マガジンのカバー画像

【おしり】真夜中の図書館

56
運営しているクリエイター

#学び

どこにでもあるものをリスペクトして、愛している人だけが知る人生の喜びを、感じられる私でいたい。【土を喰う日々 わが精進十二カ月(水上勉著)】

どこにでもあるものをリスペクトして、愛している人だけが知る人生の喜びを、感じられる私でいたい。【土を喰う日々 わが精進十二カ月(水上勉著)】

また素晴らしい一冊に出会ってしまった…。
なんて最高なんじゃい…。

食に関するエッセイなのですが、水上さんの人となりや、水上さんが魅力的だと感じる世界のあり方に、心から癒される一冊でした…。
水上さんは少年時代、京都の禅寺で精進料理の作り方を教わったそうで、その時経験した、精神や知識を生かして、料理人として活動されています。
そんな水上さんの人となりが分かる文章がありましたので、下記引用します。

もっとみる
この世に幸せも不幸せもなく、生きものは幸せに生きついていると思いたい。【幸せについて(谷川俊太郎 著)】

この世に幸せも不幸せもなく、生きものは幸せに生きついていると思いたい。【幸せについて(谷川俊太郎 著)】

この世には「幸せ」なんて存在しないんじゃないでしょうか?
だから反対に「不幸せ」も存在しないんじゃないでしょうか。
今生きてることそのものが「幸せ」という状態なのであって、「幸せ」という状態が特別枠としてどこかに用意されているわけではなく、そもそも皆「幸せ」なんだと、思うのです。

(もちろん、私は「不幸せ」なイベントを全て経験したわけではないし、私より人生経験の多い方がほとんどのこの世界で、

もっとみる
人を傷つけないように気遣った表現より、正直な表現の方が案外人を癒すものなのかもしれない【ミッキーかしまし(西加奈子 著)】

人を傷つけないように気遣った表現より、正直な表現の方が案外人を癒すものなのかもしれない【ミッキーかしまし(西加奈子 著)】

私は正直であることの凄まじさを知ったぞ。
(突然)
いや〜〜〜
おもれ〜〜〜〜
人っておもれ〜〜〜
これだからエッセイを読むのはやめられませんね。

西加奈子さんの「ミッキーかしまし」を読みました。

いや、何が良いって、正直なんです。
まじで正直です。(に、私は感じます)
私も正直に言うと、(正直正直言うから頭おかしくなってきた)西さんの全てに対して「いいな」と思うわけではありません。
「あ〜こ

もっとみる
愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】前編

愛し方を間違えたとか思わなくていい、その時その時の愛の形を、アップデートしていけばいいだけ。【家族最後の日(植本一子著)】前編

「自分の気持ちにきちんと向き合ってもらって育って来た人って、
少ないよね」
友達にそう言われて、ハッとしました。
会社のために、国のために、皆のために、誰かのために、
自分の時間や命を捧げて、がむしゃらに懸命に生きることが美しいとされていた価値観でできていたこの世界で、
一体どれほどの子供たちが「自分の気持ち」に興味を持ってもらえただろう。
そして、どれほどの子供たちが、「親の気持ち」に興味を持て

もっとみる