塩見直紀(Local AtoZ Maker/半農半X研究所/総務省地域力創造アドバイザー/美術博士)

著書⇒半農半Xという生き方【決定版】他 /近著⇒『塩見直紀の京都発コンセプト88~半農…

塩見直紀(Local AtoZ Maker/半農半X研究所/総務省地域力創造アドバイザー/美術博士)

著書⇒半農半Xという生き方【決定版】他 /近著⇒『塩見直紀の京都発コンセプト88~半農半Xから1人1研究所まで』(2023.3)『半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ』(2023.6)/●noteコンセプト⇒みんなが持つ宝物系メモやcardの交換、社会資源化の模索

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siomemo657「半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ」

2023年6月26日頃より、書店に拙著が並びます。AtoZマニアが書いた初めてのAtoZ本です。10年ほど前より、古典的編集手法AtoZにひかれてきました。本書は「これからのキーワード」をAtoZで26、抽出したものです。 タイトルは『半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ』、版元は農文協です。現代農業増刊号『青年帰農~若者たちの新しい生きかた』(2002)で甲斐良治編集長から原稿依頼があり、初めて6000字ほどで半農半Xを詳述させていただいて20年。思いがけないこ

    • siomemo967 「ウィリアム・モリスのマルクス主義~アーツ&クラフツ運動を支えた思想」

      「コンステレーション」というキーワードで本検索→「宮沢賢治のコンステレーション」という賢治論が掲載の岩手大学宮澤賢治センター編『賢治学【第2輯】特集 盛岡と賢治の思い出』(2015)という本に巡り会い。→この本のなかに、大内秀明さんの「ウィリアム・モリスから宮沢賢治へ」という気になる賢治論あり。大内さんには『賢治とモリスの環境芸術~芸術をもてあの灰色の労働を燃せ』(2007)や『ウィリアム・モリスのマルクス主義~アーツ&クラフツ運動の源流』(2012)など気になる本あり。とい

      • for serendipity987「教育の根本は霊性の開発」

        若松英輔さんの『内村鑑三~悲しみの使徒』(2018)より。 内村鑑三は札幌農学校で学んで国内で水産の研究等をおこなったのち、渡米。アマスト大学で学ぶ前の1884~1885年、エルウィンにあるペンシルヴァニア知的障碍児養護院で働いたといいます。そのときの学びから教育の本質について、内村鑑三は「流竄録(りゅうざんろく)」に以下のことを書き遺しています。  教育の精神とは、真実と耐忍と勉励とをもって体中に秘蔵せられ居る心霊を開発するにあり、教育の目的必ずしも学生に衣食の道を授く

        • siomemo966「内村鑑三~悲しみの使徒」

          清水書院センチュリーブックス「人と思想」シリーズの『内村鑑三』(関根正雄、1967)→鈴木範久先生の『内村鑑三』(1984)を読み終え、若松英輔さんの『内村鑑三~悲しみの使徒』(2018)を拝読。若松さんは序章で「内村鑑三の思想における今日性と、可能であるならその永遠性をかいま見たいと願っている」と書かれています。今日性と永遠性。わが思いも同じです。

        マガジン

        • コンセプトに関するお宝系のことば(塩見直紀選)
          87本
        • 塩見直紀の試行100(コンセプトなど)バックナンバー②
          50本
        • 塩見直紀の「noteでワークショップ」バックナンバー
          20本
        • 僕をインスパイアし続けることば集(塩見直紀選)
          20本
        • 塩見直紀の試行100(コンセプトなど)バックナンバー①
          50本
        • 塩見直紀インタビューアーカイブ集
          9本

        記事

          for serendipity986「武士道にキリスト教を接ぎ木する」

          若松英輔さんの『内村鑑三~悲しみの使徒』(2018)より。 キリスト教が大きな影響力をもった欧米において、その真髄は「亡びつつある」というのが内村の実感だった。一方、「武士道そのものに日本国を救う能力はない」、だか「武士道の台木に基督教を接いだもの、そのものは世界最善の産物であって、これに日本国のみならず全世界を救うの能力がある」(10p) 「武士道にキリスト教を接ぎ木する」という発想に学びつつ、僕(塩見直紀)なら、何と何の接ぎ木がいいかと構想するか。

          ★noteでワークショップ139「○○を強みに」

          自分の「ミッション」「X(エックス)」を見つめたり、確認したり、新たな切り口やインスピレーションと出会うきっかけづくりのために、noteでワークショップができないか。そんな小さな試みを週1でおこなっています。 今週は天畠大輔さんの『〈弱さ〉を〈強み〉に~突然複数の障がいをもった僕ができること』という本からの発想です。人それぞれが有する「弱み」を「強み」に変え、よい世にできないか。あなたはどんなことを強みに変えていきますか?自由な発想で、3案ほど考え、マイベストを選んでみてく

          siomemo965 「技法以前~べてるの家のつくりかた」

          「当事者研究」「一人一研究」の観点から、第2次べてるマイブーム。2024年、何冊か読んできましたが、医学書院「ケアをひらく」シリーズに未読本(2009)がありました。著者・向谷地生良さんの(取り戻すべきは)「技法以前」にあるのではないか、ということばで思い出した本があります。それは『宗教以前』(高取正男+橋本峰雄、NHKブックス、1968)という本です。「○○以前」。そこにヒント、いろいろあるかもです。

          for serendipity985「いくら辞書を丸暗記しても、語彙の数は有限です」

          歌人・永田和宏さんの『NHK短歌 新版 作歌のヒント』(2015)、「第4章 作歌のレトリック」の「ヒント18 比喩はブーメラン」より(176p)。  いくら辞書を丸暗記しても、語彙の数は有限です。ある場で、ある景に出くわし、それにいわゆる感動と呼ばれる、ある複雑な感情の動きを経験したとして、そのまことに複雑な心の動きを、たかが有限のことばの組み合わせで十全に表現できるはずがない。有限のことばをもってしては、思いの無限の複雑さに対応することは本質的に不可能なのです。しかし、

          for serendipity985「いくら辞書を丸暗記しても、語彙の数は有限です」

          siomemo964「短章集 蝶のめいてい/流れる髪」

          若松英輔さんの『詩と出会う 詩と生きる』(2019)で出会った詩人・永瀬清子さん(1906ー1995)の『短章集 蝶のめいてい/流れる髪』(2007)。1945年、岡山に帰郷され、(したことのない)農業のかたわら詩作をおこなわれてきた永瀬さんに共感多し。「短章」とは永瀬さんが名づけたという「詩とも散文とも分類し得ない文章」。「断章」を愛したロラン・バルト。「短章」というスタイルの永瀬清子。いまも僕たちをインスパイアしてくれます。

          for serendipity984「きわめて豊饒、きわめて単純」

          詩人・永瀬清子さんの『短章集 蝶のめいてい/流れる髪』(2007)の「きわめて豊饒、きわめて単純」より(66p)。 きわめて豊饒、きわめて単純  全焼した家の焼跡からタゴールの詩集を拾ってきた。それにはイエーツが序文を書いていて、タゴールをほめて曰く  「きわめて豊饒きわめて単純」  これはいい、私だからいい。  無茶苦茶に悲しく考える私だから。このおくりものこの時ゆえに二人の詩人におん礼申す。(66p)  「きわめて豊饒きわめて単純」なnoteや本を僕(塩見直紀)もめ

          siomemo963 「詩と死をむすぶもの~詩人と医師の往復書簡」

          谷川俊太郎と山田馨さんの対話集『ぼくはこうやつて詩を書いてきた~谷川俊太郎、詩と人生を語る』(2010)を読む中で出会うことになったのが、「宅老所 よりあい」の村瀬孝生さんの『シンクロと自由』(2022)と「野の花診療所」の徳永進さんのこの本(2008)です。この2冊から感じたのが僕たちの未来が書かれているということでした。

          for serendipity983「誰にとっても鍵盤はこの数しかないよ」

          作家、文化人類学者・上橋菜穂子さんの『物語ること、生きること』(2013)で紹介されている村上春樹さんから聞いたジャズピアニストのことば(はじめにより 14p)。  ・・・物語をどうやって組み立てるのか、そういう「物語の方程式」を教えることは簡単です。でも方程式どおりに組み立てた作品は、だいたいがありがちの展開、ありきたりの物語に堕ちてしまいます。プロの作家は、反対に、お決まりの方程式をいかに外すかを必死で考えているものです。  ありとあらゆる物語がすでに書きつくされてしま

          siomemo962 「物語ること、生きること」

          「どうやったら作家になれますか?」「『獣の奏者』や『精霊の守り人』みたいな話は、どうやって生まれてくるんですか?」。子どもたちによくされる質問に答えていくためには、自分の人生を語る自伝的な本(2013)が大事なのだと拝読して感じました。アボリジニの研究をすることになった上橋菜穂子さんの研究人生物語も興味深いです。

          for serendipity982「物語は私そのものですから」

          作家、文化人類学者・上橋菜穂子さんが、生まれてから作家になるまでを語った本『物語ること、生きること』(2013)より。 「どうやったら作家になれますか」「『獣の奏者』や『精霊の守り人』みたいな話は、どうやって生まれてくるんですか」というご質問に、本当に意味のあるお答えをするためには、その物語を書くまでの私がたどってきた道程をすべて、お伝えしなければなりません。物語は私そのものですから。(「作家になりたい子どもたちへ」より)

          siomemo961「アナキズム入門」

          『もう革命しかないもんね』(2021)という刺激的なタイトルにひかれ、里山に移住した哲学者・アナキスト森元斎さんの本を2023年拝読。その森さんがプルードン、バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マフノについて書かれた『アナキズム入門』(2017)というのがあったので拝読。今年、評伝を読んだクロポトキンは別格として、ルクリュにひかれるのは、石川三四郎と関係があるからでしょうか。

          for serendipity981「ジョゼフ・ドロルムの生涯と詩と想念」

          詩人・佐々木幹郎さんの『中原中也~沈黙の音楽』(2017)に紹介されていた中也の印象的な逸話より。中原中也は思いがけなく、30歳の若さで病気で帰天します。死んでしまうとも知らない1か月前、友人・小林秀雄のもとを訪ね、「いつか本になれば」と詩集『在りし日の歌』の原稿を託します。「自分が持っているよりいいだろう」と。そのころ、中也はフランス語の勉強をしていて、ひかれる仏文をノートに練習筆記していました。そのなか、サント・ブーヴの『ジョゼフ・ドロルムの生涯と詩と想念』があったそうで