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コラム

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頭の中を整理しています。
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#大学生

自分の位置を見る目を取得したがまた閉じてしまいそうで怖い

自分の位置を見る目を取得したがまた閉じてしまいそうで怖い

目を覚ました私を引き止める温まった羽毛布団。

ティーバッグで簡易的に煮出せる紅茶。

運転免許。

Macのキーボードを打ち込む手と、生産されていくレポートの文字。

水槽の中を優雅に泳ぐゴールデン・エンゼルフィッシュ。

机の引き出しの中から取り出すエステの会員証。

湯の張られた湯船。

私が今日を生きる上で出会ったものたち。

ほんの一部ではあるが、これらのものは資本主義を首尾良く生き延び

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生きるというのはあり得たかもしれない今日を捨てていく作業だ

生きるというのはあり得たかもしれない今日を捨てていく作業だ

この歳になると現実じゃない、叶わなかったいくつもの現在をあれこれ想像できてしまう。
そして幾度か通り過ぎた過去の分岐点に遡っては、あの時こうしておけば良かった、ああしておけばもっと違ったって悔やんでほうっとため息をついたりする。

(もしあの時、あの子に怒ったりしなければ、今もずっと親友でいられたのかも。
もしあの時、あの人に勇気を出して告白していれば、ずるずる引きずってつらい思いをすることはなか

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言霊と新しき世界、自ら切り拓く

言霊と新しき世界、自ら切り拓く

昨日締め切りの仕事を提出し、迎えた徹夜明けの朝。朝といっても目が覚めると昼の12時半。すぐにピンときてスマホを開ける。

新元号「令和」

和風の美しい響き。予想外の爽やかさに、心がほろほろほぐれていく。希望の兆し。解放の予感。

今年大学に合格した弟が、今日東京の寮に引っ越した。家族の新生活が始まる。私の大学も今日から新学期。久々の大学に出向く。桜がまちを所々で色付けしている。貼り出される連絡事

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「男に生まれたかった」を死語にしたい

「男に生まれたかった」を死語にしたい

東京に一人で住みたいと言った時、親に異常に反対された。
サークルの飲み会に参加するといった時、あまりいい顔をされなかった。
ナンパされた、と気軽な気持ちで報告すると、「気をつけなさい」と釘を刺された。
その度に思ったものだ。「なぜそこまで心配されなきゃいけないの?」

今ならその理由がわかる。本当に胸が痛くなる悲惨な事件の判決が、不起訴または無罪になる事例が、あまりにも多すぎる。平成も終わるこの時

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AIに負けたくないなら目の前の人間をちゃんと見ろ

AIに負けたくないなら目の前の人間をちゃんと見ろ

お客さんの前で新人を指導する店員は、その行動自体が非難されるべき接客であることに無自覚だ。
明らかにお客さんの耳に聞こえる距離で、私語を話す店員もしかり。
従業員が表に見えないところで食べ物にいたずらをするなんて言語道断である。
それらの行為に共通するのは、どちらもお客さんを人としてでなく、「お客さん」というレッテルとしかみていない点である。

飲食店を訪れるのは、食事をするためだということは分か

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就活サバイバルを憂う1人の大学生の嘆き

就活サバイバルを憂う1人の大学生の嘆き

大学3年の1月、周囲では就活の話題があがり始める。友人はSPI対策の勉強を始め、バイト先の大人には就職どうするの?と聞かれ、SNSを開けば就活サイトの広告が目に入る。だけど、私はどうしても「就活」という言葉から絶望を感じざるを得ない。それは、型にはまることへの恐怖からくる絶望である。
では、私は何の型にはまるのか。社会人という型。一般人という型。常識人という型。画一化された幸福。当たり障りのない人

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インスタグラムを始めたら、玉手箱を開けていた。

インスタグラムを始めたら、玉手箱を開けていた。

昨年の10月の終わりにインスタグラムを今更始めた。
このアプリは、どうやらフェイスブックと連携しているらしい。フェイスブックのアカウントはもともと持っていたので、連携を許可するとそちらで繋がっていた人たちが最初からフォローされた。その中には数人の中学の友人も含まれていた。
すると、卒業以来ずっと連絡が途絶えていた懐かしい顔ぶれがわたしをフォローし始めた。わたしのアカウントが彼らの”おすすめ”欄に表

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