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伊藤鞠
2023年3月22日 19:10
私は締め切りがないと書けないのだと、noteを始めてからつくづく思った。 「好きな時に、好きな事を、自由に書いていい」としたら、全然書けないテイタラクで呆れた。 でも、実はそれだけではない。 私にとっての長い長い戦いが終焉し、燃え尽きていたのだ。 前回のエッセイ『裕福な親ガチャだとて』で少し書いたモラハラ夫の件だ。 絶対に死ぬまで自分の過ちに気付かないだろうと思っていた夫。 でも、
2023年7月16日 14:43
昨年の秋に七回忌を終えた両親のことを、今なら心静かに綴ることができそうだ。 私の心をざわつかせていたのは、悲しみ以上に後悔だった。 もっとできた筈…。 あんなこと言わなければ良かった…。 でも、七回忌を終えてやっと思える。 あれが、あの時の私ができた、最善だったのだと。認知症の父との物語 「だけど、頑張って生きていかないと…」 父はとても寡黙な人だった。 でも、話しかけると
2023年7月6日 13:45
植物も昆虫類も動物も、目的も夢もなくただ生きているだけで許されるのに、なぜ人間は、目的も夢もなくただ生きているだけということが許されないのだろうか? でも、植物も昆虫類も、邪魔だったら引っこ抜かれたり殺されたりするし、動物も悲劇的な扱いを受けることは多々あるから、そこと比べるのは妥当ではないけれど…。 健康なのに何もしない息子や娘に対して、自分が死んだ後の経済的なことを思って親が口出しする
2023年2月17日 12:25
年を重ねていくということは、思い出でしか会えない人が増えていくことでもある。 人生は出会いと別れの繰り返しだけど、それはある程度の年齢までであって、それを超えると、お別れすること…つまりお見送りすることが増えていく。 思い出でしか会えない人というのは、今世では二度と会うことが出来ない人。 そして、そういう人が増えてくると、寂しさが、だんだんと優しさに変わっていく。 死別というのは、今
2023年2月9日 13:17
あるプロジェクトで一緒になった知人の中に、言葉のセンスが抜群に光っている女性がいる。 彼女のTwitterで流れてくる言葉は、いつもキラキラしている。 それなのにプロフィール写真が、何かのイベントで岡っ引きに仮装した時のもので、安っぽいチョンマゲのカツラを被ったものなのが可笑しくて、呟かれる言葉とのギャップにもセンスが感じられるのだ。 そんな彼女のツイートで、一番感動したのが、 「寝
2023年2月6日 14:58
結婚3年目を迎えた娘夫婦が、休日には時々デートをするという平和的な別居生活に入ったと聞き、思い出した小説がある。 平成元年、もう34年も前の作品。 糸井重里さんの『家族解散』。 タイトルが衝撃的だったけど、内容も笑劇的で、それでいて少し切なくて、少しだけ身につまされた。 コピーライターというのが華やかな職業として脚光を浴びていた時代、その先駆者の糸井重里さんが紡ぐ言葉って、すごくラフに生
2023年1月31日 13:46
令和になって今年で5年目になるという事に、驚愕した令和5年の新年。 あまりにも閉塞感、無力感、停滞感にさいなまれ続けた日々だったから、私にとってはようやく令和元年な気がしてならない。 でも、おそらく世の中の多くの人がそう感じているのではないだろうか。 令和になった途端に、未知のウィルスが世界中に蔓延し、今までの生活が一変し、息苦しい日々の中に、聞き馴染みのない言葉が飛び交った。 「クラス