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#読書記録

人生、やり切った感ありすぎ。『まるごとインドな男と結婚したら』鈴木成子

人生、やり切った感ありすぎ。『まるごとインドな男と結婚したら』鈴木成子

タイトルからすると、今風の若くて強い女性が、インド人の彼と結婚してドタバタ、でもほんわかな『中国嫁』のインド版みたいなのを想像してたら、全然違いました。かなりハードモードです。

著者の鈴木さんは私より20歳以上年上。海外旅行が手軽になる以前に青春を迎えたはず。それなのに、旅行先で知り合ったインド人の彼と一年後に結婚。旦那さんは就職しておらず、鈴木さんは英語しかできない。でも、すぐに子供ができて、

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「辛かったら逃げてもいい」は大人のエゴだよね。【書評】辻村深月『かがみの孤城』

「辛かったら逃げてもいい」は大人のエゴだよね。【書評】辻村深月『かがみの孤城』

「辛かったら逃げてもいい」。生きる術を知る大人の理屈である。しかし、子供はどうだろう。特に中学生の心の悩みは深い。その一言では効かない。「学校」と「家」以外にそんな場所がどこにある。大人になれば辛い目にあったり、理不尽なことをされたら「辛かったら逃げてもいい」とさかんに言われるようになった。その通りなのだが、子供たちのコミュニティは「親」と「先生」で構成される集団にしか属していない。それゆえ、逃げ

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読むと元気が出る手紙集。『まことに残念ですが・・・不朽の名作への「不採用通知」160選』アンドレ・バーナード

読むと元気が出る手紙集。『まことに残念ですが・・・不朽の名作への「不採用通知」160選』アンドレ・バーナード

これは無名だったパール・バックが、『大地』の原稿を見せた出版社から受け取った不採用通知。信じられないけれど、本当だとか。あの壮大な物語が、こんなきつい一言でボツとは信じられない。数年後にノーベル文学賞を受賞した作品が、ほぼ読まれもせずボツ。ああ……

他にも、この本には文学史の教科書に出てくるような『白鯨』や、誰もが知っている『アンネの日記』、映画化された『チャタレイ夫人の恋人』や『宇宙戦争』、の

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