財布を持たずに電車に乗った女

おなかすいた。もう昼過ぎだしね。買おう、パンを。ランチパック食べたくなっちゃった。やっぱ耳がないのいいよね、なんか顎の力を使わなくても食べられるし、その割にちゃんとご飯食べた感じがあるっていうか。何味にしよっかな――やっぱ安定のピーナッツ? ああでもブルーベリージャムも捨てがたいな。最近目がちょっと悪くなっちゃったんだよね。いいや、それにしよう。――私は自動ドアに近づき、扉を開けた。ファミリーマー

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最後まで読むと仕掛けがわかる文章3

ああ……なんとかやり過ごせた、鉄球から。

道をもうスピードで転がってきたのでもうダメかと思ったら、間一髪、真横に空洞があって、サッカーのゴールキーパーよろしくトゥああ~っとジャアアンプしたのだ。そこは誰かさん家の駐車場だった。もしシャッターが閉じていたら、閉店ガラガラしてたら今ごろ鉄球の下敷きだ。何でもないスペースがこんなに大事だとは思わなかった。駐車場ぉぉ~ありがとぉぉ。おれは感謝のしるしにチ

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ホントありがとうございます!
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もんてすきゅっと㉒

時刻は午後四時を回っていた。秋の四時は薄赤い。空を見上げれば、東の山の端は既に夕焼けを迎えている。爽やかな潮風を肌に感じながら、私たちは海沿いの歩道を歩いていた。相模湾の海岸線は歩道が広く確保されていて、散歩にはうってつけである。しかし――私たちは一体どこへ向かって歩いているのだろう。ただひたすらバカみたいに西に――鎌倉駅からは遠ざかって――歩いているが、一向に自分のしたいことが何なのか分からない

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飲み会にお金を払いたくなさすぎてやばい

人生は後悔の連続である――誰が初めに言ったのかは知らないが、この格言はもはや金言である。後悔しかしない。マジで、やっちゃった後に、あ――って小声で叫ぶ。
 大声じゃない、大声で叫んでもどうにもならないということを知っているからだ。どうにもならないと知っていることをあえてやろうとすることほど傷つくことはない。フラれるのが分かってて告白してみよう――みたいな。だから――慎ましく、心の中で叫ぶ。心の中で

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長く生きることと、短く幸せの絶頂で死ぬこと

承認欲求に縛られそうな私を一度破壊するため、とんでもないことを記事にする。快楽主義者の尖った思考です、物申したい。

「個人の幸せ」についてです。

中毒とか依存症というパワーワードが嫌いだ。
その何がいけないのか分からない。

覚◯剤で他者へ危害を加えるような迷惑をかけるなら分かる。
しかしシラフで危害を加えるような人はいるのも事実。
そこに差別的な差がある違和感をあなたは感じませんか?
私はや

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あなたの記事も覗きに行きますね〜w
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カーペット・ラプソディ

カーペットの縫い目の隙間に、髪の毛が挟まっているのを咲は見た。昼間にもかかわらず、彼女は寝そべって、何することもなくただ目の前にあるものをじっと観察していたのだった。カーペットの隙間は生活臭の楽園である。灰色の小さな鉱物の砂粒や、洋服からほつれて落ちた毛玉、ポテトチップスの黄色い欠片やノリが、所狭しと挟まっている。ハァ――と咲はため息をついた。この前掃除機をかけたばかりなのに、なるほど、パニック物

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小説を書くにはどうしたらいいのか

エッセイはしばらくもう書かないとか書きましたが、絶賛スランプ中で、なにをどうしたらいいのか分かんなくなってきたので、いったん頭の中を整理するためにも、やっぱりエッセイを書くことにしました。
 マジで無理。ありえんくらい書けない。ということで、題して「小説を書くにはどうしたらいいのか」というわけです。今から、小説を書くことを趣味とする一個体の生物の悩みを、ここに書き連ねていきたいと思います。

 そ

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「」に入れるとはどういうことか?

そもそも、このよく使う「」に入れるとは一体どういうことなのか? を私なりにちょっとまとめてみようと思って。
先に言っておけば、この「」(カギ括弧)は色んな多義性を含んでいるので、ひとことでこう!とまとめることはできません。本当、この「」がでてきたらいちいち文脈を読まなきゃいけない。受験国語で出てきたら、めっちゃ大変なやつ。

まず簡単に述べられる奴から説明していこうと思う。一つは強調。
このスタン

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何かを言いたくって書いてるをやめたい

先日、マジで酷い小説を目撃しちゃって、その鬱憤が僕の中で蠢いているんで、もうちょっとこれ書かなきゃなって思って。もちろん、どの小説かは言いません。特定の人を誹謗中傷することになってしまうので……。
ちなみに「いいね」も「フォロー」も「ブックマーク」も何もしていないので遡れないかと思います……!

基本的に人は文章を書くとき、「何か伝えたいことがあって書いている」というのが大半だと思います。
ていう

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もんてすキュッと!⑳

――私はドアをノックした。
「ごめんなさい! うちのサリが迷惑なことを言ったみたいで」
「え!?」サリが突然驚いたような声を上げた。「待って? 今これ場面どこから始まってる?」
 ――ウヴォエ! ゲロベチャァ愚ジョォ?
「は?」
 三十羽の鶏の首が一気に絞められたような音を背後に感じて急いで振り向くと、田中さんが何かを口から吐き出しているところだった。無数のボタンの飛び出た――恐らくタイプライター

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