地道にリスク情報の共有活動を

(プロマネ亭コラム#30)
 プロジェクトにおけるリスクの回避やソフトウェアの不具合問題などを一度に解消できる方法などは存在しません。開発業務の進行と同期をとったリスク対応や不具合傾向の把握を可能にするには、それなりの準備が必要となります。
 リスクについては、リスクが問題化した時点および対策を実行した時点においてその要因などの情報を記録しておき、不具合についても、発見および修正時に不具合票にその真因や発生工程などの情報を同時に記録しておく必要があります。これらのことを全員が都度こまめに実行していれば、これらの累積されたデータは常時グラフや表として分析することが可能となります。
 これらのことを実行せずに、発生不具合やリスクを一時期にまとめて分析することなど不可能なことです。
 リーダーにおいてはプロジェクト全体の、メンバーにおいては各自の担当部の不具合発生・対策状況、リスク管理表の更新、課題管理表の更新を毎日ベースで登録する必要があります。そうすれば作業の進捗に連動した効果的な対策を打つことが可能になります。何日も更新されないスケジュール表・不具合管理表・リスク管理表・課題管理表は何の役にも立たないただの紙くずになってしまいます。さらに各プロジェクトの終了時に必ずプロジェクト完了報告書にてQCD(品質・コスト・生産性)の振り返り、および重要不具合・重要リスク・重要課題について数値に基づいた振り返りをしておくことが、次のプロジェクトにおけるQCDおよび効率化・生産性向上につながります。

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