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ゲームについての文章

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林與五右衛門(よごえむ)によるゲームについての文章をまとめたマガジンです。
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記事一覧

令和に購入できるイメージエポックタイトル(2024年版)

令和に購入できるイメージエポックタイトル(2024年版)

先日、ライターのカワチ氏主催のYouTubeチャンネル「カワチたちの夜」にて、ゲームメーカー「イメージエポック」について語る会に参加した。

イメージエポックは2005年に合資会社として設立し、翌年株式会社化。2000年代後半から2010年代中期にかけてさまざまなRPGを開発したが、2015年に破産した。

同社は2010年11月に行ったいわゆる「JRPG宣言」が語り草になっている。
「JRPG宣

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【しんでしまうとは なにごとだ!】『龍が如く8』を語るつもりで桐生一馬を語る。

【しんでしまうとは なにごとだ!】『龍が如く8』を語るつもりで桐生一馬を語る。

※ネタバレあり

『龍が如く8』は2024年1月26日にセガから発売されたゲームソフト。ジャンルは「ドラマティックRPG」。

本作は日本の繁華街を舞台に、ヤクザ映画のような世界観をゲームで表現し続けてきた「龍が如く」シリーズの最新作だ。『龍が如く6 命の詩。』までは伝説の元極道・桐生一馬を主人公としたアクションアドベンチャーとして製作され、続く『龍が如く7 光と闇の行方』からは主人公を春日一番に

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林與五右衛門(よごえむ)が2023年に執筆した記事ふりかえり

2023年にわたくし林與五右衛門(はやしよごえもん/よごえむ)が執筆した記事について、メディア掲載のもの、note・ブログに投稿したもの、あわせて振り返ってみます。

Game*Spark

『龍が如く7外伝 名を消した男』生キャバ嬢オーディション合格者発表を取材しました。これが私にとって初めてのメディア掲載記事となりました。

『Ghostwire: Tokyo』のアップデート「蜘蛛の糸」につい

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遠くにドンドコ太鼓の響き、近づく囃子、祭りがきたよワッショイショイ。出し惜しみなしのお祭りアクション『御伽活劇 豆狸のバケル~オラクル祭太郎の祭難~』

遠くにドンドコ太鼓の響き、近づく囃子、祭りがきたよワッショイショイ。出し惜しみなしのお祭りアクション『御伽活劇 豆狸のバケル~オラクル祭太郎の祭難~』

『御伽活劇 豆狸のバケル~オラクル祭太郎の祭難~』は2023年11月30日にグッド・フィールからリリースされたNintendo Switch用アクションゲーム。

お祭による日本征服を企むオラクル祭太郎の手によって一年中お祭騒ぎになってしまった日本を舞台に、タヌキの主人公・バケルが日本全国を巡り、“悪祭退散”を目指す。登場するステージは47都道府県。一寸法師、金太郎、浦島太郎、桃太郎といった日本の

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【ドリームキャスト25周年】人の世はいつの時代も世紀末 『July』

【ドリームキャスト25周年】人の世はいつの時代も世紀末 『July』

「1999年7の月 空から恐怖の大王が来るだろう。」
このフレーズを耳にしたことがある方も多いのではないか。
ミシェル・ノストラダムスの『予言集』にある詩の一節で、日本では俗に「ノストラダムスの大予言」と呼ばれている。
1990年代後半、日本は「世紀末ブーム」の真っ只中にあった。

もともと、「世紀末」という言葉には文字通りある世紀の終わりという意味しかない。しかしこの言葉が「世界の終末」といった

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人間になった龍『龍が如く7外伝 名を消した男』

人間になった龍『龍が如く7外伝 名を消した男』

『龍が如く7外伝 名を消した男』をクリアした(2023/11/13)ので一旦勢いのまま思ったことを書く。ネタバレもする。システム面にはほぼ触れない。

本作は『龍が如く7』の外伝という体裁をとっているが、その内実は『龍が如く6』の続編であり、やり直しだ。
「桐生一馬伝説、最終章」と銘打たれた『6』だったが、その終わり方はこれまでプレイしてきたプレイヤーにとって納得のいくものではなかった。
こうした

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ボケとツッコミとプレイヤー『珍道中!!ポールの大冒険』

ボケとツッコミとプレイヤー『珍道中!!ポールの大冒険』

『珍道中!!ポールの大冒険』は2009年2月9日にセガからリリースされたWii(Wiiウェア)用のゲームソフト。価格は500Wiiポイント。

本作は1980年代ファミコンの2Dアクションゲーム、とりわけ『スーパーマリオブラザーズ』をパロディ化したようなゲームだ。
「悪の組織にさらわれたヒロインを救うために冒険者が世界を飛び回る」というバックストーリーはいかにも類型的で、プレイヤーは見かけオーソド

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『なつもん!』と世界の終わりと諸行無常

『なつもん!』と世界の終わりと諸行無常

『なつもん!』を遊んでいる。

『なつもん!20世紀の夏休み』はスパイク・チュンソフトからリリースされているNintendo Switch用のビデオゲームだ。

本作を遊んでいるとき、「あの世」を連想させられる景色に私は出会った。
あの世には行ったことがないが、ただ漠然とあの世というものがあるとしたら、きっとこうなのだろうというイメージを画面越しに感じた。そのことをひとに伝えたとき、「世界の終わり

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「サターンでしか観られないエヴァ」それはエヴァの分水嶺か『新世紀エヴァンゲリオン2nd Impression』

「サターンでしか観られないエヴァ」それはエヴァの分水嶺か『新世紀エヴァンゲリオン2nd Impression』

『新世紀エヴァンゲリオン2nd Impression』は1997年にセガより発売されたセガサターン用アドベンチャーゲーム。

本作はTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を題材としたゲームで、アニメ動画を使用したゲームオリジナルのストーリーが展開される。

『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』とは

『2nd Impression』というタイトルが示す通り、本作の前身としてゲーム

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クォータビュー高難易度アクションRPG『ダークセイバー』––90年代日本産RPGのありえたかもしれない姿

クォータビュー高難易度アクションRPG『ダークセイバー』––90年代日本産RPGのありえたかもしれない姿

『ダークセイバー』は1996年8月30日にリリースされた、クライマックス開発のセガサターン用アクションRPG。

本作は同社開発の『ランドストーカー』や『レディストーカー』の系譜を受け継ぐ、現代的にいえばプラットフォーマー的なアクション要素の強いクォータービュー(斜め見下ろし型視点)のRPGである。

製作側は本作の特徴について、宣伝用チラシや説明書で以下の要素を挙げている。

・ポリゴンで構成さ

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【ご報告】ゲームライターとしての活動を始めました。

2023年4月末より「林與五右衛門(はやしよごえもん)」という名前でゲームライターとしての活動を開始しました。

現在はゲームメディア「Game*Spark」にて、ゲームに関連する記事を執筆しています。まだまだ執筆した記事は多くはありませんが、4月末から6月はじめまで、ここ1か月に担当した記事をまとめました。

2023年4月『龍が如く7外伝 名を消した男』生キャバ嬢オーディション合格者発表レポー

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再訪『Ghostwire: Tokyo』

再訪『Ghostwire: Tokyo』

アクションアドベンチャーゲーム『Ghostwire: Tokyo』のアップデート「蜘蛛の糸」が4月12日に配信された。

今回のアップデートを機に、一度本編をクリアした『Ghostwire:Tokyo』を改めてプレイし、街を探索した。そして、このゲームは非日常となった街を題材としつつ、どこにでもある日常の痕跡を感じさせてくれるゲームということを再発見した。本作は東京という街の姿を大掴みに描いていて

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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』

「マリオが好きか?」と問われたら、どのように答えるだろう。おそらく私は「嫌いじゃない」と答える。

2023年4月28日、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が公開された。マリオは馴染み深いキャラクターだが、ものすごく思い入れがあるわけではない。マリオのゲームを語ることはあっても、マリオというキャラクターを語ることは多くない。そもそも彼がどんな人物なのか、考えてみればよく知らない。

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俺の価値は、俺が決める。『メガトン級ムサシ』の価値。

俺の価値は、俺が決める。『メガトン級ムサシ』の価値。

 『メガトン級ムサシ』は2021年11月11日にレベルファイブより発売されたNintendo Switch / PlayStation 4向けのロボットアクション&RPG。
現在は本編の内容に追加要素を加えたうえで基本無料化し、上記のプラットフォームにPlayStation 5が加えられた『メガトン級ムサシX(クロス)』が配信されている。また2023年内にはPC(Steam)に対応した『メガトン級

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