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財務分析しないからブラック企業に就職することになる

ロッシーです。


パソナが本社機能を移す

パソナが淡路島に本社の主要機能を移すとのことです。

これにより、1000人ほどの社員が淡路島に異動することになるようです。

「どこでも仕事はできる」

ということを実証するらしいですが、それは「すでに実証されている」と思うんですけどね。

というか、実証されていない状態で、「えいや!」で本社機能の移転はしないでしょう。何かあったらリスクが大きいですからね。

だから「どこでも仕事はできる」ことを実証するというのはあくまでも建前です。

パソナの財務分析をさくっとしてみた

移転の理由は、普通に考えればコストの削減でしょう。

パソナの財務状況をYahooファイナンスでさくっと確認してみました。

近年、売上高の成長率は横ばい

営業利益率は3%くらい(少ないですね)

当期利益率は1%未満。(2020年5月期は0.018%です。何か特損でもあったのでしょうか)

自己資本比率は20%台

有利子負債は増加傾向

ROA、ROEともに低い水準

まだまだ細かい分析が必要ですが、Yahooファイナンスで1分見るだけでも色々なことが分かるものです。

ちなみに、私ならこの株は買わないですね。

利益が出にくい構造

パソナは人材派遣業界のランキングで第3位とのことです。(1位はリクルートHD、2位はパーソルHD)

第3位でこの状況ですから、人材派遣業はその構造上、競争が激しく利益が出にくいことが見て取れます。

そりゃそうですよね。極論すれば、派遣会社なんてどこだっていいわけですから。大事なのは、派遣される社員の方の能力やスキルなわけです。だから、会社自体で差別化をすることはなかなか難しいと思います。

他社と差別化するのが難しいとなると、後は派遣料金で他社と勝負するしかありません。つまり値下げです。そうすると、売上高を拡大するのが難しくなりますから、利益を捻出するには費用を抑えるしかありません。

つまり、その派遣会社で働く社員の給与水準を低くして人件費を抑えたり、本社ビルの賃料を地方に行って下げないといけなくなるわけです。まさに今回の移転なんかそうでしょうね。

馬鹿正直に「コストカットのための本社機能移転」と言ってしまうと対外的には格好がつかないので、「どこでも仕事はできることを実証する」というお題目が必要だったのではと推察します。

就職先の財務分析は必須

就職先を選ぶときに、社風だとか職場の人間関係なんて入ってみなければわかりません。

最近では、その企業の評判や退職者のコメントなどをネットで調べることができるサイトもあるようです。でも、それは所詮個人の意見ですからあてになりません。

だからそんなものを調べても意味がありません。それよりも、その会社の財務分析をしたほうが良いです。

その会社の株を買うのも、その会社に就職をするのも投資です。

前者はお金を投資し、後者はあなた自身の労働力を投資するという違いがあります。

株はイヤになったら売却すればいいですが、就職ではそうはいきません。就職はそこにあなた自身という人的資源を長期間投資するわけです。だから、株を買うときよりも真剣にその会社のことを調べたほうがいいです。

なんとなく就職ランキングで上位だから、有名だから、という基準で選ぶのは得策ではありません。

・その会社の商品やサービスの利益率が高い
・財務的に安定している
・数年間業績が拡大し続けている
・その会社の商品やサービスが、陳腐化しにくいかどうか
・競合が参入しにくいかどうか

そういった基準で就職先の分析をしたほうがよいです。

他社と差別化できない会社はブラック化する

一番大事なのは、「その会社の製品・サービスに強みがあり、他社と差別化できているのかどうか」です。

そういうことができている会社は利益率が高くなります。利益率が高くなれば、自然と財務的に安定します。

他社と差別化できていない会社はその逆です。利益率も低く、財務的にも脆弱です。そういう会社で働くと、給料水準が低くなるのは避けられません。そして、差別化ができないので「誰でもできる仕事」をあなたもすることになります。つまり、飛び込み営業とか、電話営業とかです。

そういう仕事に高い学歴は求められません。求められるのは、上の命令を素直に聞く体育会系になるわけです。そして、「とにかく営業しろ!」「数字を出せ!」というブラックな職場環境になってしまいます。

そういうところで働きたくないのであれば、きちんとその会社を調べましょう。そのスキルは就職だけでなく仕事でも投資でも役に立ちますから。

もし、あなたが就職先に選ぼうとしている会社が上場企業でないなら、その会社の採用担当に

「御社の貸借対照表と損益計算書を過去3年間分見せていただけませんか」

と言ってみてください。

それを拒否するようなら、そのような会社には就職しないほうがいいでしょう。自信がある会社なら、普通に見せてくれると思います。

できることをする

昔だったら、会社なんてどこでもいいから入ってしまい、それから頑張ればよかったんです。経済成長の波に乗っていましたから、どの会社も伸びたんです。頭を使う必要なんてなかったんです。長時間労働をすれば、その分だけ成果も出たわけです。

でも、もうそういう時代ではありません。伸び続ける会社とそうでない会社とにさらに今後二極化していきます。

そして、伸び続ける会社は、数字にきちんと結果が出ます。ダメな会社も同様にダメな数字がきちんと出ます。

もちろん全てが数字だけで分かるわけではありません。

でも、学生にできることは対外的に公表されている数字をきちんと調べることしかありません。それ以外のことは、入ってみないとわからないのです。

分からないことは分からないと認め、調べられる範囲は調べる努力を惜しまない。それができる人は、仕事もきっとできると思います。

そういうことをしないで適当に就職先を選んで、そこがブラック企業だったと気が付いても後の祭りです。

せっかくの新卒切符は大事に使いましょう!

最後までお読みいただきありがとうございます。

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