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【書評】ショーペンハウアー『幸福について』を読む。優れた人間ほど社交的でないのが当たり前!

ロッシーです。

人間関係に苦手意識をもつ方は必読の書。

それが、ショーペンハウアー『幸福について』です。

「飲み会がとても苦手」

「パーティーや懇親会で話をすることができない」

「立食パーティーではひたすら食べることしかできない」

「自分は対人関係に何か問題があるんじゃないか?」

「友人が全然いない」

「私はコミュ障かも」

あなたはそういう人ですか?

だとしたら、本書をすぐに読んだほうがいいでしょう。すぐに本屋にダッシュするか、アマゾンでポチりましょう。


コミュ力が低い人は、こう考えがちです。

「いいんだよ。私は私。ありのままの自分でいこう。」

しかし、いくらそのように自分に言い聞かせても、本音ではコミュ力の強い人がうらやましかったりしませんか?


著者のハウアー先生もおそらく社交的ではなかったのでしょう。

それがコンプレックスになっていたのかどうかは分かりませんが、

この本では、

「優れた人間ほど社交的でないのが当たり前なのだ」

ということを、これでもか!というくらいに語ってくれます。

社交的な人間は「俗物」であるとして、ディスりまくりです。

「ハウアー先生、その冷徹な頭脳をそんなことの論説に使わなくてもいいんじゃないでしょうか・・・?」

と思うくらいです。

ハウアー先生は、そういうパリピな人間どもが心の底から大嫌いだったんでしょうね。

社交的じゃない人は、ぜひ本書をしっかりと読んで溜飲を下げてください。そして、

「社交的な奴は劣っているから社交的なんだよ。」

と心の中でマウンティングしてください。そのための大いなる味方にこの本はなってくれるでしょう。

もちろん、こういうのは褒められたやり方ではないかもしれませんが、いいのです。自分のメンタルヘルスを保つためであれば、そういうやりかたも全然アリです。

せっかくドイツの大哲学者がバックアップしてくれるんですから、大いに活用しましょう。遠慮することはありません。

詳細は、買って読んで欲しいのですが、ちょっと以下引用してみます。

「それどころか偉大なる知者は孤独を選ぶだろう。というのも、その人自身に常にそなわっているものが多ければ多いほど、外部のものをますます必要としなくなり、他社はますます重きをなさなくなるからである。それゆえ卓越した精神の持ち主は非社交的になる。」

なるほど、この記事を読んでいるあなたがもしも非社交的だとすれば、それは、あなたが卓越した精神の持ち主だからだということです。

「精神が貧弱で、総じて卑俗であればあるほど、群れたがることがわかる。」

俗物にとって真の楽しみは、官能的な楽しみだけだ。これで埋め合わせをする。したがって牡蠣とシャンパンが人生のクライマックスであり、肉体の幸せに寄与するすべてを手に入れることが、人生の目的となる。俗物はこれで大忙しなら、充分幸せなのだ!」

なるほど。だから俗物ほど群れて飲み会をしたがるというわけですね。納得。

「およそ人づき合いなるものは、まず第一に、必然的に互いに同調し節度を守ることを要求する。したがって、その範囲が広ければ広いほど、味気ないものになる。だれもが完全に「自分自身である」ことが許されるのは、独りでいるときだけだ。自由でいられるのは独りでいるときだけなのだから、およそ孤独を愛さない人は、自由をも愛さない人なのだろう。」

う~ん、これも分かります。

「凡人の集いで好かれるためには、平凡で偏狭な人間であることが必要不可欠なのだ。だからこうした集いでは、他の連中と似たり寄ったりの人間になるために、著しく自己を否定し、おのれの四分の三を捨てねばならない。その代わり、そうすれば他の人たちのお仲間になれる。」

そうですね。確かに何かの集まりに参加したら、自分を捨てないとやってられませんね。

「人間が社交的になるのは、孤独に耐えられないからであり、孤独のなかの自分自身に耐えられないからだ。内面の空疎さと倦怠が社交や異郷、旅へと駆り立てる。そういう人の精神には、みずから運動を付与する弾力性が欠けている。だからワインを飲んでその力を高めようとし、こうして大酒飲みになる者は多い。」

自分自身が充実していれば、外部の力を借りて充足させる必要がありません。でも、そうではない俗物は、他人の力を借りないと発電できないわけです。

人の社交性はその人がもつ知性の価値とほぼ反比例する。「きわめて非社交的な人」というだけでもう、おおよそ「優れた特性の持ち主」ということになる。」

非社交的な人は、優れた特性の持ち主だということです!

非社交的なあなた、おめでとうございます!(拍手)


さて、こういう風に読んでみると、暴論とはいえませんよね。結構的を射た内容なのではないでしょうか?

もちろん、社交的な方からは様々な反論が予想されますが、そんなものは俗物のたわごととして無視しておきましょう。

もしも不安になったら、またこの本を読んで自信をつければOKです。

非社交的な人達に幸あれ!

最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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