ごーすと書房:本屋の本を売る本屋

いると思えばいるし、いないと思えばいないから、ごーすとです。だいたいなんでもやる出版業…

ごーすと書房:本屋の本を売る本屋

いると思えばいるし、いないと思えばいないから、ごーすとです。だいたいなんでもやる出版業界の遊軍。書籍の編集+出張型の本屋「本屋の本を売る本屋」+「めんどくさい本屋の寄り道」の右端。

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「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」(本屋別・取り扱い書籍リスト)

※随時更新していきます。 ※都道府県・五十音順。〈  〉はお店のある地域、最寄り駅などです。 ※オンラインショップがある場合は、個別にリンクを貼っています。ぜひチェックしてみてください。 【岩手県】 ◇BOOKNERD〈盛岡〉◇ 早坂大輔・著(エッセイ)『コーヒーを、もう一杯』 MAI:文/Asako Ogawa:写真(写真詩集)『東京』 【千葉県】 ◇本屋lighthouse〈幕張〉◇ 関口竜平・著(日記ZINE)『Books(tore) witness you. vo

    • ほんのひび 4

       新聞の切り抜きをためている。  仕事柄、時事問題を作成したりすることがあるので、1年を通して広く浅く、さまざまな分野の記事を、ちょきちょきちょきちょき、はさみで切り取っている。  切り抜きは紙に貼りつけたりしないで、A4サイズのクリアホルダーに突っ込む。だいたい、「政治」「国際」「経済」「生活」「文化」みたいな大枠のカテゴリー順に並べて。これが4センチぐらいの厚みになるまでたまって、ファイルがたわんできたら、整理する。  例えば法律の改正や、企業の経営統合・合併といったニュ

      • 4月27日(土)、Readin'Writin BOOK STOREさんの中二階で出張販売します。

         本屋がつくった本、本屋オリジナルの書籍・ZINE・リトルプレスを仕入れて販売する「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」。  通算6回目の出張販売は、2か月ぶりに浅草・田原町の本屋「Readin'Writin' BOOK STORE」さんの中二階で実施します。  出張販売の日時は、4月27日(土)の13時から16時まで。  世の中的には、ゴールデンウィークの初日でしょうか。  今回は絵本をはじめ、大判の本を並べてコーナー化していきたいと考えています。  Readin'Wri

        • ほんのひび 3

           たまに、寄る辺ない宇宙をさまよっているような感覚に陥ることがある。  原稿を読む。校正紙に眼を通す。  誤りを正す。疑問点を書き出す。  予断を挟まず、すべてを疑ってかかる。  たとえ、ある分野における第一人者が著者であっても、監修をしていても、活字になった言葉の連なりの全部が正しいとは限らない。シンプルな誤植もあれば、ちょっとした勘違いや記憶違いから、用語の使い方を誤ることもある。あちらでは別の表記を使っていたけれど実は同じ意味を表すタームだったり、よくよく読み比べて

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        「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」(本屋別・取り扱い書籍リスト)

          ほんのひび 2

           出版物があるわけでもないのに、本屋が本屋に書店営業してるって、どういうことなんだろう。  そういう矛盾をひしひしと感じながら、バスか電車を降りたらいつもどおり、交通費の節約も兼ねてひたすら歩く。どんなふうに近場の書店を回るかは事前に考えていて、でも、お店の近くまで来ているはずなのに迷うことは少なくない。電柱の住所表示、道端の掲示板、ビルのプレートを確かめながら、目的地を探す。  こういうとき、「普通は」スマートフォンを使って、その場で経路を確かめられるんだろうけど、もう十

          ほんのひび

           2024年3月3日の日曜日。  京急・梅屋敷駅が最寄りの本屋・葉々社さんの2階にある分室で、粛々と本を並べていた。  〈本屋の本を売る本屋〉を始めて、3回目の出張販売。2月11日に田原町のReadin’Writin' BOOK STOREさん、2月29日に幕張の本屋lighthouseさんと続いたときは、まだどこか気持ちがふわりとしていた。面と向かって誰かに本を売るという自覚と覚悟が、明らかに足りていなかったと思う。眼の前の現実から自分を遠ざけて、表面的に物事をすませようと

          ハリ書房さん、間借り書房 いりえさんと「みっつの本屋 at 神保町」を開きます。

           「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」、出張販売のお知らせです。  3月・4月・5月の3か月連続で、「みっつの本屋 at 神保町」というイベントを開きます。  開催日は、3月25日(月)、4月15日(月)、5月27日(月)。  場所は、移動書店を中心に活動するハリ書房さんの神保町店(バックヤード店)。  こちらで2月1日から間借り出店をしている、間借り書房 いりえさんと合わせて、3つの本屋が集合するということでこの名前をつけました。  そもそも、ハリ書房さんから出張販売

          ハリ書房さん、間借り書房 いりえさんと「みっつの本屋 at 神保町」を開きます。

          放り出す言葉の爪先で

           柔軟剤の香りに誘われて自転車を停めたら、4年の下川ランが、コインランドリーのベンチで脚をぶらぶらさせながらジャンプを読んでた。  目ん玉ひんむかせるぐらいに見開いた下川の向こう側で、ぐるぐるぐるぐる、ドラム式の洗濯乾燥機が回ってる。なんか、めまいがした。ランドセル背負ってなかったら、もうそこが下川んちの縁側みたいになじんでて、頭がバグりそう。  先に声かけたほうが負けだなって思って、じーっと見つめてたけど、反応する気配もない。そしたら通りがかった近所のおばさんにオレのほうが

          2月29日(木)本屋lighthouseさんで出張販売をします。

           本屋がつくった本、本屋オリジナルの書籍・ZINE・リトルプレスを仕入れて販売する「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」。  2月29日(木)に、千葉・幕張の本屋lighthouseさんの店頭で出張販売をおこないます。13時から16時の出店で、状況によっては少しだけ延長するかもしれません。  今回は、ZINEやエッセイコミックをはじめ、小ぶりな本を中心に並べたいと思っています。  本屋lighthouseさんは、JRと京成の幕張駅から歩いて6分。  お店の営業時間は、12時か

          2月29日(木)本屋lighthouseさんで出張販売をします。

          「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」2月・3月の出店のお知らせ。

           本屋がつくった本、本屋オリジナルの書籍・ZINE・リトルプレスを仕入れて販売する「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」。  2月・3月は下記の日程で出張販売をおこないます。 ◆2月の出店◆ 出店日時:2024年2月11日(日)14時から17時 出店場所:浅草・田原町の本屋「Readin' Writin' BOOK STORE」中二階 ◆3月の出店◆ 出店日時:2024年3月3日(日)12時から17時 出店場所:梅屋敷の本屋「葉々社」の分室(葉々社の2階)  *「第3回 梅

          「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」2月・3月の出店のお知らせ。

          「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」を始めます。

           こんにちは。出版業界の遊軍「ごーすと書房」です。  書籍の編集などに携わっている、個人事業主です。  突然ですが、「本屋の本を売る本屋」という出張型の本屋を始めたいと思います。  のっけから、なんのことやらと首を傾げたくなる宣言かと思いますが、補足すると、「本屋がつくった本、本屋オリジナルの本を仕入れて、出張販売する本屋」を始めます。  出版社から刊行されている、本屋の店主や書店員が書いたエッセイなどではなく、本屋発の本を取り扱う本屋です。     *  出

          「ごーすと書房:本屋の本を売る本屋」を始めます。

          文芸誌『しししし Vol.5』掲載、「随筆かいぼう教室キックオフ」構成の裏側を公開したことについての背景

           少し前に、東京・赤坂の本屋「双子のライオン堂」が発行する文芸誌『しししし』の最新号『Vol.5』(枕詞が長い)に掲載されている、「随筆かいぼう教室キックオフ 宮崎智之×わかしょ文庫」の構成を担当しました。  YouTube配信で行われた対談を、規定の字数に収めて原稿化する役割で、そのプロセスをまとめた文章を『しししし』公式サイトに寄稿しています。    私はただの個人事業主の出版関係者で、対談の登壇者ではなく、配信をリアルタイムで視聴したわけでもなく、本当に全くの第三者

          文芸誌『しししし Vol.5』掲載、「随筆かいぼう教室キックオフ」構成の裏側を公開したことについての背景

          難波さんの『こちら、発達障害の世界より』を思い起こす

           難波寿和さんの著書『こちら、発達障害の世界より――生きやすく生きることを求めて』(本の種出版)の刊行から、4年が経ちました。  公式の発売日は2019年12月16日ですが、若干フライング気味で発売されたお店もあって、気がつけば店頭に本が積まれていたという、そんな4年前の暮れを思い出します。  まだコロナ禍が訪れる前の、冬の話です。  編集を担当した人間として、久しぶりに何か短い文章でも記しておきたいなと思いつつ、当時の編集後記を読み返したら、結構ちゃんとしたことを書き残し

          難波さんの『こちら、発達障害の世界より』を思い起こす

          輪郭の35度から見つめて

           裏の空き地のど真ん中に、コタツが鎮座してる。  日曜日の朝、気だるく頭の周りをぐるぐる遊泳してる眠気覚ましに部屋の窓を開けたら、対角線上に見下ろした視線の先で、茶色くくすんだ小ぶりの天板と、そいつに挟まれる形で四方に伸びたベージュの布団が見えた。雑草が綺麗に刈り取られた、剥き出しの地面の中心部で、誰かの家みたいに当然な顔して佇んでいる。  うわー、って声を出しそうになって止めようとしたはずが、ぎゅわー、みたいな感じで口からこぼれ出してて、冷静に状況を観察する。いつからあった

          赤い記号と横断歩道

           のっぺらぼうが来よったわ。  御年九十に至ろうかという祖父に、とうとう認知症の症状が見られるようになったと連絡があったのは、昼の休憩が終わろうとする頃だった。 「え、それって、幻覚か何かってこと?」  そうなるんでしょうねえ、と電話口で呟く母の声は、至って平静だった。冗談半分なのか、千葉の片田舎でひとり暮らしを送っている祖父を気に病む気配は、あまり感じられない。  相方である祖母を亡くしてから、10年。祖父は、親族からの再三にわたる説得にも頑として首を縦に振らず、定年を迎

          掌編小説:新しい毎日

           取材という名の雑談を終えて、弓道場を出る頃には、ほとんどの部員が自主練を終えていた。  主将への挨拶もそこそこに、道場をぐるりと迂回する形で、坂を上り、大学の校舎を左手に眺めながら、また坂を下る。裏門も閉ざされた校舎を横切ることはできないから、最寄り駅を飛ばして、もうひとつ先の駅まで向かうことに決めた。  ずっと心に引っかかっていることがあった。「君もそのうち、ウチまで来なくなるんでしょ」と言われたときだ。確かに、1年生の頃と比べて、僕の足は道場から離れていた。簡単な取材