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人生で最高の2週間でした。

――寿司屋を経営していた40年間、家族との時間をあまり取らないほど仕事一筋だった伯井さん。その仕事にけりをつけた今抱く夢は、とにかく遊び、楽しむことだんったんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「元寿司職人がゲストハウスにお手伝いをしにきてくれた2週間」というテーマで話していこうと思います。


📚ゲストハウスのヘルパー

僕は今、木の家ゲストハウスのマネージャーとして仕事をしています。ゲストハウスは、旅館やホテルとは違い、リビングや寝室、トイレ、風呂、キッチンが共用で、他の宿泊者との交流が特長です。

木の家ゲストハウスは茨城県水戸市上水戸にあるゲストハウスで、1年前に宮田悠司さんがオープンしました。宮田さんは会社をやめて世界一周の旅に出かけたんですが、その経験から、出逢った人に恩返しができる場所をつくろうと思い、偶々空いていた実家をゲストハウスにリニューアルしたのです。

宮田さん

この1年を通してたくさんの人が宿泊しに来てくれることを確かめられた宮田さんは次々とゲストハウスをオープン。今では全部で7つの宿泊施設を運営しています。

それだけ拡大しているから人手も必要となってくるわけで、この4月から僕が運営にがっつり入ることになりました。

さらに、ヘルパーの募集も始めました。

ヘルパーは、宿泊代が無料になる代わりに、清掃などのお手伝いをしてもらう人のこと。ゲストハウスに興味のある人や、時間にゆとりがあって交流を楽しみたい人におすすめのプランです。

ヘルパーとして手を挙げてくれたのが、伯井さんという方でした。寿司屋を40年経営した後、現在はお手伝いをしながら日本全国を旅する「おてつたび」をしている人です。

去年に一度、木の家ゲストハウスにも宿泊してくださって、その縁で、ヘルパーとしてお手伝いをしてもらうことになったんです。期間は2週間。喉から手が出るほど清掃人材が必要なGWと重なりました。

ヘルパーを募ったとはいえ初めて募集するわけだし、伯井さんはどんな人なのか、ちゃんとお手伝いしてくれるのか、宮田さんは不安がっていました。しかし、それが杞憂に終わるほど、伯井さんはステキな方でした。「来てくれてよかったな」「また会いたいな」と思うくらい、充実した2週間だったんです。


📚元寿司職人が握る寿司

多忙だったGW期間の清掃も然ることながら、率先して草むしりや落ち葉掃除をしてくれたし、そして何より、元寿司職人の腕前を活かして、たくさんの料理を振る舞ってくれました。

伯井さんはゲストハウス、ではなく、近くのシェアハウス「はちとご」に泊まっていました。管理をするのは板谷隼さんという方なんですが、ここのオーナーも実は宮田さんです。

はちとごは住み開きという地域に家を開放する活動もしていることもあり、ドミトリールームや空き部屋に人が泊まることがあるんですね。GWの期間、木の家ゲストハウスは満室だったこともあり、伯井さんははちとごに泊まってもらうことにしたんです。

はちとごの日常

結果的にはそれが良い判断でして、伯井さんは毎日のようにはちとごの住人たちのために料理をつくってくれたんですよね。卵焼き、お好み焼き、タンドリーチキン……本当にどれもおいしかったです。

また、大々的に寿司パーティも開きました。木の家ゲストハウスを会場にして、たくさんの人を集めて開催しました。ちらし寿司も握り寿司も絶品で、40年という歴史を感じるほどの絶品でした。

他にも、元々予定していた木の家ゲストハウスのBBQパーティでは急遽伯井さんにちらし寿司をつくってもらいましたし、はちとごの管理人はやぶささんの誕生日には鯛飯をつくってくれました。

40年の歴史がつまった握り寿司
寿司パーティ
BBQパーティでちらし寿司
はやぶささんに鯛飯


📚人生で最高の2週間でした

僕はFMぱるるんのラジオ番組「Dream Dream Dream‼」のラジオパーソナリティーとしても活動しているんです。ゲストの方に「夢」について語ってもらう番組です。スマホ一台あればさくっと音源を録れるのでタイミングを見つけて収録しているんですが、せっかくの機会ですし、伯井さんの「夢」を聴かせてもらうことにしました。

伯井さんがラジオのなかで語ってくれたのは、「この10年、思いっきり遊ぶ」という夢でした。

寿司屋を経営していた40年間、家族との時間をあまり取らないほど仕事一筋だった伯井さん。その仕事にけりをつけた今抱く夢は、とにかく遊び、楽しむことだんったんです。だから今、伯井さんは旅をしている。ずっとやれなかったことを今、やっている。たくさんの人に会って、話を聴いて、料理をふるまって、笑顔をつくって、喜んでもらっている。思いっきり遊んで、人生を楽しんでいるんですよね。

はちとごを旅立つ伯井さん

伯井さんが旅立つ前日、宮田さんが「木の家ゲストハウスでのおてつたびはどうでしたか?」と訊ねたところ、伯井さんはこう答えました。

「過去一だった。人生で最高の2週間だった」

その言葉を聴いたとき、僕の胸にじんとくるものがありました。木の家ゲストハウスも、はちとごも、人生の思い出を更新するだけの力を秘めている場所である。そう確かめることができました。きっと宮田さんも、はやぶささんも似たような感覚のなかにいたんじゃないかな。

5月14日の朝、伯井さんは水戸を旅立ちました。これからは福島にある「GAMP HOUSE」というゲストハウスに行かれるとのことです。その後は、木曽のゴルフ場のあるリゾートホテルにお手伝いしにいくとのこと。

また落ち着いたら水戸に遊びにきてくれるとのことなので、その日を心待ちにしています。そのとき、また人生の思い出を更新できるように、よりよい場所を、場をつくっていこうと思いました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240514 横山黎

最後に木の家ゲストハウスの前で



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