プロマネ ヒロシ

プロマネ育成の仕事に携わっているヒロシです。 ソフトウェア開発者の時代から様々な問題に…

プロマネ ヒロシ

プロマネ育成の仕事に携わっているヒロシです。 ソフトウェア開発者の時代から様々な問題に悪戦苦闘しながら現在に至っています。 プロジェクト失敗の原因は技術的な問題と言うよりも、人の考え方やその行動に問題があると思い至り、そのノウハウを後継のみなさん方にお伝えしたいと願っています。

マガジン

  • プロマネ亭コラム☆プロジェクトマネジメント論

    仲間と共により良いプロジェクトマネジメントを実行するためには何を理解し何を実行すればよいのかを考えてみました。

  • 私撰 万葉語録集

    世の中の人々の言葉に耳を傾けるとさまざまな知恵や希望に満ちています。 長年の間にこころに残った世間の人たちの言葉や文章を集めてみました。多くの言の葉を集めた万葉集に因んで万葉語録集というタイトルをつけてみました。 どうぞお気軽にお読みいただけたらと思います。

  • かわせみ亭コラム☆日本文化論

    日本人の行動原理および行動について考えてみました。日本人における思考や行動の原理が分かれば少しでも合理的かつ妥当なプロマネ人生を歩むことができるのかも知れません。

  • できるプロマネの使えるチェックリスト84

    第1章においては、ソフトウェア開発の全てを網羅した包括的なチェックリストを、そのチェックタイミングとともに示しました。 第2章以降においては、冒頭にて、「First Point」としてその章の全体像および要旨を示し、続いて、パターン化された問題の因果関係の時系列順に、それらの問題を予防するための個別のチェックリストを記載し、章末には、「Last Point」としてその章のまとめを示しました。また各章におけるチェックリストの理解を助ける目的で適時「コラム」欄において若干の解説を加えました。  本書において提示されたチェックリストは致命的な手順抜けの予防を目的としたもので、いわゆる業務マニュアルや手順書を意図したものではありません。 これらのチェックリストは、読者の所属組織やプロジェクトの実情に応じて追加・改変して使用されることが望まれます。

  • 日本の伝統的な行動規範の再検証

    不文律である日本の伝統的な行動規範を何とか文字に表し、その本質を知りたいと思い立ち、主だった日本文化の研究者たちであるラフカディオ・ハーン、ルース・ベネディクト、山本七平および中根千枝らがその著作の中明らかにしたものから日本人における伝統的な行動規範の抽出を試みた。

最近の記事

事前準備をやり尽くすこと

(プロマネ亭コラム#31)  納期優先の結果、最初に犠牲にされるのは間違いなく品質です。納期優先の考え方の行き着く先はバグ多発あるいは機能しないシステムです。多くの開発者においては、このような実例を何度も見聞きし、体験しているはずでしょう。無理やり納期を守ったとしても、劣悪な品質の製品をリリースすることのどこに意味や価値があるのでしょうか。このことは誰にも分かる簡単な道理です。しかしながら、なぜ開発チームやリーダーはそのような状態に追い込まれてしまうのでしょうか。いつも通りに

    • 私撰 万葉語録集

      ✽新しいことを勉強する 新しい事を勉強しているうちは、世の中何にも恐かありませんが、何にもしないでじっとしていると、世の中恐くなってまいります。 (林家彦六・落語家)

      • 私撰 万葉語録集

        あせるな。同時に二歩は進めない。あせらずに一歩ずつ歩こう。 One step at a time. ボブ・ウィーランド

        • 地道にリスク情報の共有活動を

          (プロマネ亭コラム#30)  プロジェクトにおけるリスクの回避やソフトウェアの不具合問題などを一度に解消できる方法などは存在しません。開発業務の進行と同期をとったリスク対応や不具合傾向の把握を可能にするには、それなりの準備が必要となります。  リスクについては、リスクが問題化した時点および対策を実行した時点においてその要因などの情報を記録しておき、不具合についても、発見および修正時に不具合票にその真因や発生工程などの情報を同時に記録しておく必要があります。これらのことを全員が

        事前準備をやり尽くすこと

        マガジン

        • プロマネ亭コラム☆プロジェクトマネジメント論
          32本
        • 私撰 万葉語録集
          2本
        • かわせみ亭コラム☆日本文化論
          28本
        • できるプロマネの使えるチェックリスト84
          5本
          ¥500
        • 日本の伝統的な行動規範の再検証
          1本

        記事

          幼稚化する大人たち

          (かわせみ亭コラム#29)  実に天真爛漫な能天気な振る舞い方だと思う。自分の組織の者が大きな不始末をしでかした時の組織幹部の記者会見の言葉は決まって、「ご心配とご迷惑をおかけしました」というマニュアル言葉なのだ。聞いているこちらは一向にご心配などしてはいないし、深い陳謝の念など一かけらも感じられない。  謝罪の言葉は言い訳のオンパレードで、「私は知りませんでした、指示してはいません、担当者が勝手にやったことです、組織的な問題ではありません」などとおっしゃる。  組織活動の中

          幼稚化する大人たち

          日本語文章のあいまいさを避ける

          (プロマネ亭コラム#29)2021/3/19  論理性や正確性が要求される業務文書においては,日本語の豊かな情緒性やあいまいな表現が大きな障害となっており,以下に示した注意点を押さえておく必要があります。 □ 主語がない文章には主語を書き加えること。 □ 可能な限り短い文にすること。 □ 並列的な表現は箇条書きにすること。 □ 時間軸にて整理したチャートで現在・過去・未来の時制を明確にすること。 □ 読み聞かせで聞き手がきちんと理解できるか確認してみること。 □ 単位・期限

          日本語文章のあいまいさを避ける

          仏性は子どもに宿る

           新聞の読者投稿欄の記事を読んで不思議な感覚にとらわれた。小3の男の子の話だった。その祖母よると、この子は神社の庭にばらばらに死んで転がっているセミをきれいに一列に並べたり、採集したアメンボを元の川にそっと戻したりする子で、10歳年上の兄が受験に出かける時も「おい、己に勝てよ」と声をかけ、帰ってきた時には「己に勝てたか」と聞いてきたとのこと。また母親に反抗する兄に向って、お兄ちゃんは誰から生まれたの、と諫めていたとのこと。  生きとし生けるものを優しく見守り、死んだ虫たちを悲

          仏性は子どもに宿る

          まともなチェックリストを作る方法

          (プロマネ亭コラム#28)  有効な単体テストチェックリストを作成するには、その元資料である詳細設計書の精度を高くする必要があります。当然のことながら、詳細設計書はプログラム作成前に完成され、プログラミングは詳細設計書に基づいて実行されなければいけません。つまり精度の高い詳細設計書がなければ、精度の高いプログラミングも単体テストチェックリストも作成はできないと言うことです。 さらに詳細設計書の精度は基本設計書の精度に左右され、基本設計書の精度は要求仕様書の精度に依存しています

          まともなチェックリストを作る方法

          良薬口に苦し

          (かわせみ亭コラム#27)  初心者向けの教材となる文章をやっと書きあげて、数人の人たちに試読をお願いした。  いろいろな指摘が出されるだろうとは思っていたが、実際に、ここが分かりにくいあそこは難し過ぎるとの指摘を受けてみると、良い指摘をもらったと感謝するよりも、何でそこが分かりにくいのだろうかという自己弁護の感情が先に立ってしまった。 しばらく時間を置いたあとで冷静な頭で考えると、もともと原稿のできの悪さをチェックするために第三者に試読を頼んだのは自分であり、試読者からのコ

          ドキュメント・ベース開発を支えるチェックリスト及びガイドライン

          (プロマネ亭コラム#27)  複雑多岐にわたる開発業務の失敗を少なくし、業務効率を高める手段として各種のチェックリストやマニュアル、手順書、ガイドラインが必要となります。 開発および評価テストに関して以下のチェックリストやマニュアル、手順書は必須のドキュメントだと言えます。 □ 要求仕様書チェックリスト、要求仕様書ガイドライン □ 見積り回答チェックリスト、見積り回答ガイドライン □ 仕様調査チェックリスト、仕様調査ガイドライン、仕様Q&Aガイドライン □ 設計チェックリス

          ドキュメント・ベース開発を支えるチェックリスト及びガイドライン

          よき友よ!

          (かわせみ亭コラム#26)  吉田兼好(鎌倉時代の人)は徒然草の中で悪い友・良い友の特徴について次のように書いている。  「友とするのに悪い者として七つがある。一つ目は身分の高い人。二つ目は若い人。三つ目は身体強健な人。四つ目は酒好きな人。五つ目は勇猛果敢な武人。六つ目は嘘をつく人。七つ目は欲深い人。一方、良い友には三つある。一つ目は、物をくれる友。二つ目は薬師。三つ目は、知恵がある友」  現在でもまったく同じだ。 身分の高い者は乳母日傘で庶民の苦労を知らず、若者は経験が浅い

          主要工程におけるミス対策のポイント

          (プロマネ亭コラム#26)  製造品質が悪い原因は、粗悪な設計書、ソースコードのレビュー不足、製造担当者のコーディングミス、単体試験仕様書の作成時期の遅れ、などが想定されますが、実際に製造品質の悪さを原因別に分析し数値化したものがなければ、何を重点的に対策しなければならないかを決めることはできません。単体テスト結果における不具合の原因を、例えば、要求仕様ミス30%、基本設計ミス(要求仕様の理解ミスも含む)20%、詳細設計書ミス30%、製造ミス20%だったとしたならば、さらにそ

          主要工程におけるミス対策のポイント

          日本人における事実隠ぺいの体質

          (かわせみ亭コラム#25)  世界中のどの国、どの組織、どの人びとにおいても、競争原理上他に知られたくない秘密を持っているものである。秘密とされる事柄には政治的、経済的、科学技術的なものなど種々のものがある。そのような秘密事項においては本来隠すべきではないものも多く含まれている。隠すべきでないものを隠すことを”隠蔽”と言う。  今も昔も日本人は恥の文化の中で生きている。日本人においては「恥」は、世間の「恥さらし」にならないためには徹底的に隠さなければならないものの一つである。

          日本人における事実隠ぺいの体質

          溺れるものは必ず藁をつかむ

          (プロマネ亭コラム#25)  焦っている場合,本来の段取りを無視して枝葉末節なことがらに先に手をつけがちになります。これがかえって仇になり,根幹の問題の進捗を阻害したり,先に手をつけたものがまったく無駄になったりすることがあります。切羽詰ったときにつかんだものはやはり藁が多いようです。  他より良さそうだという愚かな選択をいつまで続けるのでしょうか。少しの覚悟と早目の準備さえあれば激流に飲み込まれないで済むものを。

          溺れるものは必ず藁をつかむ

          忖度(そんたく)と損得

          (かわせみ亭コラム#24)  “忖度”という怪しげな言葉がマスコミを賑わわせていたが、この言葉が日常会話で使われることはまずない。一昔前にもこの言葉と同様のニュアンスを持った言葉で、「空気を読む」を略して“KY”という言葉が取り上げられたことはまだ記憶に新しい。  これらの言葉に共通している意味は、相手や周囲の気持ちを推測し、それによって自分の判断や行動を行うと言う点にある。このような思考や行動には表と裏があり、表の面として現れたものは日本人の精神性の麗しい面の発揮となり、逆

          忖度(そんたく)と損得

          鶴の一声、何度も鳴けばヤカマシイ

          (プロマネ亭コラム#24)  仕事の優先順位は往々にして外部の有力者からの鶴の一声で入れ替えさせられます。合理的な理由もなければ妥当性も見当たらない場合ですら、みんなこの一声には異常に弱いのです。一声で済めばまだ良いですが、度々鳴かれると仕事が進みません。余りにもひどければ、何度も鳴くなと鶴に言う必要があります。 あなた言えますか?

          鶴の一声、何度も鳴けばヤカマシイ