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国語王☠️
2022年10月28日 12:26
出典は藤山直樹『落語の国の精神分析』。テレビやネット上のインフルエンサーと同様、受験現代文業界においてもネポティズムで成り上がった中身のない山師が跋扈する昨今だが。本問は「精神分析の統合メカニズム」を「落語の統合メカニズム」になぞらえて示す問題である。「今でしょ」の人はともかく(分析家の孤独って何だよ笑)、業界一の実力者とされる先生も、あえてとる方針だろうが、結果、知性の劣化に加担すること
2022年3月18日 13:48
【2022東京大学/国語/第一問/解答解説】〈本文理解〉出典は鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」(大澤真幸・姜尚中 編『ナショナリズム論』より)①段落。五年ほど前の夏のことだ。カイロの考古学博物館で私はある小さな経験をした。一人で見学をしていたとき、ふと見ると日本のツアー団体客がガイドの説明に耳を傾けていた。私は足を止め、団体の後で何とはなしにその解説を聞いていた。…ところが、
2022年2月19日 19:52
【2013東京大学/国語/第一問/解答解説】〈本文理解〉出典は湯浅博雄「ランボーの詩の翻訳について」。①②段落。詩人─作家が言おうとすること、いやむしろ正確に言えば、その書かれた文学作品が言い表そうと志向することは、それを志向するあり方と切り離してはありえない。人々はよく、ある詩人─作家の作品は「こういうメッセージを伝えている」ということがある。しかし、実のところ、ある詩人─作家の書いた文
2022年2月18日 15:37
【2018東京大学/国語/第一問/解答解説】〈東大国語の解答を示す理由〉①難度は高いが考えを深めることができる良問であること。②同じ良問でも、例えば京都大学などの問題と比較して、標準的な形式で他大学の学習にも応用がきくこと。③国内最高峰の大学の問題なのに、大手予備校などが公開している「解答例」の精度が低いこと。〈本文理解〉出典は野家啓一『歴史を哲学する~七日間の集中講義』。表現に着目し
2022年2月15日 12:15
〈はじめに〉こうして東大第一問の解答を公開しようと思い立ったのは、GVで生徒と東大の過去問を解いていて、大手予備校などの解答を参照する時、特に現代文については、改善の余地が大きいと感じたからです。それで、とりあえず新しい年度から自作の解答を、その根拠となる解説を添えて世に問うてみようと思った次第です。他にケチをつけた以上、僕の解答も「まな板の鯉」となるのを避けられません。それで、自分の能力が許
2022年2月13日 14:20
【2014東京大学/国語/第一問/解答解説】〈はじめに〉受験生や時間のある方は、一度本文をお読みになり、それぞれのレベルで設問を考えた上で、以下の解説を参考にして下さい。受験に関わらず、東大の問題は読みごたえがあり、設問に挑むことで理解が深まる仕掛けになっています。適切な解答は、適切な読解に即して得ることができます。読解においては、表現に着目して重要箇所を抽出すること(ミクロ読み)、形式段
2021年11月27日 23:52
【東京大学/2004年/国語/第一問/解答解説】こんにちは、GVの大岩です。今日は2004年東大国語第一問の解説を行います。東大第一問の解説をアップする理由は以下の三点です。①難度は高いが良問であること。②標準的な形式で他大学への応用がきくこと。③公開されている解答に改善の余地が大きいこと。それで、より良い解答を世に提起し議論の俎上に載せようと思っている訳です、が実際はなかなか反応がありせ
2020年3月29日 18:32
【2020東京大学/国語/第1問/解答解説】 出典は小坂井敏晶「『神の亡霊』6 近代の原罪」。〈参考 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞〉〈本文理解〉①段落。学校教育を媒介に階層構造が再生産される事実が、日本では注目されてこなかった。米国のような人種問題がないし、英国のように明確な階級区分もない。…そんな状況の中、教育機会を均等にすれば、貧富の差が少しずつ解消されて公平な社会に
2021年4月17日 12:19
【2021東大国語/第一問/解答解説】〈本文理解〉出典は松嶋健「ケアと共同性──個人主義を超えて」。①段落。「近代化」は、それがどの範囲の人びとを包摂するかによって異なる様相を示す。「第一の近代」と呼ばれるフェーズでは、市民権をもつのは一定以上ほ財産をもつ人にかぎられている。…市民権の拡大とともに今度は、社会的所有という考えにもとづき財を再分配する社会保障制度によって「第一の近代」から排除
2020年6月19日 10:20
【東京大学/2007年/国語/第一問/解答解説】東大第一問の解説をアップする理由は以下の三点です。①難度は高いが良問であること。②標準的な形式で他大学への応用がきくこと。③公開されている解答に改善の余地が大きいこと。それで、より良い解答を世に提起し議論の俎上に載せようと思っている訳です、が実際はなかなか反応がありせん。笑解答を作成、提示するにあたり心掛けていることは以下の二点です。①より洗
2020年6月20日 11:48
【東京大学/2008年/国語/第一問/解答解説】〈本文理解〉出展は宇野邦一『反歴史論』。内容面の補足は最小限にとどめ、形式面をたどることで重要箇所を抽出する。①~③段落(意味段落Ⅰ)。はじめに「歴史とは何か」という問いをたて、具体的説明を挟んで「歴史は、書かれたこと、書かれなかったこと、あったこと、ありえたこと、なかったことの間にまたがっており、画定することのできないあいまいな霧のような領
2020年1月3日 05:29
【東京大学/2011年/国語/第一問/解答解説】 〈本文理解〉出典は桑子敏雄『風景のなかの環境哲学』。「内容」面の補足はできるだけ控えて「形式」面に着目して、本文の概要をつかむ。①~④段落(意味段落Ⅰ)、河川の体験について。人間は、本質的に身体的存在であることで空間的経験を積む。河川の体験は、流れる水の様態の体験であると同時に「身体的移動のなかでの風景体験」(傍線部ア)である。この後「河
2019年9月24日 07:26
【東京大学/2012年/国語/第一問/解答解説】 〈本文理解〉出典は河野哲也『意識は実在しない』。できるだけ「内容」面の補足は加えず「形式」面に着目して、本文の概略をたどろう。①~③段落(意味段落Ⅰ)、環境問題について。それをより深いレベルで捉え、私たちの現在の自然観・世界観を見直す必要がある。それは「近代科学の自然観」であり、その中に「生態系の維持と保護」に相反する発想が含まれている。
2019年6月8日 18:23