【アリとキリギリス】あぐらをかいたインテルを倒した会社クアルコム
インテルは、PC向けプロセッサで圧倒的なシェアを誇っていた会社です。
そんなインテルを倒した企業があったのをご存じですか?
携帯電話のチップシェアほぼ100%であり、スマートフォンの向けプロセッサで半分近いシェアを握っている無線通信技術の会社「クアルコム」という会社です。
今回は、日本ではあまり聞かない「クアルコム」が「インテル」を倒した話を紹介していきます。
クアルコムってどんな会社?
クアルコムは、無線通信技術を扱う会社で、LTE方式などの機密通信技術の特許をたくさんもっているので、クアルコムの協力がないと世界中の携帯電話やスマートフォンがほとんど作れないのです。
※LTEとは、携帯電話通信規格のひとつで携帯電話の通信規格を高速化したものです。
油田を持っているアラブの石油王みたいな感じですね。
2013年の売り上げは、250億ドル(約2兆7,660億円)もあり、営業利益率は29%で時価総額は1,300億ドル(約14兆3,837億)にもなります。
ちなみに、日本の法人税(1年間分)は約12兆円なのでクアルコムだけで日本の全企業が納めている税金より稼いでしまうのです。
クアルコムは技術を売るだけで商品製造はしていない
クアルコムは、1999年に京セラに製造部門を売却してから、技術開発ばかりしています。
クアルコムの技術が欲しい企業が特許使用料を支払うので、新しい技術を開発すればするほど、使用料が入ってくるのです。
また、新しく開発した技術を活かし、チップを外部製造をして携帯電話・半導体メーカーなどに販売も行っています。
インテルはキリギリスになった
インテルは昔、PC向けプロセッサで圧倒的なシェアを誇っていました。
そのため、携帯電話市場を甘く見てターゲットとしていませんでした。
一方、クアルコムは、携帯電話の通信用チップとプロセッサをコツコツと研究し提供していました。
しかし、スマートフォン化が急速に進み、高性能プロセッサが必要とされたときインテルにはメーカーの要求を満たせる技術がなく、クアルコムにほとんどのシェアを奪われてしまいました。
インテルもスマートフォン市場へ切り込む
PC市場は、タブレットが出始めてから売り上げが落ち込みました。
それを知ったインテルは、赤字覚悟でスマートフォン市場に乗り込むことを決めました。
インテルは省電力プロセッサ「Atom(アトム)」を改良してスマートフォン市場へ切り込みましたが、いまだにシェアは1%しかありません。
新しくスマートフォン向けに新OS「TIZEN」の開発をドコモとサムスンの協力を得て進めていましたが、ドコモが離脱し完成しませんでした。
インテルは、携帯電話市場を甘く見てPC向けに技術特化していたため、携帯電話市場でコツコツと技術を研いていたクアルコムに大きく市場を奪われてしまったのです。
最後に
今回は、日本ではあまり聞かない「クアルコム」が「インテル」を倒した話を紹介しました。
クアルコムは、無線通信技術を扱う会社で、LTE方式などの機密通信技術の特許をたくさんもっているので、クアルコムの協力がないと世界中の携帯電話やスマートフォンがほとんど作れませんでした。
初めは、インテルのPC向けプロセッサの大成功の陰にいたクアルコムでしたが、携帯電話の通信用チップとプロセッサをコツコツと研究し提供していたのでPCの売上が不調になったときにうまく対応できました。
反対に、携帯電話市場を甘く見てPC向けの技術開発しかしてこなかったインテルはキリギリスのように冬を迎えることになったのです。
市場の変化を感じたら早めに対応すること、コツコツと技術を研くことがクアルコムのように大成功できる秘訣かもしれませんね。
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