けるプログラムも準備しているとのこと。
![](https://assets.st-note.com/img/1651745574331-XLLPYYGCc6.png)
キャンバスに流し込むだけでオリジナルアートが創れる「フルイドアート」
時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。
自由に絵筆を動かして、自分の心に向き合って、白いキャンバスを埋める。
ただそれだけの行為が、気がついた時にあなたの心のすくみをほどいていく。
忙しない日々を一度抜け出して、あなたも自分のための瞬間を、この場所で過ごしてみてはいかがだろうか?
店舗情報
・住所
〒110-0008 東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ 205号室
・アクセス
JR 上野駅 山下口 動物園通り経由 徒歩11分
京成本線京成上野駅 池の端口 徒歩10分
東京メトロ 銀座線/日比谷線 上野駅 8番出口 徒歩12分
・公式サイト
https://www.instagram.com/artwine.tokyo/
I am CONCEPT. 編集部
・運営会社
執筆者:澤海渡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?