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2020年11月の記事一覧
孤立分断されると日本人は幼弱化する
(かわせみ亭コラム#10)
オリンピックに限らず、水泳や体操、その他の競技において日本人が得意とし多くのメダルを獲得しているのは団体競技であり、個人戦においてはなかなか活躍できない。
戦後の高度経済成長も集団の力の結集で達成された。日本製品の品質改善に大きな貢献をしたQCサークルも、多数の企業における新製品の創造もみな集団の力の結集のたまものであった。
日本人は昔から集団の中で生きるのは得意
かわせみ亭コラム#9
唯我独尊の優位者たち 自分の振舞いは常に相対的なもの、すなわち他人との関係性の中にある、という認識のない人々の行いは常に独善的であり、専横的であり、私利私欲的になり、ついには自己ないしは共同体を衰亡・破滅に導くという歴史の事実にまったく気がついていないのである。特に力で優っている人々、頭脳で優っている人々、権力で優っている人々、金力で優っている人々においては、常にそのような傾向が強く、「利益は自分
もっとみるかわせみ亭コラム#8
失敗に学べない日本人 日本人は自分の過ちを振りかえることが苦手である。特に日本人は起きてしまったことは、今さらとやかく言っても仕方のないことだとして「水に流す」ことにしてしまう性癖をもっている。精神の穢れさえ「みそぎ」によって落とすことができるものと信じている。このように過去の失敗に学ばない性癖が、せっかくの日本人の特性によって築きあげた大切な宝ものを一瞬にして崩壊させてきたことを学習しているとは
もっとみるかわせみ亭コラム#7
日本人における強烈な平等感 日本人におけるその所属階層を越えた強烈な平等感はどこからきたのであろうか。例えば、金持ちだからといって威張るなとか、横柄な役人の態度は常に非難の的とされることや、貧困であるがことを理由に他人から卑下侮辱されることを許さない態度は、いまでも広く一般的に日本人の共通の心情的な態度である。
日本人は、その共同体に対する絶対的な生存の保障という信頼感を基底にして、共同体の各階
かわせみ亭コラム#6
日本人の性格特徴を形づくったもの その③ 生き残るための知恵として結晶化した日本人の行動規範人間に襲い掛かる苛酷な自然災害は、まさにこの「鍛錬」や「焼入れ」という試練を日本人の共同体に与えるのと同じ効果を生み出したことであろう。強大な自然災害に遭遇して、われわれ日本人の共同体は、自然の脅威を克服するために、組織内の不純物を排除すること、すなわち個々の勝手な行動を規制し、その構成員の力を同じ方向にま
もっとみるかわせみ亭コラム#5
日本人の性格特徴を形づくったもの その① 明るく陽気だった日本人
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)はその著書『日本』のなかで明治初期の日本人の様子について次のように語っている。「かれら(日本人)はどんな事情の下にあっても、うわべの快活さだけはけっして失われない。また、どんな難儀なことがあっても――暴風、火事、洪水、地震のようなものがおこっても、高笑いで挨拶をかわし、明るい笑顔で丁寧にお辞儀をしあ
かわせみ亭コラム#4
早離(そうり)と即離(そくり)の話
”怨み”と苦悩からの救いについての短い話を紹介したいと思う。
『早離と即離は、幼い兄弟である。両親に早く死別したので毎日泣いていると、ある心のよくない男が、父母にあわせてやるからこの小舟に乗れと誘った。二人はだまされたとは知らずにその言に従う。小舟は沖あい遥かに浮かぶ名もない小島につけられて、幼児二人をおろすと、その男は舟を漕いでもとへ帰ってしまった。
二人の
かわせみ亭コラム#2
愚化(おろか)
「貧すれば鈍す」と昔から言われているが、最近の人間は若きも老いもみな一様に愚化が進んでいるように思える。 愚かさは暴力的な行動や発言となって暴発する。駅のポスターにはこう書いてある。「頭突きしてケガをさせる」「ネクタイを引っぱる」「ビールをかける」これらはすべて暴力です!。駅員に対する暴力事件は一向に減らない。以前は「切れる若者」の話題が多かったが最近はさらに「切れる老人」の話題