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ゆっくり読みたい自分用マガジン

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2023年9月の記事一覧

『鬼の孫』~木目角弥栄・序章~①

頭書

ふざけるつもりは毛頭ございませんので、このお話、行けるところまで書かせて(描かせて?)くださいますように。

◎ タイトル

『鬼の孫』~木目角弥栄・序章~

◎ 本を調べる手

   手は弥栄(主人公)のもの。
   鬼に関する冊子、文献等、
   様々にあさっている。
   スマホやPCでも検索している。

弥栄独白「“鬼の孫”について検索して
 みたが、出てくるのは
 ぬらりひょ△の

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【あらすじ】anoyoで恋して。

【あらすじ】anoyoで恋して。

ゴートゥザヘルって継父をののしったその日、ヘルにおちてしまったのはあたしのほうだった。そこは「anoyo」とも呼ばれていたし「あなわー」とも呼ばれていた。ひとは死んでから恋をしたくなるものらしい。あたしはここでパルクールしていた通称ランくんに恋をした。一度だけシャバで出会ったことのあるラン君がそこにいた。ここでは誰かが何かを思い出す時、記憶を語りたい人の頭のなかに映像が浮かぶ。聞いている人は映画見

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怨霊大戦 第1話

怨霊大戦 第1話

 しめり気をはらんだ夜の大気が、龍骸寺の境内をしっとりとつつみこんでいた。
 月明かりが古びた石畳に銀色の光をさしかけ、寺塔を使って不穏なシルエットを描き出している。
 山あいから吹き下ろす風が、うなりのような叫びのような、さびた音色を運んできた。
 境内には、先ほどからはりつめた空気がただよっている。
 戦いの予兆が目に見えぬ形をとり、夜の闇にまぎれてこっそりと忍びよってきたかのようだった。
 

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トムリくんとキムリくん|#ウミネコ文庫応募

トムリくんとキムリくん|#ウミネコ文庫応募

まんまる森に住んでいるトムリくんとキムリくんのお話をするね。

まんまる森は、さんかく山の近くにあるんだけれど、さんかく山がどこにあるか知っている?きっと、みんな知らないよね。海のずーっと向こうの、しかく島にそびえているんだけれど、気まぐれな風がフーッとさんかく山をとうめいにしているから、だれも気がつかないかも。まんまる森も見えなくなっています。

でもね、そんなまんまる森に、トムリくんとキムリく

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スティグマ・ブルー あらすじ

スティグマ・ブルー あらすじ

「月に移住する」
 ラク―ラナ連邦の皇尊が群衆にそう告げてから、ミカエルは奔走する事になる。彼は皇尊の遺伝子をベースに造られた人造人間で、スティグマータと呼ばれる能力者。太子という立場ではあるが、皇位継承権の順位は同じ日に生まれたアリエル皇太女の方が高い。
 大災禍の預言によって人類滅亡の危機を大衆に煽り、月に基地を建設する正当な理由を得た皇族達だった。しかし、一人の女がヨ―修道院自治区に現れ、事

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アルトラ(2023週刊少年マガジン原作大賞[企画書部門]ボツ)

アルトラ(2023週刊少年マガジン原作大賞[企画書部門]ボツ)

【キャッチコピー】
冴えない少年の父親は伝説の死刑囚だった。“影の政府”との暗闘を描くSFスパイ・アクション

【あらすじ】
 憲政史上ただ一人、刑法第77条・内乱罪が適用された死刑囚、伝説のテロリスト・禊授太郎の脱獄が、冴えない高校生ミコトの人生を一変させた。
 母親は、彼こそがミコトの父であると告げ、“パートのおばさん”の仮面を脱ぎ捨てて、武装する。
 憧れの美少女・菜々。その正体は政府の情報

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【あらすじ】トリスの方舟

【あらすじ】トリスの方舟

 自分が産み出したキャラクターに、何とか賞を獲らせたいと思うことはないだろうか。
 いつまでも終わらないマンガの作者も、きっとそんな気持ちで描き続けるのではないだろうか。
 私のメインキャラクターの栗栖川トリスにも、そんな想いでこれからも書き続けたい。

 例え賞は獲れなくても、作者としてはそんな努力を続けていたい。

 有栖川有栖先生が、『衝撃のラスト』と言うまで、この小説を書き続けたい。

 

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ミズ・ミステリオーザ -ふくらはぎの刻印- プロローグ

ミズ・ミステリオーザ -ふくらはぎの刻印- プロローグ

プロローグ・ポチ、悪い子だ

 エメラルドグリーンのワンピースの裾が、息が弾むのに合わせて揺れる。地下鉄の出口、軽快に階段を駆けあがろうとしたけれど、一昨日、退院したばかりの身には少々無理があったようだ。一旦止まって、日の光が射しこんでくる方を見上げると、春霞のかかった空を背景に高層ビルが屹立している。
 階段を上りきった斜め向かいが、お目当てのオープンテラスカフェだ。若竹翠は、日当たりの良さそう

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【漫画原作】「Q」第一話(「週刊少年マガジン原作大賞」応募作品)

【漫画原作】「Q」第一話(「週刊少年マガジン原作大賞」応募作品)

【第一話】

(プロローグ)

 この国には、八百万の神が住んでいる。
 
 神たちはどこから生まれ、いつ人の前から姿を消してしまったのか。
 今となっては知る由もない。

 だが、実はその姿は見えないだけで、今もどこかで、新たな存在が生まれようとしている。のかもしれない──。

 

1. 啓太の家

 今朝もいい天気だ。
 啓太は朝五時に目を覚ますと、いつものように仏壇に手を合わせてから掃除を

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【#週刊少年マガジン原作大賞】骨皮筋衛門と蚊ーニバル:第1話

【#週刊少年マガジン原作大賞】骨皮筋衛門と蚊ーニバル:第1話

今年は猛暑日が続いたせいで蚊の活動が少ないため、刺される人は少ないのだが……現在、それとは異なる蚊が街に不安をもたらしている。

「寒天を「蚊んてん」にしてくださぁぁぁい!」
「手持ちのカードを「蚊ード」にしてくださぁぁぁい!」
「文化祭を「文蚊祭」にしてくださぁぁぁい!」

全身を黒服に身を包み、手に光るものを持った怪しい人々が騒ぎを起こしている、そう報告があったのは、秋の気配がほのかに感じ始め

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夜更かしの人

夜更かしの人

短編小説【NEMURENU Ver.】

◇◇◇

 夜の繁華街を独りで歩いていると、君はいつも旅人にでもなったような気分になるのだが、もちろんそんなことを誰かに話したことはない。

 交差点は信号待ちで渋滞する車とクリスマスに賑わう人々で溢れかえり、見上げれば建ち並ぶビルとネオンの煌びやかな照明が、墨のような師走の空に屹立している。上空には寒気が渡り、当然星は欠片も見えない。

 しかし、暗幕の

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