塩見直紀(Local AtoZ Maker/半農半X研究所/総務省地域力創造アドバイザー/美術博士)

著書⇒半農半Xという生き方【決定版】(ちくま文庫)他 /近著⇒『塩見直紀の京都発コンセ…

塩見直紀(Local AtoZ Maker/半農半X研究所/総務省地域力創造アドバイザー/美術博士)

著書⇒半農半Xという生き方【決定版】(ちくま文庫)他 /近著⇒『塩見直紀の京都発コンセプト88~半農半Xから1人1研究所まで』(2023)『半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ』(2023)/●noteコンセプト⇒みんなが持つ宝物系メモやcardの交換、社会資源化の模索

記事一覧

固定された記事

siomemo657「半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ」

2023年6月26日頃より、書店に拙著が並びます。AtoZマニアが書いた初めてのAtoZ本です。10年ほど前より、古典的編集手法AtoZにひかれてきました。本書は「これからのキーワ…

for serendipity1076 「知性は、問いに触れることで活性化するのです」

内田樹さんの『勇気論』(2024)より。「問いに触れることで活性化する」ことって、この世にいろいろありそうです。

siomemo1056 「勇気論」

「いまの日本人に一番足りないものは何ですか?」と訊かれて、とっさに「勇気じゃないかな」と答えた内田樹さん。それに反応した編集者さんとの書簡のやりとりから『勇気論…

for serendipity1075 「清少納言は分類しない」

木原善彦さんの『実験する小説たち-物語るとは別の仕方で』(2017)で紹介されていたフランスの作家ジョルジュ・ぺレックに関心を持ち、出会った本『考える/分類する〈日…

siomemo1055 「つながりの作法-同じでもなく 違うでもなく」

北海道「浦河べてるの家」の「当事者研究」に関する本を読んでみようと思って、2024年のはじめ、手に取ったら、以前より気になっていた「一人一研究」のことが書かれていて…

for serendipity1074 「東京は熱病にかかっている」

石牟礼道子さんの『最後の人 詩人 高群逸枝』(2012)より。僕は大学時代、国史学科で学んだのですが、高群逸枝さん(1894ー1964)は『招婿婚の研究』などの著者、女性史学…

siomemo1054 「留岡幸助と自立支援」

玉川大学出版部の「日本の伝記 知のパイオニア」(全12巻)シリーズ『宮本常一と民俗学』(2021)に出会い、拝読。シリーズの人選にも関心ありで『柳宗悦と美』(2022)、…

for serendipity1073 「自分より若い才能を見つけること」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。 「編集する側の視点に立つ場合、『郷土研究』には限らず、広く運動としてひとつの雑誌を刊行する際、眼目になる…

siomemo1053「ユーモアの鎖国」

2024年5月、下関でおこなわれた「赤レンガ古本市」に人生初出店(屋号は「これからの生き方AtoZ書店」)。1冊でも出店者さんの本が減る応援、できたらと思って、お店を見て…

for serendipity1072 「ノイズまみれの自己像こそ大事」

筑波大学教授・土井隆義さんの「子どもたちの「キャラ化」は何を意味するのか?」より。 ネットではそぎ落とされがちなノイズや無駄とも思えるものの中にこそ、私たちの単…

siomemo1052「ヤバすぎる!偉人の勉強やり方図鑑」

「与謝野晶子」で検索したら、伝記作家、偉人研究家、名言収集家である真山知幸さんの本(2024)と出会うことができました。100人の偉人の「ヤバイ勉強のやり方」に着目し…

for serendipity1071 「いよいよ働かなければならぬ世になりぬ」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。1945年(昭和20)8月11日、切迫する戦況を聞き、終戦が間近に迫っていることを知ったようで、自身の日記に「いよ…

siomemo1051「あとがきはまだ 俵万智選歌集」

月に1冊以上は俳句、短歌、詩の本を。ことばの力をつけていくために。ことばの可能性を学んでいくために、というマイルールです。俵さんの第一歌集『サラダ記念日』は1987…

for serendipity1070 「民俗学研究所」

個人の小さな研究所に関心をもつようになり、研究所を研究する「研究所★研究所」というブログをやっていたことがあります(since2005.1)。もう20年前のことなのですね。 …

siomemo1050「武者小路實篤全集 第四巻」

「2024年の読書(研究)」の前半を振り返ってみて、思いがけない大きな展開が2つありました。①「一人一研究」→当事者研究の流れに出会ったこと。②武者小路実篤と「新し…

for serendipity1069 「日々の生活の中から生まれる思想とは、未完成でなくてはならない」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。 優れた一人の才能よりも、「平凡」「凡俗」が築き上げてきたものの価値を認めることは、それによってまとめられ…

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siomemo657「半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ」

2023年6月26日頃より、書店に拙著が並びます。AtoZマニアが書いた初めてのAtoZ本です。10年ほど前より、古典的編集手法AtoZにひかれてきました。本書は「これからのキーワード」をAtoZで26、抽出したものです。 タイトルは『半農半X的 これからの生き方キーワードAtoZ』、版元は農文協です。現代農業増刊号『青年帰農~若者たちの新しい生きかた』(2002)で甲斐良治編集長から原稿依頼があり、初めて6000字ほどで半農半Xを詳述させていただいて20年。思いがけないこ

for serendipity1076 「知性は、問いに触れることで活性化するのです」

内田樹さんの『勇気論』(2024)より。「問いに触れることで活性化する」ことって、この世にいろいろありそうです。

siomemo1056 「勇気論」

「いまの日本人に一番足りないものは何ですか?」と訊かれて、とっさに「勇気じゃないかな」と答えた内田樹さん。それに反応した編集者さんとの書簡のやりとりから『勇気論』(2024)が生まれる。「いまの日本人に一番足りないものは何ですか?」と問われたら、僕はなんて答えるだろう。

for serendipity1075 「清少納言は分類しない」

木原善彦さんの『実験する小説たち-物語るとは別の仕方で』(2017)で紹介されていたフランスの作家ジョルジュ・ぺレックに関心を持ち、出会った本『考える/分類する〈日常生活の社会学〉』(2000)。「思考の整理」に関心があるので、「分類」ということばがつくこの本に反応したのですね。ジョルジュ・ぺレックは日本文学にも関心をもっていたそうで、「清少納言は分類しない」とありました(127p)。「清少納言は分類しない」。そんな発想があるとは。そんな視点で読んでみるのもいいかも。 写真

siomemo1055 「つながりの作法-同じでもなく 違うでもなく」

北海道「浦河べてるの家」の「当事者研究」に関する本を読んでみようと思って、2024年のはじめ、手に取ったら、以前より気になっていた「一人一研究」のことが書かれていてびっくり。以来、べてるの家の2度目かのマイブームが今年来ています(2024年前半)。気になりつつ、未読だった『つながりの作法』(2010)を拝読。 ・「同じでもなく 違うでもなく」とは、すてきな表現。深いことば。何かヒントがありそう。 ・ひとはみな「何かの当事者」ではないか。そんなところから生まれる研究って、あ

for serendipity1074 「東京は熱病にかかっている」

石牟礼道子さんの『最後の人 詩人 高群逸枝』(2012)より。僕は大学時代、国史学科で学んだのですが、高群逸枝さん(1894ー1964)は『招婿婚の研究』などの著者、女性史学の研究者としては知っていたのですが、詩人であったと知ったのは最近のことです。アナキズムに出会い、女性史を研究するようになったことも。いま、とても気になる人。約100年前の詩集『東京は熱病にかかっている(かゝつてゐる)』(1925)、どんなことが書かれているのでしょう。

siomemo1054 「留岡幸助と自立支援」

玉川大学出版部の「日本の伝記 知のパイオニア」(全12巻)シリーズ『宮本常一と民俗学』(2021)に出会い、拝読。シリーズの人選にも関心ありで『柳宗悦と美』(2022)、『岡倉天心と思想』(2021)と刺激をいただき、次は日本の児童福祉の基礎をつくった社会事業家『留岡幸助と自立支援』(2022)が気になり、拝読したら、故郷・綾部とも縁がある方でありました。大人にも(大人にこそ)伝記がいりますね。

for serendipity1073 「自分より若い才能を見つけること」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。 「編集する側の視点に立つ場合、『郷土研究』には限らず、広く運動としてひとつの雑誌を刊行する際、眼目になるのは、自分より若い才能を見つけることである」(117p) 「自分より若い才能を見つけること」。そんな視点をもって新天地(下関に来てまる3年ですが)で生きるのもいいのかもって、思っています。すてきなことばを視点を鶴見さん、柳田さん、ありがとうございます。 ※写真は2024年7月8日のコンセプト系のスマホメモ(ス

siomemo1053「ユーモアの鎖国」

2024年5月、下関でおこなわれた「赤レンガ古本市」に人生初出店(屋号は「これからの生き方AtoZ書店」)。1冊でも出店者さんの本が減る応援、できたらと思って、お店を見ていたら、なんと5冊100円コーナーの棚から、詩人・石垣りんさんのエッセイ本(1973、1981、1987)を発見。帯には「ちくま文庫 創刊2周年」の文字あり。生活詩について、思いがけない刺激をいただきました。出店されていたおじさんに感謝です。

for serendipity1072 「ノイズまみれの自己像こそ大事」

筑波大学教授・土井隆義さんの「子どもたちの「キャラ化」は何を意味するのか?」より。 ネットではそぎ落とされがちなノイズや無駄とも思えるものの中にこそ、私たちの単独性や成長の基盤があることも自覚しておかなければならない。(中略)本当に心をときめかせたいのなら、見せ合う自己像はむしろノイズまみれの方がよい。新しい発見や意外な驚きのない人間関係などつまらない。ネットが普及した今日だからこそ、意図せざる関係の豊かさに気づくべきである。(『月刊保団連』2024年5月号、特集「子どもと

siomemo1052「ヤバすぎる!偉人の勉強やり方図鑑」

「与謝野晶子」で検索したら、伝記作家、偉人研究家、名言収集家である真山知幸さんの本(2024)と出会うことができました。100人の偉人の「ヤバイ勉強のやり方」に着目した本です。投獄されるごとに、何か1つの言語をマスターするという大杉栄さんの「一犯一語」は代表的なもの。切り口次第でいろんな本を編むことができることや人生100年時代の生き方など、たくさんの気づきをいただける本でありました。

for serendipity1071 「いよいよ働かなければならぬ世になりぬ」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。1945年(昭和20)8月11日、切迫する戦況を聞き、終戦が間近に迫っていることを知ったようで、自身の日記に「いよいよ働かなければならぬ世になりぬ」と記した。(263p) 第7章の冒頭のことば、メモしておきましょう。  占領期の数年間とは柳田が一人の保守主義者として力量を問われた時でもある。それは戦前戦中からの蓄積とともに、動揺することなく敗戦を見据え、これから民間において求められるもの、或いは何に警戒をすべきかにつ

siomemo1051「あとがきはまだ 俵万智選歌集」

月に1冊以上は俳句、短歌、詩の本を。ことばの力をつけていくために。ことばの可能性を学んでいくために、というマイルールです。俵さんの第一歌集『サラダ記念日』は1987年、作者24歳のときの出版だそうです。当時、僕は大学生だったのですね。何かの本で『サラダ記念日』は今も年2~3万部売れていると書かれていてびっくり。「俵万智さんの選歌集を作らないか」と作家・書評家の渡辺祐真さんに声がかかり、俵さんのこの選歌集(2024)が実現。渡邉さんの解説も興味深く。

for serendipity1070 「民俗学研究所」

個人の小さな研究所に関心をもつようになり、研究所を研究する「研究所★研究所」というブログをやっていたことがあります(since2005.1)。もう20年前のことなのですね。 最近、石牟礼道子さんの『最後の人 詩人 高群逸枝』(2012)を読んでいて、高群逸枝さんは世田谷の森の家=住居兼研究所を「女性史学研究所」と呼んでいたとありました。時期については、荒木優太さんによると「1947年(昭和22) 自宅を女性史研究所と呼称」とのことです。 同時期に読んでいた鶴見太郎さんの『

siomemo1050「武者小路實篤全集 第四巻」

「2024年の読書(研究)」の前半を振り返ってみて、思いがけない大きな展開が2つありました。①「一人一研究」→当事者研究の流れに出会ったこと。②武者小路実篤と「新しき村」からの学びです。 2024年は僕にとって、「新しき村と武者小路実篤元年」となりました。自分メモとして、流れを再度書いておきます。大正7年(1918)、武者小路実篤の提唱で宮崎県の山村に生まれた「新しき村」。「新しき村」に関する本は未読であったことから、書籍を検索してみると、武者小路実篤の研究者である大津山国

for serendipity1069 「日々の生活の中から生まれる思想とは、未完成でなくてはならない」

鶴見太郎さんの『柳田国男-感じたるまゝ』(2019)より。 優れた一人の才能よりも、「平凡」「凡俗」が築き上げてきたものの価値を認めることは、それによってまとめられる世界も、完成を目標とするものではない。その意味で、日々の生活の中から生まれる思想とは、未完成でなくてはならない。その視点から眺める時、柳田の思想、方法が「未完成」であることは必然といっていい。柳田国男の仕事とはむしろ、そのことによって多くの読者に影響を与え続けているといえるのではないか。(324p)。