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らら
2019年12月30日 13:42
最近は食欲が無かったのだが、サンドイッチを見たら、久し振りに食べたいという気持ちになった。私は迷わずお店に入った、出来たばかりの綺麗なお店で、お店の奥を見るとテラス席もあった。12月にテラス席に座る人はあまりいないようで、誰も座っていなかった。「テラス席でもいいですか?」「えっ!いいですけど、寒いですよ。」「大丈夫です。」私はテラス席に座ってローストビーフのサンド
2019年12月29日 23:56
江藤とのことがあってもう1週間以上が過ぎた。12月なり急に寒くなり、街ではコートを着る人が増えた。最近の江藤は遅刻ぎりぎりで出社することが多かった。奥さんのつわりがひどく、家事をしてから出社しているらしい。私は江藤と話すこともなく、目を合わせることも無かった。江藤からメールは来るが無視していた。仕事が終わり会社を出た。金曜日だからなのか?行き交う人がいつもより多く感じる、
2019年12月27日 19:00
まだ実家で暮らしている時のことを思い出した。私には妹がいる、妹はわがままで、いつでも妹優先の生活だった。いつの間にか私は我慢することが当たり前になっていた。そして母親はいつも否定的で、私がやることすべてに反対だった。そんな習い事は将来役に立たない、あのお友達とは距離を置いたほうがいい、この学校は良くない、将来役に立つ資格を取りなさい。と口うるさく言っていた。私は心の何処かで
2019年12月26日 23:11
時計の針は真夜中の2時を指している。寝れない。いつかこんな日が来ることはわかっていた、でもこんなに辛いとは思ってもいなかった。始めは身体の関係だけだと割り切っていたけど、私はいつの間にか江藤のことを愛していたのだ。私はベッドから出て、キッチンでお湯を沸かした。暗い部屋の中でガスコンロの青い火が、ゆらゆらと踊っているのが綺麗だった。私はお湯をマグカップに入れて、カーテン
2019年12月25日 18:31
受話器を持ったその時、目の前に置いてある、鏡に映った自分の顔にびっくりした。醜い顔。私は受話器を置いた、電話は出来なかった。逆切れなんて惨め・・自分でまいた種で、いつかこんな日が来ることは心のどこかで覚悟していた。ことを大きくしたら、私も江藤も仕事を失い、信用を失い、未来を失い、家族を悲しませるだけだ。妊娠中の奥さんを傷付けるなんて私には出来ない・・・不倫なんて・・・
2019年12月24日 13:01
人生はいつ何が起こるかわからない。いつも通り会社に行くと社長が江藤と話しをしていた。「江藤くん聞いたよ!待望の第一子おめでとう!良かったな、父親になると男は変わって来るから。これからがんばれよ。」江藤は一瞬私を見たがすぐに視線を逸らした。私は何が起こっているのは理解出来なかった、ただ血の気が引いて、全身が冷たくなって行くのだけがわかった。みんながおめでとうと江藤を囲んで話
2019年12月23日 09:49
不倫から抜け出せない。不倫というぬるま湯から出て、現実と向き合わないといけないと何度も何度も考えた、しかし不倫の関係をやめることが出来なかった。始めは1週間に1回だけ会う関係だったが、多い週は1週間に3回もホテルに行っていた。4年たった今は江藤からの連絡はほとんど無くなり、1ヵ月に1、2回と会う回数もだいぶ減っていたが、私たちの関係は続いていた。いつも同じホテルだとおかし
2019年12月21日 10:39
私たちはお互いの身体を忘れることが出来なかった。それから私たちは1週間に1度は会うようになった。ただ身体を求め合うという秘密の関係。傍からみたら淫らで汚い関係だと思われても仕方がない、しかし当時の私は江藤が心の支えになっていたのだ。冷静になった時に私はなんて最低な人間なんだ!奥さんに申し訳ない、人間失格だ・・・と、自己嫌悪に圧し潰されそうになることも多々あったが、江藤との関係
2019年12月20日 10:46
さみしい私と奥さんとすれ違いばかりの江藤。私たちはお互いの満たされない心を満たすように、抱き合った。好きでもない人とセックスするのは初めてだった。好きな人とのセックスだと、嫌われたくない、いやらしい女と思われたくないと、消極的な私だが、その時の私はただ欲望のままに江藤の身体を求めていた。まっ江藤じゃなくても良かったのだが・・・江藤の手つきはとても優しく、私は久し振りに
2019年12月19日 10:12
江藤のおすすめのお店は、路地裏の隠れ家的なおしゃれな居酒屋だった。まだ出来て3ヵ月の綺麗で私好みなお店だった。私たちは明日がお休みということで、時間を気にすること無く飲んでいた。「俺さ前から川崎さんとご飯行きたいと思ってたんだよ。だって川崎さんって誰にも心を開かないような、ミステリアスなとこがあるから!」「えっ?そうですか?」「俺はそんな川崎さんが気になってたんだ。」
2019年12月18日 11:06
私は重たい気持ちを引きずって、1人で家に帰った、家にいても、会社に行っても、私は孤独、このまま孤独死するのかな?私の心は底なし沼に沈んでしまった。次の日も私の心は沈んだままだった、底なし沼から這い上がるには時間がかかる。朝起きてカーテンを開けて、「会社行きたくない!」と独り言を言って見た。わかってる、生きる為に働かないといけない。私はがんばって仕事に行った。そして
2019年12月10日 12:13
また朝が来た。まだ外は暗く重い空気が流れている。冬の朝は憂鬱。布団から出るだけでも大変。いつもと同じ朝。いつもと変わらない私。ただ季節と時代だけが変わっていく。私は重い体を起こして、布団から出て、石油ストーブを点火する。石油ストーブ独特の匂いが部屋の中に広がる。私はストーブの前で膝を抱えて座って、膝に顎をのせてストーブの火を見ていた。薄暗い部屋に煌々と
2019年12月17日 10:49
「もうこんな時間行かなきゃ!」とるみがカバンから財布を出した。その財布はエルメスの財布だった。「私ね去年独立して、今は自分で会社経営してるんだ。明日はニューヨークに行かないと行けなくて、これから明日持って行く物を買いに行くのよ!」「えっ!?独立?会社経営?社長ってこと?」私は頭が混乱した。「うん、小さな会社で従業員は6人だけどね。」「すごい!社長なんて・・・ニュ
2019年12月16日 11:17
「るみ?」「海月だよね?久しぶり!昔と変わらないね!」「るみも変わらないよ!ここで何してるの?」「これから買い物に行こうと思ってて、あっそうだ!今って時間ある?」「今?大丈夫だよ、1人で買い物してただけだから。」「お昼食べようと思ってて、1人だとさみしいから一緒に食べない?」「うん、いいよ!」私は旧友に会えて嬉しかった。変わってないと言うのは褒め言葉なの?それと