マガジンのカバー画像

映画と社会

64
映画の感想や、映画をきっかけに感じたことを元に書いた記事をまとめているマガジンです。わたしが作品を選ぶ傾向として、社会とのつながりを模索するものが多いため、映画以外の社会系記事も…
運営しているクリエイター

記事一覧

#257 『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』 感想(ネタバレなし)

 『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:』を観ました。TVアニメを前後編の劇場用映画に再構成した、ヒットアニメによくあるパターンのやつですが、面白かったです。この手の映画化は尺が足りないことによる消化不良感がどうしても避けられないものですが、『ぼざろ』自体が割と余白のある作品であったことから、むしろテンポが良くなり観やすくなったのでは?という気さえします。

 本作はタイトル通り、主人公が「

もっとみる
#245 「あたしバカだからさぁ、」を考える

#245 「あたしバカだからさぁ、」を考える

 過去に出会った人で思い出せる限り、会話の中に「あたしバカだからさぁ、」というワードを使う人を三人知っています。三人とも、特にバカだとは思いません。むしろ無知を認めていることにより、率直な質問ができたり、行動で貢献しようという傾向があり、公私問わず輝いてると思います。ちなみに、思い浮かんだ三人とも女性です。おそらく男性はプライドもあり、そのような言い回しが癖になることが少ないのでしょう。

 知性

もっとみる

本日の映画『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:』TVアニメ総集編の前編な訳ですが、かなりコンパクトにまとまっていて観やすかったです。映画館の大音響が映えますね。面白かったです。

#239 映画 『マッドマックス:フュリオサ』 完璧すぎる怒りのデスロード前日譚(ネタバレなし)

#239 映画 『マッドマックス:フュリオサ』 完璧すぎる怒りのデスロード前日譚(ネタバレなし)

 今日は朝イチから『マッドマックス:フュリオサ』を観てきました。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚。本作の終わりは完璧な形で前作のはじめと繋がっているので、改めてフュリオサの物語として二本連続で鑑賞するというのもアリです。これから観るならむしろ、『フュリオサ』から観た方がいいんじゃないかなと思うくらいです。

 『怒りのデス・ロード』といえば、「男性社会において女性が奪われてきたものを

もっとみる
#234 『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 の…話…?(ネタバレなし)

#234 『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 の…話…?(ネタバレなし)

 いちおうわたしはムスリム(イスラム教徒)です。自由にゆるゆると信仰していますが、シャハーダ(信仰告白。入信ということです)をしたときに言われたことを思い出しました。「これまでの、あなたの罪は赦されます」と。

 事前に勉強はしていたので、そういう設定であることは知っていたのですが、実際にそう言われるとなんとも清々しい気分になり、これからは心機一転頑張ろうと思ったものです。まあ、「入信しても貴方は

もっとみる
#232 気分で書き散らす雑文

#232 気分で書き散らす雑文

 そういえば、平和というのは「戦争と戦争の間にある期間」のことだった。あいや、戦争はずっと続いているんだよ。そうだった。そうでなければ、こんなに世界が不条理であることの説明がつかないと思うことにしていたのだった。忘れかけていた。いけない。

 青森産りんごジュースよりも、アイスコーヒーの方が安いのはどうしてだろう?ジュースは果汁100パーセントだから?でも、コーヒー豆はどこから来たのよ?地球の裏側

もっとみる

本日の映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』やはり、今年を代表するアニメ映画の一つになるのではないでしょうか。とっても良かったです。原作漫画をいま半分くらい読んだところなので、感想は後日ねっとり書きます。前章もまだ公開しているので一気見もありですぞ!おすすめ

#221 続・何と戦っているんですか?

#221 続・何と戦っているんですか?

 以前の記事で、「戦時の生産力を測るための指標であるGDPを未だに追い求める行為が継続する理由は、世界大戦が形を変えて継続しているから」だと考えてみた。

 その後の記事で、「日本には、自国民に対して『働け!』と強く要求する、自国(政府)第一主義が存在する」ことを書いてみた。

 読み返してみると、この記事でわたしが言いたかったことはなんとなく、ジョージ・オーウェルが『一九八四年』で言ってたことに

もっとみる
#217 「働けないなら死ぬかもしれないよ」 という国、日本。

#217 「働けないなら死ぬかもしれないよ」 という国、日本。

 グローバリゼーションは止まらない。移動や通信の技術革新で世界はどんどん近くなる。文化の往来も、人の行き来が無くともYouTube上で行われる。これは不可逆な現象なのである。

 しかし、政治のトレンドとして未だ根強いのは「自国第一主義」だ。これは、トランプ大統領の登場以来、国民の愛国心に訴えかけたい政治家の共通語となった。どの国だって自国が第一なのは当然だろうと思いはするが、この語は既に「"大国

もっとみる
#215 鬱すぎてフォロー減らしてます。あとは禁煙とか腸内細菌とか肉食とかエコ不安な雑文。

#215 鬱すぎてフォロー減らしてます。あとは禁煙とか腸内細菌とか肉食とかエコ不安な雑文。

 やらないほどにプレッシャーが重くのしかかり、大きなストレスとして身体を蝕んでいく。わたしが抱えている、債務整理の手続きのことですね。

 弁護士さんにメールしました。不調続きで、まだ何にも準備できていませんって。契約の時に、「連絡が取れなくなると最悪の場合は契約解除になるので、鬱で何もできない時は必ず一報ください!」と言われていたので、一応ね。いきなりかよ!って思っただろうな(笑)

 でもだっ

もっとみる
#213 お金より偉いものがない!GDPによる支配が終わらない理由。

#213 お金より偉いものがない!GDPによる支配が終わらない理由。

 以前書いた記事(#207)で、世界がいまだにGDPで国力を測っているのは「なんとなく」ではなく、世界大戦が形を変えて継続中であるため、戦時の生産力を測る指標であるGDPを使うことが「妥当だから」なのではないかという想像をしてみた。

 昨今の企業活動は、年度の目標(売上額等のゴール)を定め、日々の活動をKPI(重要業績評価指標)に落とし込み「各部門がKPIを達成することが会社目標の達成につながる

もっとみる
#211 映画 『悪は存在しない』 字義通りに捉えるか、それとも狂気の文学か(少しネタバレあり)

#211 映画 『悪は存在しない』 字義通りに捉えるか、それとも狂気の文学か(少しネタバレあり)

 『ドライブ・マイ・カー』で第94回アカデミー賞(国際長編映画賞)を受賞し、若くして世界の注目を集める、濱口竜介監督の最新作。昨今の流行とは真逆のゆったりとした映像、長大な間と、文学的ともいえる会話劇。

 映画ファンに「邦画界に、商業より芸術を重視する明確な姿勢を持つ監督が現れた!」として認知された彼の新作を楽しみにしていた。

 ひたすらに美しい大自然の風景が何度も繰り返し映される。住民は自動

もっとみる
#208 紙幣廃止論

#208 紙幣廃止論

 自民党の裏金事件が尾を引いている。衆院補欠選挙は自民全敗。「政治とカネ」問題で失った信頼を回復できなかった、という話である。

 まあ正直、冷めた目で見ている。権力は必ず腐敗する。自民党は権力の座につきすぎたので、当分野党でよろしい。派閥を解体できないのなら、分裂して別々の党になるのがよろしかろうと思う。

 権力の腐敗は、それが誰かとか、どんな政党かということには関係なく、権力を持つからには避

もっとみる
#207 何と戦っているんですか?

#207 何と戦っているんですか?

 道ゆく人に聞いてみたい。「何と戦っているんですか?」「それはなぜですか?」「それにあなたは喜びを感じるのですか?」などと、ウッザいことを聞いてまわりたい。もちろんそれは迷惑行為だし、コミュ障のわたしにはネタでもできない。

 「は?別に何かと戦ってるとか、無いんだけど?」と仰るあなた。では、何故ギュウギュウ詰めの電車に乗ってまで、会社に急ぐのですか?到着が遅れたら、部隊が全滅したりするのでしょう

もっとみる