組織における失敗の原因と結果の関係

(かわせみ亭コラム#3)《再録》 

失敗の原因と結果の分析結果が示すところは次のようであった。
1.「組織」が原因の失敗による損害が約80%を占めている。
2.重大な事故は、ほとんどが「組織」が原因であり、被害の大きさの76%を占めている。
3.「個人」が原因の失敗による損害は約20%を占めているが、④誤判断、⑤調査・検討不足による失敗は、件数が最も多く、軽微から大きな障害まで広範囲に渡っている。

 「組織」とは、組織を構成する全員を漠然と指したものではない。「組織」の本質は、その組織の指揮権を握っている開発マネジメントすなわちプロマネであり、開発リーダーに他ならない。上記の分析数値はプロジェクトの失敗の原因の80%が開発マネジメントの人的品質にあることを物語っている。すなわちプロジェクトを成功させたいのなら、開発マネジメント、プロマネ、開発リーダーたちの人的品質、業務品質を向上させる必要がある。 この分析結果は、失敗学研究者の畑村洋太郎氏作成の「機械設計における、失敗の原因と結果の関係」図を筆者にて数値化してみたものであるが、これは機械設計の分野のみならずソフトウェア開発の分野にもほぼ当てはまる内容であろう。


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