マガジンのカバー画像

こころの健康を保つ

70
運営しているクリエイター

#物語

『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

もっとみる
『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)

『普請中』(ふしんちゅう)
森鴎外著

実録版、その後の『舞姫』と言われている作品。エリス来日の時にあったかもしれない話だと言われている。

登場人物はドイツ人女性と日本の官僚(渡辺)。渡辺がドイツに留学していた時、二人は恋人同士だったという設定。

普請中(改装中)のホテルで会食する二人なのだけど、男性の態度は冷ややか。そして、そのまま、女性は旅立っていく。という話。

物語のシーンとしては、そ

もっとみる
『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』その2

『なべちゃんの嫁』(その2)
辻村深月著

以前書いたレビューをChatGPT に読み込ませて、物語の紹介文を出力してみた。

『大学時代に「よい人」として女子たちに便利に利用されていた青年・なべちゃんが、とうとう結婚することになりました。しかし、相手の「嫁」にはいろいろと問題が…。そんな彼と、大学時代の友人たちは再び集まります。結婚を通じて、彼らが直面する人間関係や幸せについて考える、切なくも温

もっとみる
『シャンデリア』その2

『シャンデリア』その2

『シャンデリア』(その2)
川上未映子著

以前書いたレビューをChatGPT に読み込ませて、改めて物語の紹介文を出力したものです。

『『シャンデリア』は、川上未映子が描くデパートの世界を舞台に、贅沢な生活や心の空虚さをテーマにした物語です。主人公が大金持ちになり、高級品の購入にのめり込んでいく様子が描かれ、物質的な欲求が人間の内面を満たすことはできないということが表現されています。読者は、主

もっとみる
『盲目的な恋と友情』

『盲目的な恋と友情』

『盲目的な恋と友情』
辻村深月著

物語は、二部構成。
前半の主人公は、一瀬蘭花という、育ちの良い垢抜けた美女。蘭花の目線で語られる病的な恋愛感の話。後半の主人公は、傘沼留利絵という、外見にコンプレックスを持っている女性。その留利絵の病的な友情感の話。

その他の主な登場人物としては、
名木沢美波。彼女は、物語の中では、比較的軽く扱われる今どきの軽いノリの女性。そして、問題となる茂美星近は、イケイ

もっとみる
『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』

『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』

『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』
越智月子著

鎌倉を舞台とした、穏やかな、物語。様々な問題を抱えた女性たちが、寄り添って生きているのだけれど。

最後の落ちは、(途中から、もしかしたらってよぎった展開ではあったのだけど、)少し、考えさせられた。こういう人生、こういう親子関係だったのかあと涙した。

物語に出てくる、コーヒーやカレーの説明が、なかなか良かった。

私自身、毎朝のコーヒーは欠かさないのに

もっとみる
『アンナカレーニナ 4』

『アンナカレーニナ 4』

「アンナ・カレーニナ 4」
光文社古典新訳
トルストイ著(望月哲男訳)

クライマックスに、入る。

2012年の映画を先に見ておくことをお薦めします。

超大作ですが、読み始めるとどんどんのめり込んで行けます。

4巻はぼろぼろになっていく、アンナ。
疲れ果てる、ブロンスキー、
まさに、破滅というのは、こういうことを言うのだろう。

こんなに、魅力的で、破滅的な女性に出会ってみたいと思

もっとみる
『十三夜』

『十三夜』

『十三夜』
樋口一葉著

裕福な家に嫁いだ主人公の『お関」の悲惨なDV被害の物語。

離婚したいと実家に逃げ込む。ひどい被害を受けているという話を聞いて、母親は、即離婚をすすめるのだけど、父親からは離婚を思いとどまるように諭される。再び、嫁ぎ先に戻ろうとして乗った人力車の運転者は、幼ななじみで、もともと、いいなずけだった「縁之助」。

縁之助は、お関が裕福な家に嫁いでしまってから、落伍していき無一

もっとみる