ごーすと書房:本屋の本を売る本屋

いると思えばいるし、いないと思えばいないから、ごーすとです。だいたいなんでもやる出版業…

ごーすと書房:本屋の本を売る本屋

いると思えばいるし、いないと思えばいないから、ごーすとです。だいたいなんでもやる出版業界の遊軍。書籍の編集+出張型の本屋「本屋の本を売る本屋」+「めんどくさい本屋の寄り道」の右端。

記事一覧

ほんのひび 10

 8月の終わり。2024年の1月から数えて、本の仕入に費やしてきた額が、30万円に達した。    なんでそんなことをわざわざ書き留めておくのかと言えば、〈本屋の本を売る…

〈本屋の本を売る本屋〉9月21日・9月28日・10月5日・10月19日の出張販売について

 時が過ぎるのは早いもので、もう9月の半分が終わります。  8月はずっと原稿と向き合いつつ、(子どもの)夏休みに心の大半は割いていたから、普段どおりの作業には取…

ほんのひび 9

   変な人なんですよ。  そう肩をすくめたアヤカさんの視線は、私を通り越した遥か先を見ていた。 「自分のことを、極力隠したがる人なんです。目立ちたくないっていう…

ほんのひび 8

 「なんで〈ごーすと〉なんですか」と訊かれることが多い。  「固定の場所を持ってるわけじゃなくて、消えたり現れたり、あちこちで出店してるから〈ごーすと〉っていう…

存在自体が夢そのもの

 国立新美術館で開催されている〈CLAMP展〉に行ってきた。  本当は、もう少し間を空けてから行く予定だった。でも、来週の今頃はどうなっているか分からないし、午前から…

ほんのひび 7

 姿の見えないお客さんを想像して、本を選んでいる。  固定の場所をもたず、オンラインショップも設けず、毎回異なる出張先で本を売る。そんな形で本屋をしていると、出…

おんなじにならない

 この話とこの話の続き。 ============================ 「下川って、6年の竹本と付き合ってんの」  朝から腹が立って、腹が立ったのを…

7月26日(金)、百年の二度寝さんで出張販売〈江古田のごーすと〉をやります。

 「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」新たな出張販売のお知らせです。  7月26日(金)16時から、江古田の本屋・百年の二度寝さんで出張販売をします。題して〈江古田…

ほんのひび 6

 本の書き手、つくり手がどんなに増えても、売り手がいなくなってしまったら、どうにもならないじゃないか。  そういう考えから、自分で本を仕入れて自分で売っている。 …

7月13日(土)、でこぼこ書店さんで出張販売をします。

 「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」、7月最初の出張販売のお知らせです。2月から6月は東京・千葉での出店にとどまっていましたが、今回ようやく埼玉に進出すること…

6月14日〈夜のみっつの本屋〉と、6月22日「葉々社・分室」での出張販売について

 気がつけば6月に入っていて、どうにも日々追われている今日この頃。  「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」は、1日(土)に双子のライオン堂で突発的に出張販売をし…

ハリ書房&いりえ&ごーすと書房〈みっつの本屋〉 5月27日(月)開催

 移動書店にとどまらず、「本のある場所」を増やすべく多彩な活動を展開するハリ書房さんと、ハリ書房さんの神保町店:バックヤード店内にお店を構える 間借り書房 いりえ…

『めんどくさい本屋』の続きをやる。『対話1 本屋とことば』刊行(+取り扱い書店リスト)

 双子のライオン堂出版部から、『対話1 本屋とことば』が刊行されます。  お店の公式サイトで公開されたプレスリリースのとおり、YouTubeで配信している連続対談イベン…

ほんのひび 5

 3時間から5時間ぐらいの出張販売を続けてきて、直感的に気づくようになったことがある。  「あ、今日は、この人が最後のお客さんだろうな」と。  毎回、出張先での…

5月25日(土)。本屋lighthouseさんの店頭で、十七時退勤社さんと出張販売をします。

 本屋がつくった本、本屋オリジナルの書籍・ZINE・リトルプレスを仕入れて販売する「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」。  通算7回目の出張販売先は、千葉・幕張の本…

ほんのひび 4

 新聞の切り抜きをためている。  仕事柄、時事問題を作成したりすることがあるので、1年を通して広く浅く、さまざまな分野の記事を、ちょきちょきちょきちょき、はさみ…

ほんのひび 10

 8月の終わり。2024年の1月から数えて、本の仕入に費やしてきた額が、30万円に達した。
 
 なんでそんなことをわざわざ書き留めておくのかと言えば、〈本屋の本を売る本屋〉を始めるときに準備した資金が、30万円だったから。
 その30万円の内訳には、備品や消耗品の購入、予備費などなども含まれているから、全額を仕入に充てるつもりで用意したわけじゃない。そもそも、普段は全く動かしていない口座に入って

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〈本屋の本を売る本屋〉9月21日・9月28日・10月5日・10月19日の出張販売について

 時が過ぎるのは早いもので、もう9月の半分が終わります。
 8月はずっと原稿と向き合いつつ、(子どもの)夏休みに心の大半は割いていたから、普段どおりの作業には取り組めないと割り切って、なだらかな日々を過ごしていました。
 〈本屋の本を売る本屋〉の営業も無理せず1回だけにとどめて、そのぶん新規の仕入に力を注ぐ期間に充てました。

 そんな感じでおおよそ心穏やかに過ごしていたはずが、9月初旬は夏休み明

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ほんのひび 9

 
 変な人なんですよ。
 そう肩をすくめたアヤカさんの視線は、私を通り越した遥か先を見ていた。
「自分のことを、極力隠したがる人なんです。目立ちたくないっていうか、表に出る意味を感じてないっていうか。長谷部さんは記者だから、なんとなく気持ちが分かりますか。よく言ってるんですよ、あの人。主役は自分じゃなくて本屋と本なんだって」
「確かに私も取材をして記事を書いても、その文章の中心は自分じゃないって

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ほんのひび 8

 「なんで〈ごーすと〉なんですか」と訊かれることが多い。
 「固定の場所を持ってるわけじゃなくて、消えたり現れたり、あちこちで出店してるから〈ごーすと〉っていうことなんですか」と先回りしてくれる場合も少なくない。

 これに関しては、まず、ごーすと書房という屋号が昨日今日に生まれたものではないというのが1つ(一箱古本市に必要な屋号として、2年ぐらい前に設定した)。

 それだけだと、どうしてごーす

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存在自体が夢そのもの

 国立新美術館で開催されている〈CLAMP展〉に行ってきた。
 本当は、もう少し間を空けてから行く予定だった。でも、来週の今頃はどうなっているか分からないし、午前から昼まででまとまった時間を確保できるうちに足を運んだほうが、落ち着いて鑑賞できる気がして。
 前日にチケットを発行して、急ぎの仕事も入らなかったので、翌日の午前10時に合わせて乃木坂へ向かった。

 入場時の待ち時間は約40分。考え事が

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ほんのひび 7

 姿の見えないお客さんを想像して、本を選んでいる。
 固定の場所をもたず、オンラインショップも設けず、毎回異なる出張先で本を売る。そんな形で本屋をしていると、出張先にどんなお客さんが訪れるのかを毎回思い浮かべる必要がある。
 あのお店では、こういう人が本を買っているかもしれない。こんな本が馴染むかもしれない。当たり前だけどものすごく真面目に考えて、80種類以上のラインアップから、持っていく本を選ぶ

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おんなじにならない

 この話とこの話の続き。

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「下川って、6年の竹本と付き合ってんの」
 朝から腹が立って、腹が立ったのを4時間目まで引きずり回して、給食の麻婆茄子で冷静沈着を取り戻した瞬間に、正面の鶴美がゴミ箱に洟かんだ後のティッシュでも放り投げるみたいな投げやり感で呟いた。だいたい、あたしのほうを見てもない。
「竹本って、リョウのこと? あー、3回ぐら

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7月26日(金)、百年の二度寝さんで出張販売〈江古田のごーすと〉をやります。

 「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」新たな出張販売のお知らせです。

 7月26日(金)16時から、江古田の本屋・百年の二度寝さんで出張販売をします。題して〈江古田のごーすと〉。

 今回のごーすと書房は、販売終了時間を明示していません。ごーすと=幽霊らしく、19時頃からだんだんとお店から姿を消していきます。 
 この日は百年の二度寝さんの営業時間が20時までということで、閉店時間までには完全に

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ほんのひび 6

 本の書き手、つくり手がどんなに増えても、売り手がいなくなってしまったら、どうにもならないじゃないか。
 そういう考えから、自分で本を仕入れて自分で売っている。

 ここで大切なのは、つくる側が売る側にも下りてくることだと思っていて。
 でもそれは、大きな存在としてのつくり手(出版社)が、個人のつくり手と同じ場(即売会)に出て競争することとは違う。むしろ、できる範囲で、自分たちの本を自分たちで売る

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7月13日(土)、でこぼこ書店さんで出張販売をします。

 「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」、7月最初の出張販売のお知らせです。2月から6月は東京・千葉での出店にとどまっていましたが、今回ようやく埼玉に進出することになりました。
 7月13日(土)、さいたま市のでこぼこ書店さん・2階で出張販売のブースを構えます。出店時間は13時から16時までです。

 これで出張販売先としては6店目となるのですが、毎回、出店するお店にはどんなお客さんが訪れるのかを想

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6月14日〈夜のみっつの本屋〉と、6月22日「葉々社・分室」での出張販売について

 気がつけば6月に入っていて、どうにも日々追われている今日この頃。
 「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」は、1日(土)に双子のライオン堂で突発的に出張販売をしていました。今月は中旬以降に2回、別々の場所で出店します。

 まずは、ハリ書房さん、間借り書房 いりえさんと3月から続けてきた〈みっつの本屋〉のアンコール企画。
 6月14日(金)17時から20時に〈夜のみっつの本屋〉を開催します。場所は

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ハリ書房&いりえ&ごーすと書房〈みっつの本屋〉 5月27日(月)開催

 移動書店にとどまらず、「本のある場所」を増やすべく多彩な活動を展開するハリ書房さんと、ハリ書房さんの神保町店:バックヤード店内にお店を構える 間借り書房 いりえさん と一緒に、3月から連続イベント〈みっつの本屋〉を開いてきました。

 このポスターをつくったのも、遠い彼方の出来事のように思い出されますが…。
 3月25日と4月15日の月曜日、そして5月15日(水)には「トーク&交流会」を開いて、

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『めんどくさい本屋』の続きをやる。『対話1 本屋とことば』刊行(+取り扱い書店リスト)

 双子のライオン堂出版部から、『対話1 本屋とことば』が刊行されます。
 お店の公式サイトで公開されたプレスリリースのとおり、YouTubeで配信している連続対談イベント「めんどくさい本屋の寄り道」シリーズの書籍化です。

 
 遡るといくらでも話ができるのですが、そもそも『めんどくさい本屋』の企画立ち上げが2018年4月→刊行が2020年4月→オンラインの配信イベント開始が2021年1月(202

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ほんのひび 5

 3時間から5時間ぐらいの出張販売を続けてきて、直感的に気づくようになったことがある。
 「あ、今日は、この人が最後のお客さんだろうな」と。

 毎回、出張先での準備と撤収に驚くほど時間がかかるので、遅くても終了時間の30分前から片づけを始める。
 もちろん、その時点で本を眺めているお客さんがいたとしたら、並べてある本を端からしまい込んでいくようなことはしない。でも今のところ、撤収に取りかかってか

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5月25日(土)。本屋lighthouseさんの店頭で、十七時退勤社さんと出張販売をします。

 本屋がつくった本、本屋オリジナルの書籍・ZINE・リトルプレスを仕入れて販売する「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」。
 通算7回目の出張販売先は、千葉・幕張の本屋lighthouseさんです。
 2月29日以来の二度目ですね。

 今回は5月19日(日)に文学フリマ東京が開催されるということで、その後夜祭的な形で日程を組んでいただきました。
 また、出張販売も1人(独り)ではなく、出版レーベル

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ほんのひび 4

 新聞の切り抜きをためている。
 仕事柄、時事問題を作成したりすることがあるので、1年を通して広く浅く、さまざまな分野の記事を、ちょきちょきちょきちょき、はさみで切り取っている。
 切り抜きは紙に貼りつけたりしないで、A4サイズのクリアホルダーに突っ込む。だいたい、「政治」「国際」「経済」「生活」「文化」みたいな大枠のカテゴリー順に並べて。これが4センチぐらいの厚みになるまでたまって、ファイルがた

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