2017筑波大学/倫理/第三問
問三 市民社会に関するヘーゲルの思想を参考にして、「働くこと」の意味について自由に論ぜよ。(400字内)
〈GV解答例〉
ヘーゲルは、市民社会を「欲望の体系」と述べ「人倫の喪失状態」と見なした。彼において人倫とは、主観的な行動規範である道徳と客観的な行動規範である法を弁証法的に止揚したものである。つまり、前者のみでは一般的な規範たりえないが、後者のみでも自発的な行動を促さない、それゆえ両者を備えた人倫においてこそカントの言う自由=自律が実現する。その人倫の萌芽は家族にあり、